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「キャッシュリッチのキャッシュとは、いったいいくらあれば十分なのか?」

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:酒井英之(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
「リーマンショック以降、
キャッシュリッチな経営を目指してやってきました。
とりあえず当面のキャッシュはありますので、
ゆっくり次の一手を考えます」
 
コロナ災禍の長期化が予想される4月下旬、
私はクライアント各社の社長に
「今の心境と課題」について電話インタビューをしました。
 
私はこの道30年の経営コンサルタントです。
これまでの幾度も中小企業の経営危機を目の当たりにしてきました。
今、何に困っているかがわかれば、
何かお手伝いできることがあるかもしれない。
そう考えてのインタビューです。
 
冒頭の言葉は、今年40歳になったばかりの
製造業の4代目社長から聞いた、頼もしい言葉です。
 
同社はリーマンショックに襲われたとき、
資金繰りで大変に苦しい想いをしました。
現社長は当時、平取で経理部門の責任者。
資金調達からリスケなどを一手に引き受けて対応しました。
 
そうした若かりしときの苦い経験が、
この10年、彼に「備えあれば憂いなし」の経営をさせたのです。
 
今、多くの中小企業が資金ショートを起こし、
金融支援を求めている姿が連日のように報道されています。
しかし、上記の社長のように
「準備したので慌てなくても大丈夫」という中小企業もあるのです。
 
そんな社長に、私は次の問いを投げてみました。
「キャッシュリッチとおっしゃいますが、
いくらぐらい持っているとリッチと言えるとお考えですか?
社長には明確な基準がおありですか?」
 
この私の質問に社長は瞬時に答えてくれました。
「2年です。年間の販管費の合計の2倍のキャッシュを持つ。
そうすれば2年間彼に売上0円でも、
従業員の給料と営業活動を続けることができますから」
 
この回答を聞いて皆さんはどう思われましたか?
企業におけるキャッシュの目標保有量は、販管費の2年分。
それを多いと感じましたか?
それとも少ないと感じましたか?
 
私は妥当な水準だと腑に落ちました。
今の苦境を抜け出し、そこから回復に向かうのに2年と読むのは、
経営者としては実に手堅い経営姿勢と言えるでしょう。
 
例えば景気動向指数(CI一致指数)の推移を見ると、
リーマンショックによる不況が始まったのは2008年10月、
それが回復したのは2010年8月です。約2年かかっています。
 
それ以前でも、就職氷河期と言われた不況は
1998年の2月に始まり、2000年1月に回復しています。
またITバブル崩壊と言われた不況も
2001年6月にはじまり、2002年11月に回復しています。
およそ2年間、耐え忍ぶことができれば、不況は抜き出せるのです。
 
唯一バブル崩壊時だけは1992年5月に始まり、
1996年4月まで、なんと4年も続いています。
不況が長引けば、それぐらい続くこともあるということです。
 
それを乗り越えるのに、
少なくとも2年間は売上ゼロでも持ち耐えられる
資金的な備えをするのはむしろ当然いえるでしょう。
 
一年で十分ではないかという意見もあるかもしれません。
そこで、会社を一つの生命体と考えてみましょう。
生命体が生きていくには臓器が必要です。
早期が正常に機能してこそ、人は命を繋ぐことができます。
 
私たち人間の臓器は、大事な部位に限って2つ付いています。
肺、腎臓、精巣、卵巣などです。
これらは、人類が命をつないでいく上で、
消して欠かすことができない最低限必要な臓器です。
 
仮に、これらの臓器の一つが機能しなくなったとしても、
生きていくことができます。
お笑い芸人の爆笑問題の田中さんの精巣が
ひとつしかないのは有名な話ですが、
子供を成すのに何の支障もありません。
 
会社経営にとって資金は、
ここに挙げたような臓器と同じ役割を果たすものです。
経営には調達、廃棄、
次世代につなぐ新商品・新サービスの開発
次代を担う人材育成など欠かせません。
 
その全てにおいて資金は必要です。
これを年間必要量の2倍を確保することは、
会社という生命体の命を繋ぐことなのです。
 
また、不況が過ぎ、新しい世界が立ち上がった時に、
会社はその時の社会にとって
必要不可欠な価値を生み出せる会社になっていないといけません。
 
そのような新しい価値を創造するために
2年間は最低限必要な時間と言えるでしょう。
 
少々古い話ですが、腺ペストが流行した1665年、
ケンブリッジ大学は2年間休校になりました。
この間当時学生だったニュートンは、
りんごが木から落ちるのを見て
万有引力の法則を気が付いたと言います。
それゆえニュートンは、後にこの2年間のことを
「創造的休暇」と命名しています。
2年は、新しい価値を創造するのに必要な時間なのです。
 
問題はこの2年間をニュートンのように
創造的に使う時間に当てるか、
それとも資金繰りに奔走して費やすかです。
創造的に使うには、心理的に余裕が持てることが絶対条件です。
 
社長には、それぞれ売上げ目標や
従業員一人当たりの利益高など、
自分がその達成にこだわる経営目標があります。
 
ぜひその目標のひとつに、冒頭の社長が語る
「一般管理費の2年分のキャッシュの蓄積」を加えてください。
もちろん一朝一夕にはいきません。
単年度の売上目標の達成に比べたら、
長い年月を要するだけにずっとずっと難しい目標です。
 
それでも、2年分の活動資金が手元にある安心感は
何物にも代え難いものです。
競合との経営力の差は不況時をどう過ごすかに出ます。
 
重ねて言います。是非あなたの目標のひとつに
「一般管理費の2年分のキャッシュの蓄積」を加えてください。
そして、世間のピンチの時をわが社のチャンスに変えていきましょう。
 
 
 
 
***
 
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2020-05-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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