メディアグランプリ

接客業が社会のコミュニケーションのありかたを変える


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:堀川 哲朗(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
メニューのオーダーミスに腹を立てて、レストランのウェイターに
横柄な態度を取る若者。
 
携帯電話ショップで、端末の初期不良を理由に
不満をまくし立てる主婦。
 
市役所の行政窓口手続きの遅さに我慢ができずに、
待合スペースで職員に怒鳴り散らすご年配の夫婦。
 
上記の場面は、いずれも私が実際に目にした事例である。
 
カスタマーハラスメントという言葉ができて久しいが、日常こういった場面に出くわしたことは皆さんも一度や二度ではないはずだ。
 
目の前の個人を相手にする接客業に従事する方は、このようなクレームや唐突に理不尽な扱いを受ける場面は避けて通れない。
 
私は、健康経営というカテゴリーで、コンサルタントをしている。企業で働く従業員のストレスに関わるデータの分析にも携わっている。
 
データから読み取れる、上記の業界に携わる人々のメンタルヘルス不調の発生率は比較的高く、短期間での離職率も高い。そういった背景は、この極めてストレスフルな職場環境と無関係ではないだろう。
 
自分も若い頃ではあるが、飲食店の接客や小売業の販売の仕事の掛け持ちを含めると、10年以上経験しているので、容易に想像できる。
 
どんどんテクノロジーが進み、あらゆる人が動く業務が自動化され、AIやロボットが接客する日も近い将来やってくるかもしれない。
 
それでも人の「温かみ」に触れられる接客業は
やりがいがあるし、まだまだ必要とされる仕事だろう。
人間は、コミュニケーションを取らなければ生きていけない動物であるのだから。
 
そこで、世の中の全ての人のコミュニケーションスキルを向上し、接客が求められる業界のストレスフルな職場環境を改善する施策を一つ提案したい。
 
突拍子もない空想を書くが、これが実現したら世の中にどんなインパクトをもたらすか想像しながら続きを読んで欲しい。
 
接客アルバイト義務化論
その施策と何か。
 
それは、18歳になったら3ヶ月間の間に100時間の接客業のアルバイトを義務付けるというものである。
 
3ヶ月としたのは、企業のアルバイト募集計画が四半期ごとにできるということと、100時間にしたのはいわゆるお仕事の「お試し体験」にならずに実際に一人前のスタッフとして、接客を経験できる目安を考えて設定した。社会政策的に、若者が積極的に接客のアルバイトチャレンジする環境を作るのだ。
 
コンセプトは「見知らぬ他者を知り、思いやること」
 
世の中には本当に多種多様ないろんな人がいることを知ること。自分自身の常識や価値観がまるで通じない相手と意思疎通を図らなければならない場面もある。見知らぬ人とコミュニケーションを取ること自体が、エネルギーを使うし、時には傷つくこともあるだろう。
 
これだけオンラインで人と関わることが当たり前になった世の中だからこそ、オフラインでのコミュニケーションの大変さや重要性を知って欲しいのだ。そしてお客様としてやってくる「見知らぬ人を思いやること」を知って欲しい。
 
その経験があれば、自分の買った新品のスマートフォンが初期不良を起こしたとしても、目の前の店員のせいにして、感情的に怒鳴る行動を選択したりはしないだろう。
 
接客業だからこそ学べる経験の汎用性
 
年長の読者のなかには、接客業を経験しなくても家庭などで教わることで、自然と身につくものであるという意見もあるかもしれない。
 
しかしながら、時代は目まぐるしいスピードで変わってきている。
日本企業は、終身雇用を約束し、あらゆる職種をジョブローテーションして
経験させるメンバーシップ型の雇用から、職務を専門性のあるジョブ型の雇用で人材を抱え込む方向にシフトしつつある。
 
このシフトの背景は、いろんな職種を経験してゼネラリストを育てるよりも、それぞれのスペシャリストを育てないと広い意味で企業の競争力を保てないという企業の判断から来ていると個人的には考えている。
 
そんな時代の流れを汲んで、ジョブ型で仕事を選んでいくならば、専門性を高める前に、全ての職種に汎用的に求められるコミュニケーションスキルが求められる接客業をすべての若者に経験して欲しい。
 
居酒屋・ファミレス・コンビニ・クリーニング屋など接客業の経営者は、常に労働力不足に悩まされている。上記のお店に足を運んでも、外国人の定員の接客を受けることも都会では珍しくなくなった。
 
もしかしたら、接客のアルバイトで、日本にいながらにして異文化をより身近に感じることができるかもしれない。それは社会に出てからかけがえのない経験となって活きる。その若者がどんな仕事を選んだとしても。
 
この接客アルバイト義務化は極端なアイディアかもしれないが、10年、20年のスパンで見たら大いにプラスに働くだろう。大げさだという指摘を覚悟の上で、伝えよう。
未来ある若者が見知らぬ他者にも少しでも思いやりを今以上に持てるようになったら、街で見かける人々の風景は確実に変わる。必ず変わる
 
これを読んでいただいている方はおそらく親御さんにあたる方が多いと思われるので、ぜひ自身の子供がアルバイトをする年頃になったら接客業を勧めてみてほしい。
 
《終わり》
 
 
 
 
***
 
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2020-09-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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