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婚活女子は有川浩さんの小説を読んではいけない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:越前谷美佳(ライティング・ゼミGW集中コース)
 
 
「堂上教官のことで頭がいっぱいなのでお仕事むり」
というツイートをしたことがある。
 
「堂上教官」とは、有川浩(ありかわひろ)さんの大ヒット小説「図書館戦争」に登場するメインキャラクターである。
理不尽な法規制から図書館の自由を守るための組織「図書隊」に属し、その中でも精鋭された人物のみが選ばれる軍事組織「図書特殊部隊」において、普段は「鬼教官」として通っている若手教官だ。
だがしかし、絶妙にツンデレである一方、自分の身をかけて大切な人を守る男らしさを持っている。そんな堂上教官の若き日の姿に憧れて図書隊を志願した、無鉄砲で男勝りだが中身は乙女な新人の女性図書隊員「笠原郁」とのラブコメディが楽しい。冒頭に書いた通り、「頭がいっぱい」になってしまうほどに強い魅力と中毒性を持つ人物なのだ。
 
有川さんは女性作家で、その小説は基本的にラブコメディが多い。魅力をあげるとすれば、情景や感情の描写が細やかな点や、個性豊かな登場人物同士の軽快なやり取りの心地よさもさることながら、出てくる男性のキャラクターがものすごく、いい。それだけに、婚活中の女性には絶対に読んでほしくない。
 
なぜなら、男性に対する理想が跳ね上がってしまうからだ。
 
まず、中心人物となる男性キャラにいくつかのパターンがある。
気弱そうだけどよく見ると男前で心優しい、素直なのに女慣れしていなくて不器用、初めは頼りないが物語が進むにつれ男らしくなっていく、優しすぎて女性の尻にしかれてしまう、などである。どれも愛くるしいキャラばかりだ。
 
初めは主人公の女性と犬猿の仲だったり、お互い遠慮したりしていて距離を縮められなかったりするが、徐々に心を開き、中盤から後半にかけて、怒涛の勢いで展開が進む。そして必ずといっていいほど、それぞれのキャラを活かした「胸キュン」なシーンが多発し、読者を悶絶させる。
 
特に話が展開するにつれ男性キャラクターが成長していく物語がお気に入りである。高知県庁に実在する、地域活性のため奔走する県庁の人々を描いた「県庁おもてなし課」、幼いころから憧れていた自衛隊パイロットへの夢を、不慮の事故により目前にして断たれ、広報官として働くことになった自衛隊員の成長を描いた「空飛ぶ広報室」などがその代表だ。
初めは頼りなかった男性陣が、幾多の困難を乗り越えながら、時に周囲とぶつかりながら、みるみるたくましく成長していく。しかも、その成長の原動力となるのはだいたいが「女性にかっこいいとこ見せたい!」という男性のピュアな想いだったりする。こんなの、惹かれないわけがない。
 
また、少し前に映画化され話題になった「植物図鑑」なんかは女子の憧れの極みといえるだろう。
 
20代後半のしがないOL「さやか」のもとに、突然「樹(いつき)」と名乗るイケメンが現れ、同居を求められるのだから。しかもその出会いはというと、さやかが飲み会帰りに自宅マンションの植え込みに力尽きた捨て犬のような状態で倒れこんでいる樹を見つけるところから始まる。よく見ると男前で、おそるおそる声をかけると「僕を拾ってください」とまさに飼い主を探している捨て犬であるかのようなお願いされるのだ。なんという好展開なのか。これを読んで飲み会帰りに自宅近くでイケメンが倒れこんでいないか探したことのある女子はきっと私だけではないはずだ。
 
樹は自分の名前しか名乗らず謎は多いが、料理や洗濯といった家事全般を完璧にこなし、生活費はコンビニのアルバイトで賄う節約上手で堅実な男性だ。その上かなりの植物オタクで、休日は昼まで寝ているさやかを引っ張り出して二人で「狩り」という名のピクニックに出かけ、季節の野草を摘んで楽しむ。
のちにさやかとはいわゆる恋人関係になるが、その生活は甘く理想的である。庭で育てたミントでミントティーを入れ、狩りで摘んできたノイチゴでジャムを作るくだりなんてまさに憧れでしかない。私はすっかり樹の魅力にはまりこんでしまい、一時期は道端で知らない植物を見かけては「樹だったらわかるんだろうな」などと妄想していた。
普段優しいかと思えばさやかのことを本気で心配するあまり同僚に嫉妬して怒ったり、
ふとした時に触れた手のたくましさやたまに見せる強引さに男らしい一面を感じたり、
バイト先の女の子からもらったハンカチをさやかにばれないよう隠してしまう不器用さだったり、胸キュンで忙しいストーリー展開だ。
 
私は有川さんの小説の大ファンで、もし有川さんが男性だったら真剣にアタックしていただろうと思うほどだ。繊細な言葉選びや創り出される世界観がどストライクで、こんな人と毎日一緒に過ごせたら楽しいに違いない。気に入ったものは何度も何度も、展開やフレーズを暗記するほど読み込んだ。
だが、ひとつだけ忠告をするとすれば、有川さんの小説に出てくる男性が色んな意味で「完璧すぎる」ことである。女性にいいところを見せようと頑張って、はじめは弱々しかった男性が最後には見違えるほどかっこよくなっていたり、一途なのに不器用でツンデレだったりと、完璧に女子側の願いを叶えてくれるのだ。おかげで、私が持つ現実世界の男性への理想は非常に高くなってしまった。
 
以上の理由から、婚活中、あるいはこれから婚活をしようという女性は、有川浩さんの小説を絶対に読んではいけない。
 
ちょっと日常の恋愛には疲れたという方がリフレッシュするには、全力でおすすめしたい。
 
 
 
 
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2020-05-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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