メディアグランプリ

近場の旅を楽しむと夫婦関係がよくなる話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:きさらぎ(ライティング・ゼミ5月開講通信限定コース)
 
 
旅にでたーい!
 
今年に入って、旅行をいくつかキャンセルした。
愛してやまない台湾も、初めて行く予定だった沖縄も。
「ミス・サイゴン」を帝国劇場で見る予定も。
せめて夏には日帰り旅行でもしようと思っていたが、あらたに「緊急事態宣言」が出されたので自粛した。
出かけたい病がうずうずしてくる。
 
そんな、もんもんとしていたある日、友達の家の近くにあるスーパーに誘われた。
なんでもフルーツがどっさり乗ったスムージーや具だくさんのおにぎりが人気なんだそう。
早速、インスタグラムでチェックする。
それはそれは、映える写真が出てくる、出てくる。
「行きたい!」すぐに行く日を約束した。
 
そのスーパーは日替わりで目玉商品があり、一週間の予定をインスタで案内している。
今日の目玉はフルーツティと、ほとんど具のキンパ。
炎天下の中、10時オープンの30分前に並んだ。
すでに30人くらいの人。
予想以上の人出に驚く。
友達と一緒におしゃべりしながら待つ。
お目当てのフルーツティには、人が殺到していた。
そこに参戦し、無事フルーツティをゲット。
500ミリの容器にキーウイやパイナップルなどのフルーツがぎっしり入っていて重たい。
もう一つの目玉、ほとんど具のキンパもゲット。
大満足の成果。
無事買い物を終え、インスタで人気のスムージーを購入。
桃のスムージーの上にドンと桃がまるごと一個乗っている。
このスムージーには桃を2個使っているそうだ。
はあ、美味しい! 幸せ~。
 
その後、お店の近くのカフェでランチをして、行ってみたかったお店でカキ氷を食べた。
まるで旅に出たみたいに楽しくてウキウキした一日だった。
こんなに近くで楽しめるなんて。
この炎天下にスーパーに並ぶという狂気の沙汰の行為も、まるでディズニーランドに並んでいるくらいワクワクしていた。
 
そして、家族にお土産もたっぷり。
名の通り、ほとんど具のキンパやフルーツのうまみがいっぱいのフルーツティを、美味しいね、と話しながらいただいた。
 
旅は近くでも楽しめる。
目からうろこだ。
いままで目が遠くに遠くにいきすぎていたようだ。
 
そういったわけでこの夏、市内、県内のあちこちに出かけることを楽しんでいる。
神社で御朱印を頂き、素敵なカフェで時を過ごす。
行列のできる店で並んだり、そこの土地で人気のお菓子を購入する。
パワースポットと呼ばれている場所に出かけてみる。
わりと近所に美味しいお店や歴史的な場所があった。
インスタやグーグルマップでお店などを探す。
旅にでる時に調べる方法で近隣を検索する。
そうすると風光明媚な場所や美味しいお店がたくさんある。
いままでどうして、知ろうと、探そうとしなかったのだろう。
 
「青い鳥をさがして」ではないが、幸せは遠くではなく身近な所にある。
これは人間関係にも当てはまるのかも。
近くにあるものはよく知っていると思い込んでいるが、実は知らないことや気がつかないことがたくさんある。
家族の良い所を他人から教えてもらって気がついた経験は誰しもあるだろう。
まさに夫婦がそうではないのか。
結婚する前は、相手のことを積極的に知ろうとして、そして良いところを探す。
相手がまだ遠い存在だから。
結婚後だんだんと嫌なところが目につき、かつ、相手のことをすべて知っているように錯覚する。
近い存在になってしまったから。
 
昨日の自分、今日の自分、明日の自分、微妙に違う。
ある日を境に別人になることはないが、少しずつ変わって、10年前の自分とは確実に違っている。
相手だって同じだ。
少しずつ変わっているはずなのに、気がつかない。
見ようとしていない。
これは、夫婦だけでなく親子、毎日顔を合わせる職場の人も同じかもしれない。
近い人ほど案外知らないのだ。
 
新しい眼差しで夫を見てみる。
そういえば、昔は、ちょっとしたことで不機嫌になったのに、最近はそんなことないかも。
多分そうした態度を取ると娘に嫌われるから気をつけているのかな。
お小遣いをすぐ使ってしまい、すぐに追加を求められていたのにいつの間にか言わなくなったな。
ただいま教育費MAXの我が家の経済状況もわかっているのだな。
子供の良いところは目をさらにして探すのに、夫の良いところなんて探したことがなかった。
積極的に良い所をさがすようにしてみた。
以外に親切に? してくれていることにも気がついた。
今まで当たり前と思っていたが。
当たり前じゃないことに気がついたので、
「ありがとう!」の言葉が何度も心から出てくる。
そんな様子が、心が、相手にも伝わるのか、夫の機嫌もよく、なんだか最近楽しく会話ができる。
そんなことはお互い言葉には出さないが。
 
近所に良い所がたくさんあるように、近くにいる人にも良い所がたくさんある。
でも良い所に気がついていない。
それは、見ているつもりでいても何も見ていないから。
見ようとしていないから。
積極的に良い所、素敵な所を探していこう。
住んでいる場所の近くも、一番近くにいる人も。
私の青い鳥は半径5㎞の中にある。
それも数え切れないほど。
 
今度の週末は、夫を誘って、隣町で人気のカキ氷店にでも行ってみようかな。
すぐ近くにある幸せを満喫するために。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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