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メディアグランプリ

魅惑のあごだし


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:スガイユカ(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
私には大好きな調味料がある。その名も「あごのだし塩」という調味料だ。私は今でもこのあごのだし塩との出会いを、鮮明に覚えている。
 
あれは2年前、夫の家族と一緒に家族旅行に出かけた熱海の商店街での出来事だった。さすがの温泉地、熱海の商店街は観光客で賑わっていた。
 
私は子どもたちと義理の母と一緒に商店街探索をしている中で、とあるお土産屋さんに立ち寄った。そこで店頭にいたおばちゃんに勧められ試飲したのがあごのだし塩のスープだった。
 
一口飲んで、その美味しさに驚いた。小さい紙コップに、その塩を1さじ振り入れ、ステンレスのポットからお湯を注いだだけのそのスープ。それがとても美味しかったのだ。
 
ただ子どもたちがウロチョロしてしまったため、その美味しさに浸る間もなく、お礼を伝え、そそくさとその店を出てしまった。
 
あのお店のスープ美味しかったな〜。熱海にいるうちにまた出会えるかな。そんなことを思いながら商店街を歩いていると、また他のお店の店先であの塩を発見した。
 
あ! あの塩だ。そう思って近づくと、やはりその店のおばちゃんが試食を持って現れた。またしてもスープを勧めてくれるが、さっき飲んだから美味しいのは知っている。「大丈夫です。実はさっき別のお店で試飲させてもらってとても美味しかったから」そう言うと、おばちゃんは、「そうでしょう。これ美味しいのよ。ちょっと待ってて」そう言って、店の奥に消えていった。
 
もう行こうよ……退屈そうな子供の手を握り、おばちゃんが戻ってくるのを待っていると、おばちゃんは手にタッパーを持っていた。
そのタッパーには、薄くいちょう切りされた生の大根や人参が入っていた。「これ、そのまま塩をつけて食べてみて」そう促され、勧められるまま食べてみると……これがまた絶品だった。なんというか上品なのだ。あごだし特有のあごの癖がない。
 
旅先ということもあり、熱海の商店街の空気で美味しさが2割増ししていることを差し引いても、野菜に塩をつけただけとは思えない旨味があった。
 
びっくりしていると、「ね、美味しいでしょう」誇らしげにそう言ってあのスープを差し出された。もう断る理由もない。またあのスープを美味しく頂いてしまった。
 
これはもう買おう。一緒にいた義母に「私、これ買います!」そう宣言して、2袋ほど購入した。塩としては決して安くはないその商品だが、ここで買わないときっと後悔する。
 
おばちゃんからは、この塩だけでスープにもなるし、味噌汁のだしにもいいし、さっきみたいに野菜に振りかけるだけでも美味しいし、野菜を漬け込むと浅漬けにもなるよ。なにせ万能なのよ、この塩は。肉にも魚にも合うからね。とお墨付きをもらった。
 
あごのだし塩を購入してからというもの、ちょうど仕事が忙しくなったことも相まって、我が家の食卓はこのあごのだし塩に支えられた。
 
お湯に溶くだけで美味しいので、うどんのだしとしても最適だった。あの店のおばちゃんが言ったとおり、野菜スープも味噌汁も、お漬物も簡単に作れた。その他、おにぎりにふりかけてもいいし、チャーハンにもスパゲッティにもいける。買ってきた天ぷらにつけても美味しかった。本当に魔法の粉のようだった。
 
我が家の子供たちはすっかりあごだしっ子になり、あごのだし塩ではない調味料を使って味噌汁を作ったら「ママ、だし変えたでしょ」と言うほど我が家に浸透していった。
そんな生活を続けていたら当たり前だが塩は減っていく。熱海で買った2袋のうち1袋は私の実家にお土産として送ってしまったので、我が家のあごのだし塩は無くなりそうだった。
 
そろそろ使い切ってしまうな。普段使いしているスーパーでは見かけたことがない。また買いたいけど熱海まで行くのは簡単ではない……。そう思って検索してみるとAmazonでも買えることがわかった。
 
でもなんとなく、もう一度自分の手で買いたい。そんなことを思っていたある日、家からほど近いショッピングモールの食料品店にフラッと立ち寄ると、そこにまさかのあごのだし塩が!
 
私は目を疑った。今まで何度か訪れたことがあるこの店に……まさかこんな近場に! 特設ラックに積まれたあごのだし塩。それは見まごうことなき、私が愛してやまないあのあごのだし塩だった。「店長オススメ!」のPOPが輝いている。
 
店長〜! わかってるな〜。勝手な親近感をいだきながら商品を手に取ると、あごのだし塩の隣には「鯛のだし塩」も売っていた。二つのだし塩をそっこうでカゴに入れたことは言うまでもない。
 
姉妹品まであったとは。おそるべしあごのだし塩。熱海まで行かずとも、自転車で通える距離で手に入るとは……。私は無敵状態になったような気分で一人感動しながら家路についた。
 
その日以来、何度か店先を確認したが常設で販売しているので、私は安定供給元を手に入れた。
それからというもの、私はこのあごのだし塩の普及活動に勤しんでいる。友人にも同僚にも勝手におすすめしまくっている。一振りで食卓が豊かになる魔法の粉。本当にオススメの商品である。
 
 
 
 
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2020-05-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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