ジョジョはどこから読めばいいのか問題
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:向山彰彦(ライティング・ゼミ平日コース)
「ねえ、ジョジョいつか読んでみたいと思うんだけどさ、どこから読んだらいいの?」
私はいくどとなくこのような相談を受けてきた。
なぜなら私のジョジョ好きはまわりで有名だからだ。
知っての通りジョジョ好きに悪いやつはいない。ましてやジョジョそのものの話題である。
これに全力で応えるのはコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらいあたりまえのことである。
「……ペラペラペラ……本当言えばねー最初からだけどー、おそらく人気と現在のスタンドと言う概念の土台という点では第三部から、いやでも君の好みからするとスマート男子のそろった第五部が先がよりよいかなきっと、でもジャブ的にまずは岸部露伴から触れてみようか。短いからすぐ読めるよ。それでね……ペラペラペラ……」
「うんうん、わかった、ありがとー」
ふうー、よかったよかった。これでこの人を幸せにできた。
さてさて。
その後、読んでくれた人はどれくらいいるでしょう?
……。
ゼロ。
ゼロである。
何が悪かったのか?
私の説明の仕方か?
あるいは勧めた部がその人に適していなかったのか?
なんども同じ思いを繰り返すうち……真実が徐々にわかってきた。
果たしてその真実とは!?
ゴゴゴゴ……
ドドドドドドドド……
「『ジョジョ読んでみたい』と言う人は、ジョジョを本当に読みたがっているわけではないッ!!!!」
バッアアアアアアアン!!!!
な… 何を言っているのかわからねーと思うが、私も何故こういう結論になるのかわからなかった。読者諸氏もすぐにはわからないだろう。
だが!
我々はこの現象を知っている。 いや! この「相談だけど相談じゃない」という状況を知っている。男女の相違点として心理学では有名とされる現象のひとつである。
「ねえ、相談があるの」
そんな風に女性から折り入っての相談を受けたことは読者諸氏も何度かあるだろう。女性から頼られれば男性としてはうれしいというもの。読者諸氏も知識を知性をフル回転させて、問題解決の提示を図ったことだろう。
そしてそれに対して返ってきた反応に当惑したことがあるはずだ。
「うん、わかった」
あれ?
全力で考えたソリューションに対して、思いのほかうれしそうではない反応。
むしろその相談の問題解決を望んでもいなかったような反応。
そして大人の階段を上るうちに、気づくのだ。
心理学の世界に触れたりあるいは先輩からの助言を聴いて、その謎の招待に。
女性からの相談は、必ずしも本当に問題を解決してほしいときばかりではない。むしろ相談している体で、ただ共感を得たいだけなのだと。話を聞いてほしいだけなのだと。
……おわかりだろうか。
ジョジョが読みたいと言っている人は、女性に限らず男性もだが、ジョジョが本当に読みたいのではない。自分とは縁のない世界だがわりとよく耳にし、最近は特におしゃれ女性誌にも登場するジョジョというファッションを知りたい、って口に出している「私、イケてるでしょ」アピールなのである。
もっと下卑た例えで言えば、
英語くらいやっとかないとね~(と言ってから10年経っても始める気配がない)
おれギターはじめたんだぜ~(コードも覚える前にやめて二度と触らない)
と同じポージングなのである。
よく考えればわかることだった。
本当にその人が「ジョジョを読みたい」と心の中で思ったなら!その時スデに行動は終わっており、読み終わっているはずだから……!
* * * * * *
「ねえ、ジョジョいつか読んでみたいと思うんだけどさ、どこから読んだらいいの?」
これからも私はこの質問を受け続けるだろう。
そしてこれからの私はこう答えるのだ。
「はい、いまここでスグkindleで全巻買っちゃおうね。
それが人生オトクだから。
え、買わない?なら私が買って送りつけてもよい。
君が読むまで、送るのをやめない!」
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