メディアグランプリ

人生を変えたい。そう思ったわけではなかった。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:安井美貴子(ライテイング・ゼミ特講)
 
 
人生を変えたい。そう思ったわけではなかった。
 
幼少期の頃から「文章を書くのが好き」、それが自分のアイデンティティのひとつだった。
小説家になりたいと思ったことも、新聞記者になりたいと思ったこともあった。ちょっと言葉を知った中学生の頃には、ノンフィクションライターになりたいと考えたこともあった。
 
小学生の頃、自作の小説を書いては、勝手に学級文庫に並べていた。本の最終ページに感想カードを付けて、クラスメイトからはたくさん褒めてもらった。
中学生になって、演劇部に入った。こっそり脚本を書いては、仲間うちで交換しあった。どうしようもない自己満足な世界だったが、知ったばかりの難しい言葉を並べて、閉塞感たっぷりの中学生活の中で、自分だけの世界をつくりあげていた。
高校生の頃、予備校で小論文の授業をとった。書けば書くほど、先生が褒めてくれるのが嬉しくて、英語や数学の勉強はほっぽりだし、小論文ばかりを書いていた。残念ながら、優秀作品に選ばれるほど上手にはならなかったが、小さくなった鉛筆と、ファイルにおさまりきらない原稿用紙が、大学受験に自信をつけてくれた。
大学は、文学部に入った。大学時代は、ライターのアルバイトも経験した。出版社やマスコミ関係の企業も見に行った。当たり前に「文章を書くこと」を仕事にすると思っていた。しかし残念ながら物書きを生業にできるほどの実力は無かった。
結果、思っていた業界とはまったく違う世界に入った。文章を書くことそのものを仕事にすることはできなかったが、結果入った会社でも、毎日文章は書かされた。
 
入社して5年が経ち、なんとなく転職サイトへ登録した。同世代の友人と飲んでいると、「そろそろ転職しようかな」と言い出す者は、少なくない。そんな友人たちから受けた小さな影響だった。希望職種を選びながら、業種欄の「出版社」「マスコミ」や、仕事欄の「ライター」「編集」というキーワードが懐かしく思えた。忘れていたわけではなかったが、いまの仕事に馴染みすぎたあまり、就職活動で一生懸命に考えた「どんな仕事がしたいのか?」というテーマについて、久しぶりに思い出した。
 
そういえば、文章を書くのが好きだった。
仕事にするほど実力が無いことは、5年前に気づいていた。文章の書き方は、大学受験の小論文で習ったつもりだったが、大人になってから、その実力の無さをカバーするほど、書いた経験はなかった。
 
転職サイトを閉じて、そのまま検索したのは、文章力の養成講座。
最初に行きついたのは、日本最大規模の某出版社。体験講座に行って、文章を生業にすることへの受講生の勢いと、既に働いている広告代理店や出版社で更に上を目指したい目標の明確さと、その受講料の高さに、目をひんむいた。
 
「文章を書く」を仕事にしたいんだっけ?
首をかしげながら、表参道を歩き、帰った。ほかの受講生ほどの情熱がなかったからやめたというわけではなかったが、講座を受講した結果、自分がやりたいことが分からなかった。
 
そうしてたどり着いたのが、天狼院書店だった。
 
「天狼院って、なんかいいよね」
4カ月間のライティング・ゼミを終え、最終講義後の懇親会。誰かがつぶやいたこの感想が、まさにこのライティング・ゼミでの体験を集約していると思った。
 
人生を変えたい。そう思って、ここに来たわけではなかった。
でもたしかに、人生を変えるかもしれないきっかけにたくさん出会えた。
 
天狼院って、人間らしくていいよね。
忙しくても受けられる通信受講があることを魅力に感じたのに、結局、毎週東京天狼院に通ってしまった。教室で直接顔を合わせていた仲間は、10人にも満たないが、天狼院に集うひとびとは、社員も含め、とても人間らしく、心地よかった。授業後の雑談にも熱心に耳を傾け、Facebookグループ外でも交流を図り、悩み相談にも乗る。天狼院で合わせる日曜日の顔以外に、皆がどんな仕事をしているのか、どんな場所に住んでいるのか、相手のことは、結局よくわからなかった。でも、居心地のよい人間らしさを感じられたのは、毎週課題投稿で、どんなことを考えているのか、知る機会があったからかもしれない。
 
天狼院って、緩やかに褒め合う関係性がいいよね。
「毎日一生懸命頑張っていますか?」と言う問いには、そんなの当たり前だと、顔をしかめたくなるほど、日々全力でいる自負がある。特にここ1年は、平日はほぼ寝るためだけに家に帰る状態で、がむしゃらに仕事に励んできた。しかし日々、自分を起点に、自分の頑張りを評価するばかりで、他人の取り組みに目を向ける機会はほとんどなかった。少なくとも、いままでの人生で「褒め上手」と言われたことはなかった。
しかし、天狼院の仲間は、本当に「褒め上手」だった。褒め上手な仲間から、褒めることは、自分を下げることではないと教わった。相手のいいところに気づくことは、相手を高め、自分も高めるコミュニケーションになる。メディアグランプリのページにおいて、見知った受講生や社員の名前を見ると、自然と「素敵ですね」とたくさん言いたくなった。
 
天狼院って、毎週「自分の考え」と本気で向き合えるのがいいよね。
「自分の考え」を形にする機会はありますか?いかに主語を「わたし」にしたところで、毎週2,000字の文章を書きつづけるのは、非常に苦しかった。「わたしが好きなもの」「わたしが嫌いなもの」「わたしの仕事」、こうしたテーマは永遠に表現できそうで、日頃使うキーワードで表現しようとすると、せいぜい500字もあれば十分だった。ちょっと長めだけれど、言葉を飾りすぎるにはちょっと短い2,000字という目標に向かって、毎週毎週苦しんだ4カ月間だった。おかげで、日々ちょっとしたことに「いま自分は何を想ったか?」を振り返る癖がついた。
 
いまのところ、たぶん人生には満足している。
ただ、長年無意識にこだわってきた「文章を書くのが好き」というアイデンティティの正体が見えなくなって、何がしたいのか分からなくなっていたが、結局いまの仕事が好きだと気づかせてもらった。きっかけに溢れた4カ月間は、たまに戻りたくなる緩やかな居場所と、自分の人生に自信を与えてくれた。
 
天狼院って、なんかいいよね。
4カ月前のわたしに聞かせたら、たぶんとても驚くだろうが、ここでの学びは、これからの人生にたくさんのきっかけを与えてくれた。
 
 
 
 
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この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
 

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2020-04-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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