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天使がウチやってきた!


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記事:ittu(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
その日は突然やってきた。
待ちに待ち、指折り数えた。もうすぐかなとカウントダウンをし始めた矢先のことだった。
ついに孫娘が誕生した!
 
天使が舞い降りたとはまさにこのこと。もうニヤニヤが止まらないのだ。
息子から送られてきる動画を何度も再生したり、画像を加工したり……。何をやっても可愛い。名前はかやちゃん。良いことが広く行き渡りますようにという願いを込め、名付けられた。そうなると「かや」ちゃんにしかみえない。他の名前ではしっくりこない。不思議だ。
 
今日のかやちゃんと名付けられたLINEに送られてくる画像を楽しみにする日々が続いた。
文字通り絵に描いたようなババ馬鹿も同時に誕生したのだった。
 
そして、2週間後、ついにかやちゃんがやってきた。
夫も朝からソワソワしていた。夫はヘビースモーカー。 わが子の子育て当時はさほど気を使っていた姿をみた覚えがない。 平気でプカプカしていたものだ。 そんな夫も、朝から窓を開け、灰皿は屋外へ追いやられた。
孫はベビースモーカーさえも変える。そのままやめてくれたらいいのに……。 こっそり願うがそれはまあないだろう。
 
我が家に到着した時、かやちゃんは眠っていた。初めてのお出かけ、検診で長時間の待ち時間で、泣きつかれたという。こんな可愛い子を3時間も待たせるなんて! おばばは、お医者さまでさえ、敵となるのだ。
 
ち……、ちいちゃい。本当に小さい。
3キロ弱の赤ちゃん、私の子供たちはもう少し小ぶりだったが、こんなに小さかったっけ?
マスクをしての初めての対面。はじめての感触と感激。もう、瞬殺だ。
 
こんにちは。おばばでちゅよ。
 
むむむ。ここはどこ?? 見たことない人がいっぱいいる。
もう、こんなに待たせてもう疲れたちゅうの。まだおうちじゃないじゃん。見たことのない人たちもいるし……。
泣きすぎし、疲れたわ。 ママー! お腹空いた。 おっぱい頂戴よー。なになに、誰か知らない人が抱っこしてるぅ。 うぇーん。お腹すいたー!
あれ、この人、パパでもないけど、なんだかパパと同じ匂いがする。でも、ちょっと臭い。
 
とでも考えているのだろうかと想像するとまた愛らしさが増す。
そして、おっぱいをもらうとスヤスヤと眠ってしまった。
 
近所に住む、私の母や妹もこぞってやってきて、みんなが抱っこした。みんなが「かやちゃん」「かやちゃん」と声をかける。「ええ子やなぁ。」「可愛いなぁ。」と続く。
かやちゃんは、生まれてたったの1か月。この間、何度名前を呼ばれたのだろう。人生でみんなが一番名前を呼ぶ時なのかもしれないなと思った。
 
赤ちゃんは五感を持って生まれるという。
「五感を研ぎ澄ませ」「五感に響く」「五感で楽しんで」といった言葉をよく耳にするが、「五感」と言われる人の5つの感覚が応えられる人がどれくらいいるだろう。
 
視覚 ― 目
聴覚 ― 耳
味覚 ― 舌
嗅覚 ― 鼻
触覚 ― 皮膚
 
目・耳・舌・鼻・皮膚を通して生じる五つのこの感覚。言われてみると、ああそうだ!と思うものかもしない。
 
無意識に働くこの5つの感覚は、生まれたばかりの赤ちゃんは、まだまだ弱い感覚。生後1か月ほどでようやく目が見えるようになると言われている。
今の、かやちゃんの五感は、まだまだぼんやりしたものだろうが、きっと私たちの声や匂い、周りの雰囲気や肌から、すでに何かを感じている。
 
五感は外からの刺激を受けなければ発達しない。こんな小さな口、耳、鼻、目、手から、たくさんのものを感じているのだ。
産まれたばかりの赤ちゃんの視力は、0.02程度、3歳でようやく1.0程度というから驚きだ。ぼんやりとした世界で、感覚を研ぎ澄ませて生きているのだ。
 
抱っこや語りかけ、おっぱいやオムツが濡れる感覚などの日常の穏やかな刺激で、赤ちゃんの刺激は発達していく。赤ちゃんのおもちゃに、色がカラフルなものや音がでるものが多いのも納得なのだ。
 
しかし、かやちゃんは夜に寝ないらしい。
どうやら、昼夜逆転しているというのだ。ステイホームで、生活が乱れている子供たちが話題になっているが、そういう次元ではない。
こんなにも可愛いかやちゃんが、夜になると豹変するらしいのだ。
立って抱っこをしていると眠っているけれど、お布団に寝かせるとすぐに起きてしまう。
どれだけそうっと置いてもだめなのだ。
 
それは30年前と同じ、息子と全く同じ状況だった。
本当に、疲れ果てた毎日だった。
今、思い返せば笑い話となるが、当時は本気で、眠ってとお願いをしたものだった。
 
孫は、無条件に可愛いということを、今実感している。
そして、あんなに夜泣きをしていた子どもが、今は一生懸命世話をしている。そんな子供の姿がお嫁ちゃん共々、とても愛おしく思う。
これは、天使がやってきて気付かせてくれたものだと思うのだ。
 
 
 
 
***
 
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2020-07-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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