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未経験・無資格から始めたキャリアがコロナ禍でも意外と有力だった


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記事:mimi(ライティング・ゼミGW集中コース)
 
 
「うわ――――!」
 
3月30日。月曜日の朝。
私は朝起きると同時に、自分でもよくわからないが、錯乱状態に陥った。
 
「もう嫌だ――――!」子供のように叫び、泣きじゃくった。
 
7年勤務した会社だったが、会社に行きたくないという気持ちが溢れて止まらなくなったのだ。
 
今までも、全くそう思わなかったわけではない。
いやいやながらも出社し、何とかやり過ごしていた。
そうしているうちに、いやな気持がどこかに行くので仕事も続いてきた。
 
でも、こんなに子供のように泣きじゃくるほど行きたくないと思ったことはなかった。
 
もしかしたら、今までと同じように、落ち着けば会社に行こうという気持ちになるかもしれない。
そう思い、錯乱状態が落ち着いてから、1時間ほどベットの上でぼーっとしていた。
 
それでも、会社に行こうという気持ちは起きない。
 
ああ、これはもうだめだ。おそらく、もう昨日までの私には戻れない。
なぜだかそう感じていた。
 
思えば、こうなるまでに、大きく二つ、発端となる出来事があった。
 
2月末の某日。
突然、部下から「課長代理、お話ししたいことがあるので、お時間いただけますか?」と別室に呼び出された。
 
数か月前に結婚をしたばかりの女性の部下。
『もしかしたら……』と思いながらも部下が口にしたのは、予想外の言葉だった。
 
「その……退職をさせていただきたいんです」
 
「え? え? なんで?」
 
「結婚してから、全然旦那と生活のリズムが合わなくて。晩御飯とかの時間も違うし。それで、もう少し早く帰れる職場で働きたいと思ってまして」
 
私は頭が真っ白だった。
 
「もう次の職場を決めているんです。4月末を最終出勤にして5月は有給消化させていただいて、一か月くらい専業主婦しようかなって」
 
「え、今とんでもなく人手不足なの分かってるよね? たった一か月で人を雇って引継ぎまでするとか無理だと思うけど。まあ、その日程で了承するかどうかは、課長次第だけど……」
 
実は、1月に異動があり、部署のメンバーが1人減っていて、私は手持ちの業務に加えその人の業務を担当していた。さらに、妊娠中の社員が体調不良により数週間欠勤していた。
その社員が休みの間、私が代わりに仕事をしていた。
つまり、自分の仕事プラス、2人分の仕事を私が背負っていた。
 
ただでさえ忙しい状況で、さらに繁忙期に入り、人手不足に拍車が掛かりまくっていた。
 
「お世話になって本当に申し訳ないのですが…よろしくお願いします」
 
これが第一波だった。
 
身勝手かつ、知らいないうちに転職活動をしていた部下に対して非常に腹が立ったのだが、退職の意向も、退職までのスケジュールも本人の希望通り受理された。
 
私の個人的な怒りはなかなか静まらなかったが、それまで通り仕事をしようと彼女に普通に接するようにしていた。
怒りを抑えて平静を装うのは、非常にストレスが溜まる。
 
それでも、なんとかごまかして日々を過ごしていた。
 
第二波は、3月27日金曜日に起こった。
 
妊娠中で、体調不良により欠勤していた社員から連絡があった。
コロナ騒動で、出勤するのが怖い。終息まで休ませて欲しい、と。
結局はその要望も受理された。
結論、彼女は育休が終わるまで出勤することはないだろう。
 
本当は、彼女が戻ってくれば、私の手がだいぶ空くので、それまでの辛抱だと思っていた。
産休に入るまでに、後任に引継ぎをしてもらえれば、問題なかった。
しかし、その願望は打ち砕かれた。
彼女の気持ちも分かるので、仕方ない、もう乗り切るしかない。
そう思った。
 
金曜日は22時まで残業したが、仕事は終わらなかった。
土曜日、午後から仕事を家でこなす。
日曜日、朝から晩まで仕事を家でこなす。
……終わらない。
私は一体何をこんなに頑張らなくてはいけないのか。
 
月曜の朝。
『ああ、今日は、あれをやって、これをやって……あれもやらなくちゃ……終わるかな』夢から覚めて直ぐ、仕事のことを考えた瞬間。
いきなり冒頭の錯乱状態に陥ったのだ。
 
おそらく、怒りを我慢して過ごしたストレスや、終わらない仕事の連続、色々な事が入り混じり、張り詰めていた糸がプツンと切れたのだと思う。
 
結局、私は一週間休みを取り、仕事をつづけるかどうか考えた。
会社に迷惑をかけるかどうかではなく、今の会社にいることが、これ以上自分のキャリアにプラスになるだろうかと。
結局、今の会社に居続ける事に、意味が見いだせず、退職することにした。
4月3日金曜日のことだった。
 
世間はコロナウイルス一色だ。
休業や倒産の危機に瀕している会社や、仕事を失う危機に瀕している人も出てきている中での転職活動を決意した。
 
多少不安であった。転職先が見つからないのではないかと。
 
しかし、蓋を開けてみると、ヘッドハンターや企業からのスカウトが何通も来た。
私がこれまでしていた仕事は、それなりに需要があるらしい。
仕事が嫌いなわけではない、出口の見えない状況で闇雲に働くのが嫌いなだけだ。
だから、この7年間に経験した仕事をベースに転職することにした。
 
今の仕事に就く前、私は専門卒・未経験・無資格だった。
営業や事務の仕事をしていたが、2-3年でやめてしまい大したスキルはなかった。
そんな私が、7年間で食いはぐれない仕事を手にしていた、と言っていい。
 
気がふれるほど仕事をして、転職活動をしなければ、その価値に気づくことはなかったかもしれない。
 
そんな私の仕事は、人事総務だ。
給与計算や労務関係を7年担当していた。
確かに、考えてみれば、人事総務はどこの会社でもあるし、会社が存続して給与を従業員に払う限り、給与計算をする人は必要だ。
どんな状況でも、食いはぐれない仕事はある。
これからはさらにそういう仕事を見極めてキャリアチェンジしていく力が必要になってくる時代だ。
コロナと気がふれるほどの忙しさが私に教えてくれたことである。
 
 
 
 
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2020-05-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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