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メディアグランプリ

どんなゲームも旅も、外野のコミュニケーションが絡まれば面白くなる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:いづやん(スピード・ライティングゼミ)
 
 
「やったあああ! 欲しい子のカードが出た!!」
 
心の中で絶叫しながらスマホの画面に映ったキャラクターをひとしきり眺め、流れるようにスクリーンショットを撮った。
 
ゲームはそのままに、Twitterを立ち上げ「◯◯ゲット!」とすばやくタップ、先ほどのスクリーンショットも載せて、投稿。
 
しばらくすると、フォロワーの友人から「おお!」とか「やったね!」と、リプライが飛んでくる。ちょっとだけ誇らしい瞬間だ。
 
今でこそすっかりゲームをする時間は減ってしまったが、小学校から中学校、高校、大学、とずっとテレビゲームをしてきた。ゲーマーかと言われると割とそうだ、と答える人生だったと思う。
 
社会人になりあまり時間が取れなくなって、だんだんとテレビに接続するタイプ、いわゆる据え置き機のゲームをする機会は減ってしまったが、それに代わって、スキマ時間に気軽に楽しめるスマホのゲームをやる時間は増えている。
 
まとまった時間も取られないし、気軽なので気疲れもしない。セーブするのにゲーム上のマップをウロウロする必要もないので、今の生活にも合っているのだろう。
 
「でも結構単純だよね、ほとんどスマホゲーって」
 
友人同士で取り留めのない話しをしている時に、ふとこう言われたのだが、確かにそうだ。
 
単純なのに、なぜか面白いと思ってしまう。気がつくと、ゲームを立ち上げている自分がいる。
 
もちろん、リズムゲームなら難しい曲をノーミスでクリアできた達成感もあるだろう。カードバトルゲームなら、強い敵相手に練った戦略で勝てたら爽快感が違う。
 
でも、つい遊んでしまうほど、このゲーム面白いかな。昔時間を忘れて没頭したファミコンやプレイステーションのゲームみたいな歯ごたえがあるのかな。そう自問してみるが、よくわからなかった。
 
そんな時にTwitterを覗くと、友人が僕が欲しくてたまらないキャラをゲットしているのが目に入る。
 
「ええええ、何さらっと手に入れてるの!?」
 
と、かぁっと頭が熱くなり、ついリプライを飛ばす。得意げな返事が返ってくることだろう。
 
ああ、きっとこれだ。
 
たとえ、単純でも「一緒に楽しんでいる人がいる」という事実が、面白いと感じさせる。
 
そうだ、これはつまり、コミュニケーションの一種なのだ。
 
楽しい、嬉しい、の共有。もしくは、つまらなかった、大変だったの共有かもしれない。
 
小学生の頃、好きなマンガやアニメを見た翌日に、学校でその話をして盛り上がるなんとも言えない時間。それは、大人になった今でも同じ好きなものを語っている時に感じる最高に楽しい瞬間だ。
 
ゲームも、ちょっとした言葉のやり取りも、手のひらの上で済むスマホが普及した時代では、「同じものを楽しんでいる人」がTwitterやFacebookに溢れている。
 
それは、自分ひとりの小さな楽しみだったゲームを、大勢の人と一緒に楽しんでいるような錯覚に変えてくれるのだ。
 
これと似た感覚は、ニコニコ動画が始まった頃にもあった。
 
一人で見るとつまらないアニメなのに、画面に流れていく大勢のコメントを見ながら見ると、最高に楽しかったのと同じだと気がついた。
 
誰も彼もが寄ってたかって適当なことをコメントしたり、アニメの展開にツッコミを入れたりしながら見る、という体験。
 
ゲームやアニメと言ったものを媒介にして、なんとなくコミュニケーションしている「場」がとてつもなく面白かったのだろう。作品としての面白さより、隙のあるもの・ツッコミどころのあるものの方が、みんなで楽しむには向いていた。
 
「あれ、これってどこかで……」
 
と自分の中にひっかかりを覚えて自省してみると、自分の旅のスタイルもこれに当たるのでは、と思い至った。
 
僕は一人旅をする時に、出発から帰ってくるまでの間、事細かに旅で起こったことや感じたこと、風景や食べたものなどをリアルタイムでTwitter上で実況している。
 
見たことないような風景があれば写真に撮ってアップし、食べきれないほどの料理が出れば嬉々として投稿した。
 
島に渡った時に天候が崩れて「船が来ない、帰れない」なんてつぶやこうものなら最高だ。フォロワーから「待ってました!」「これがないと君の旅とは言えない!」と喜びに満ちたリプライが飛んでくる。
 
つまり僕は今までゲームやアニメでやっていたコミュニケーションを、旅の途上では自分さえもその媒介にして楽しんでいたのだ。
 
SNSの時代では、作品そのものの面白さも大事だが、そこからどんなコミュニケーションが生まれて広がっていくか、が隠された力として評価されていくかもしれないな、と思い至った。
 
「もしかして、それが僕がなかなか人が行きづらい場所に喜んでいく、真の理由なのかも……それが僕に隠された力なのか……」
 
なんて中二病っぽい妄想を抱えていたら、また楽しくなってきた。
 
自分とみんなを楽しませるために、次はどこへ行こうかな。できるだけ、大変なところがいいだろうな。
 
 
 
 
***
 
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2020-02-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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