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「寝かしつけ」という名の戦い


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:sayaka(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「ああ、また今日もこの時間がはじまる」
 
時刻は20時30分。
毎晩寝室で「寝かしつけ」という名の戦いがスタートする。
 
戦いの相手は7歳の息子と3歳の娘。
可愛い顔に似合わず強敵だ。
 
電気を消して布団の中に入り、
2人とも眠りにつくのが21時30分。
 
毎日1時間かかるのが日常である。
 
ちょっと考えてみてほしい。
 
毎日1時間ということは
1年間で365時間。
 
日数にして約15日分の時間を寝かしつけに使っているのだ。
 
15日分の時間があったらできることはたくさんある。
 
どうにかこの1時間を短くできないか、
そう思いこれまでに色々な作戦を立てた。
 
作戦その1:よく眠れる音楽をかけよう!
 
今は便利な時代だ。
 
スマホで「睡眠 BGM」と検索すると
「〇分で眠れる!」というキャッチコピーのついた
音楽をたくさん教えてくれる。
 
よさそうなものを見つけて流してみる。
 
すると、子どもたちがあっという間に寝るではないか!
 
作戦成功! と言いたいところだが、
大きな弱点が1つ。
 
私も一緒に寝てしまうことだ。
おそらく子どもたちよりも先に。
 
これでは意味がない。
 
作戦その2:昼間にめいっぱい遊んで体力を使い果たそう!
 
戦いは布団に入る前から始まっている。
 
日中に動き回って疲れたら
すぐに寝るのではないか。
 
公園に行ったり、歩いて買い物に行ったり、
「今日もいっぱい遊んだね!」で就寝。
 
この作戦も成功!
 
でも、もう薄々お気づきかもしれないが
これは私の体力もかなり消耗する。
 
結果、またしても一緒に寝てしまう。
 
作戦その3:「おやすみロジャー」を読んでみよう!
 
「おやすみロジャー」という絵本を知っているだろうか。
 
数年前にテレビにも取り上げられていた
心理学の要素を取り入れた絵本。
 
話題になっていた当時
「寝ない子が10分で寝る!」のような特集を
夕方の情報番組で見た記憶がある。
 
絵本にしては挿絵が少なく、
ページ数も文字の量も多い。
 
ゆっくり読んだり、
声に強弱をつけたりして読むことがポイントのようだ。
 
なんでも、最後まで読まないうちに寝てしまうのだとか。
 
「これだ!」
 
しかし、残念ながら我が子には通用しなかった。
 
この話が楽しくて仕方ないらしい。
何回読んでも最後まで起きている。
 
ページ数も文字数も多いので
時間がかかるし、
 
ちょっとごまかしてページを飛ばそうものなら
「あれ? ふくろうが出てきてないよ」と
鋭いツッコミが入るのだ。
 
たくさん絵がなくても
長いお話でも楽しめるようになったんだね!
 
大きくなったね!
 
ああ、この作戦も失敗!
 
さて、ここまで読んで
「そんなに寝かしつけが大変なら、
一緒に寝ちゃえばいいんじゃないの?」
と思う方もいるだろうか。
 
そうかもしれない。
 
でも、子どもたちには「もう」20時30分でも
私には「まだ」20時30分なのだ。
 
育児に家事、仕事。
この時間までに全力を出しきる。
 
「ママ、こっちきて!」
「母ちゃん、お腹すいた!」
「お茶こぼしちゃったー!」
 
子どもたちからは
毎日ものすごい数の要求がくる。
 
ちょっとゆっくり自分の時間、なんてものはない。
 
もちろん、子どもと一緒に遊んだり
ごはんを食べたりするのは楽しいけれど、
 
好きな本を読んだり
ゆっくりお茶を飲んだり
残りの洗濯ものを畳んだり。
 
そんな自分のペースで
好きことに時間を使う贅沢をしたいのだ。
 
それを確実に叶えられるのが、
夜、寝かしつけが終わった後。
 
だから頑張りたいのだ、
1日1時間、年間約15日分の時間を使ってでも。
 
そんな時、ふと、寝かしつけと似たものを見つけた。
「通勤時間」だ。
 
新入社員の頃、配属先まで行くのに電車で1時間かかった。
 
人多くてぎゅうぎゅうの車内、
しょっちゅう乱れるダイヤ、
 
思うようにできないところ、
時間がかかるところがよく似ている。
 
「あの時はどうしていたんだっけ」
 
座れるような時間を見つけたり
スムーズに乗り換えられる場所を探したり
車内で読書もしていたな。
 
だったら、
通勤を楽しむ方法を試行錯誤しながら見つけていたように
 
日中に必死に走り回らなくても
音楽に頼らなくても
寝かしつけを楽しめる方法があるのかも。
 
そう思いながら子どもを見ていると
満足感がある日は眠りが早そうだった。
 
そこで、布団に入って薄暗い明かりの中で
今日の楽しかったこと、嬉しかったことを話す。
 
テンションが上がって盛り上がりすぎないように
ゆっくり落ち着いた声で。
 
そして、
「今日も楽しかったね。大好きだよ」ということを伝えて
「おやすみ」と最後に一言。
 
部屋は暗くても、
子どもたちが嬉しそうな顔をしていることはよく分かる。
 
これで寝かしつけの時間がぐっと短くなった、というような
驚くほどの変化はない。
 
だけど、子どもたちにとっても私にとっても
20時30分からの1時間が
楽しい時間になったのは間違いない。
 
今までは、この戦いに勝とうと必死だったから
「早く寝てほしい」という圧が部屋を包んでいたのかもしれない。
 
大切だったのはその時間をいかに楽しむか。
 
もう寝かしつけが戦いだとは思わなくなった。
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2020-02-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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