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メディアグランプリ

弱点は克服しないことにした


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:川島 龍憲(ライティング・ゼミ特講)

「俺、運ないから」

“ソフジャン”に負けた彼はこう言って、悔しがることもせず、みんなの分を支払った。
私の大学では、何かにつけてジャンケンをする風習がある。
男気ジャンケン。
そんなカッコいいもんじゃない。
ただ、負けたら奢る罰ゲームのジャンケンだ。
大学に入学して、学生の発行する冊子にも紹介される大学名物“ジュージャン”
参加した人全員のジュースをかけて、負けた人が奢るジャンケンだ。勝つ時は勝つ、負ける時は負ける。自分の実力も何も関係ない、運頼みの勝負。
学食では、食後のジュースをかけ、学生同士、時には先生も交えジャンケンを行っている。大学生にとって1本100円とはいえ、みんなのジュースを奢るのは痛い出費である。

彼は、課外授業で訪れた道の駅でソフジャンに負けた。1個300円、参加人数20人。大きな出費だ。その当時、私がもし負けたなら、どんなに馬鹿げた賭けに参加したのだと後悔しただろう。しかも、私の大学では、暗黙の了解ある。最後に女性と二人残った場合、男性はグーを出さなければならない。ジャンケンの最後に残ったのは、彼とその後付き合うことになる彼女になる子だ。その時から好意を抱いていたか不明だが……
そう、彼は最後の勝負の前に決着が付いていた。
いろんな意味で運がない……
彼自身が自分の運のなさを感じた出来事が印象的だった。
初めての競馬で、賭けた1番人気の馬がレース中に死んだ。
ビギナーズラックを期待し、外れる可能性の低い1番人気の馬を選んだそうだ。
彼はいう、
「自分の運のなさが1番人気の馬を殺してしまった」
彼は笑いながらいう、
「俺は運がない」
そして、これが自分の弱点だと。

私にも弱点はある。人見知りだったり、書くことが苦手だったり、ネガティブだったり、あげればキリがない。
人は弱点を克服して、弱点を強みに変え成長していく。弱点を克服することは楽しい、そして、変わった自分を振り返ると優越感に浸れる。だから、みんな弱点を克服し、強みに変える。
と信じていた。
人見知りの私は、よく一人飲みをする。カウンターのあるお店を選ぶ、お店の人と、たまたま居合わせたお客さんと話すようにしている。
一人、カウンターで飲む時、喋らないと手持無沙汰だし、お酒の減りが早くなる。口に入れるものがなくなるとお酒だったり、つまみだったり追加で頼む。
そしてお金がなくなってしまう。
そうすると続かない。
そして何より寂しい。
続けるには喋る相手を探し、喋ることが必要だ。弱点を克服するため、財布に優しくするため、孤独に打ち勝つため、いろんな理由をつけ弱点を克服していく。
店員さんだったり、隣に偶然居合わせた誰かだったりに勇気を出し、声をかけてみる。逆も然り。話しかけられると話そうとする。
そうやって、会話が上手になったとは言わないけれど、人と話すことに躊躇することはなくなった。

今回、天狼院書店さんのライティングゼミに申し込んだ。文章をうまく書けるようになるために、セミナーに参加する人の興味だったり人生観だったり、普段の生活で足りていない刺激を期待して申し込んだ。
周りは知らない人ばかり、いろんな職種の人がいた。セミナー後、話すことに躊躇はなかったけど、うまく話せてたんだろうかと不安になった。
なんでだろう?

克服しようのない弱点をもつ彼は、いった。
「運が悪いことは変えれれないけれど、みんなとワイワイできる楽しさがないことの方が辛いしね。期待してないから、後悔も少ないよ」

そう、彼は自分の弱点「運のなさ」を克服するは、リスクを回避するしかない。リスクを回避すると彼が求めている仲間とワイワイできる楽しさは得られない。

セミナーに参加した目的は、知らない人と楽しく話すことじゃない。人と楽しく会話して楽しむことなんて初めから期待してなかったのに、いつの間にか期待していた自分がいた。期待するところを間違えていたのだ。そう、彼がじゃんけんに勝って300円得することを期待して“ソフジャン”に参加したわけではないのと同じだ。

自分の楽しみをどこに持っていくのか。克服できない・できていない弱点を克服することを期待するのではなくて、自分が求める楽しみはどこにあるのか、考えてみよう。そしたら、弱点は弱点のまんまでも十分楽しめるじゃないか!
ぐちぐち悩むのではなくて、まずは自分が求めていることをはっきりさせよう。
そしたら、気持ちは楽になる!

*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。 http://tenro-in.com/zemi/103447

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2020-03-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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