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自分へ起こった出来事の意味


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記事:三谷 智子(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
私は今日に至るまでの2年半、毎日のように自分へ尋ねていることがある。
自分へ起こった出来事の意味って何だろう?
怒涛の出来事が押し寄せたゆえだった。
 
私はとことん頑張り抜くことで、色んなものを得てきた。学業も、職業も、人間関係も、なんでもかんでも頑張るの一本勝負でやりぬいてきた。恋愛、結婚においては、頑張り尽くしたとて成果が出ず、コンプレックスの塊となってはいるが、ご愛敬だ。
概ね人生は順調だった。ここから先も頑張り抜くことで人生を進めていくはずだった。
2年半前を境に、人生の進め方を問うような出来事が次々と起こった。
出来事の始まりは、母の病気だった。
 
母の病気は、母へ近づく死と真正面から向き合う日々となり、私を追い込んだ。
辛い思いを経た先には、自動的に幸せがやってくると信じ、拠り所にして頑張った。しかし、やってきたのは思い描く幸せではなく、もっと辛い現実だった。失恋に始まり、自分の病気が発覚するなど、これでもかと言わんばかりに、私の急所を突く辛い出来事が続いた。
辛い出来事の起こるタイミングは絶妙だった。マイナスの出来事から気持ちが上向き始めると、次なるマイナスの出来事がやってきた。私の心を挫くのが狙いかと思った。楽しい気持ちを持つこともままならないように、私はいつも突き落とされた。低地安定。精神が腐るのに十分なほど、絶望へ浸れた。
 
世の中から不要。もういらない。あなたの役目は、お母さんの看病でした。全うしたので、大丈夫です。ご苦労様でした。
そんなお役御免の通達をされているのかと思い始めた。
 
誰からも、世の中からも必要とされていない。そりゃそうだ。私が唯一無二の技術を持っている訳でもなく、誰かが私の代わりとなれる。私がいなくたって、なんとかなる。自分の存在はなんて軽く、代用がきくんだろ。誰かの特別になろうとして、せっせせっせと頑張ってきたのにも関わらずだ。成果はこんなものか。頑張ってきたことそのものが、心底イヤになった。
 
頑張ることは楽しいことばかりじゃなかった。自分の嫌だと言う気持ちを感じたとて、その気持ちをねじ伏せてやり通してきた。するといつの間にやら、辛い、逃げたいという気持ちも感じにくくなっていった。頑張ることを邪魔するものはない。頑張ることへ拍車をかけていた。
 
マイナスの出来事が重なったことで、無意識のうちに蓋をしていた、辛い、イヤ、逃げたい、という感情が溢れ出してきた。もう無視できない程の巨大さだ。過去の気持ちの大清算をする羽目になっていた。自分の苦手とする感情を目いっぱい味わい続ける日々だった。
なんとか自分を救いたくて、泣き叫ぶような問いが湧いてきた。
 
どうしてこんな辛い出来事ばかり起こるの?
その意味は何?
教えてよ。私が心から納得する答えを教えてよ。
 
1年、2年と時間が経過することで、幾分冷静となっていった。それでも、答えは何も浮かばなかった。日を変え、場所を変え、違う心持ちの時など、条件を変えて考えてもみた。やっぱり分からなかった。悶々と考える日が続いた。
 
2020年6月のある日、ふと思った。
私の答えと思っているものは、一体何?
何をもって、これは答え、これは答えじゃないと判断しているの?
 
自分の中の答えってどんなものだろう。自問してみた。
「瞬間に速攻で、私を幸せにしてくれるもの」だった。自分で出した言葉なのだが、何かしっくりこない。
様々なマイナス出来事を経験し、3秒で効く劇薬は、3秒後には跡形もなく消えることを知ってしまったからだ。劇薬は瞬間を元気にする瞬発力はあるも、持続性はない。一瞬の高揚に焦がれるあまり、長い時間苦しむことを代償にすると、身をもって知った。少しも割に合わないのだ。
では、自分の求める答えは何なのだろう。持続性があり、私を幸せにしてくれるもの。そんなもの、あるだろうか?
 
ん? くれる?
 
自分の発している言葉にひっかかった。頑張ったご褒美を、誰かから授けられて初めて、幸せになれると思っている。外側からしか、幸せは来ないと思っている。
しんどいなら止めればいい。イヤなら投げ出せばいい。そんな自分の気持ちを押し殺して頑張り抜き、余裕を無くしていたのだ。自分じゃ手に負えなくなり、他者から授けられるもので補おうとしていた。
 
頑張ることは素晴らしいこと。世間が言ってるからと鵜呑みにして、自分を追い詰めるほどやり抜いてしまった。やり抜く意志の力は認めるも、頑張りが自分を苦しめるという本末転倒となっていた。
 
しんどいよ。もう疲れた。この辺にしとこ。
そんな自分の心が発するブレーキの気持ちを大切にして、程よい頑張り方を見つけること。
アクセルを踏むばかりが、頑張るじゃない。
自分の中で循環する頑張り方に気づいた。持続力もあるので、そのうち成果へも繋がるだろう。何より、自分の心を穏やかにし、幸せな心地としてくれるのだ。
 
自分へ起こった出来事の意味、そしてその答えは、私の生きる姿勢の頑張り方を変えてくれるものだった。
 
 
 
 
***
 
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2020-07-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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