メディアグランプリ

裁縫とは、新たな世界への「扉」である


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:E.MIO (ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
最近、裁縫を習い始めた。きっかけは、ひょんなことである。書道を習っているのだが、書道に必要な用具を買うために、ユザワヤへ行くことになったのだ。ユザワヤは、書道用品も売っているが、主たる販売品は手芸用品である。
 
ユザワヤには、布地やらビーズ用品やらありとあらゆる手芸に必要な用品が揃っている。書道用品を買いに来たとしても、大半は手芸用品の売場だから、様々な手芸用品やそれを買いに来る人々を目にすることになった。
 
折しも、新型コロナウイルスの広がりによって、手に入りにくくなったマスクを手作りしたり、ステイホームで家にこもってできる手芸が人気を呼んでいるようで、売場は大勢の人で賑わっていた。
 
「マジか、こんなに手芸をする人が世の中にいるのか」
 
小学校の家庭科の授業以来、裁縫をしたことがなく、裁縫をしようなんて思いついたこともなかった私には、衝撃的な光景であった。私は、服の裾が破れたりしたら、その服は捨てておしまいだし、何かを手作りするのは、面倒くさいと思っていた。しかも、手先が大変不器用で、特に指先の細かい作業は、脳が指令を出しているはずなのに、指の動作が伴わず、苦手だ。だが、マスクも縫うことができない、何も自分の手で生み出せないということは、このコロナ禍で、モノが手に入りにくくなるから、不利に働くかもしれない、と思っていたこともあり、突然、私のヤル気スイッチが入ったのである。
 
「じゃあ、裁縫をやってみるか……」
 
と言っても、簡単なボタン付けも四苦八苦してできるくらいの低レベルなので、基礎から丁寧に教えてもらえる手芸教室に通うことにした。絶望的なレベルの手先の不器用さと、手縫いはもちろんミシンも何十年ぶりに触るといった体たらくで、他の生徒さんの2倍の時間がかかりながらも、課題をこなしているのだが、一度決めたら、とことんやる性格なこともあって熱心に裁縫教室に通っている。そんな中で、いくつか裁縫を学んでよかった点を見つけたので、ぜひ共有したい。
 
まず1つ目は、裁縫ができるということは、服や日常のモノを、自分の好みの通りのもので、身の回りを満たすことができるということである。自分で生地を選び、サイズを決め、縫い方を選んで縫う。当たり前のことであるが、今までは既製品で、サイズやデザインなどなるべく、自分の好みになるべく近いものを探していたのが、洋服であれば、ジャストサイズで自分が着られるもの、デザインは自分が欲しい図柄を選ぶことができる。自分のためだけにカスタマイズされたオンリーワンのモノは、思い入れもひとしおであるし、モノを大切にしようという気持ちも自然に生まれるものだ。これまで、私は自分が欲しかったサイズの巾着袋や、欲しかったデザインのランチョンマット、ソファーのクッションを、自分で作ることで手に入れることができ、いずれも大事に活用している。
 
2つ目は、既成の洋服の縫製の出来具合を評価できるようになるということである。これまで、洋服の縫い目など気にしたこともなかったが、手縫いやミシンの縫い方を学ぶことで、既製品の出来具合も縫い目を見れば、不思議と分かってくるようになった。ファストファッションの既製服が安価で人気で、現に私も愛用しているが、値段の割に縫い目はしっかりしているものの、やはり高価な服の縫い目はより繊細に、細かく縫われており、長持ちすることが分かる。そうなると、たとえ、既製品であっても、単に値段だけでなく、縫い目を見て、服を選ぶということになる。昨今、安価なファストファッションばかり売れるのも、ひょっとしたら、裁縫をしなくなった人々が、縫い目で服を評価しなくなり、そこにお金を払おうと思わなくなったことも、関係しているかもしれない。
 
3つ目は、自分でモノを作るという喜びだけでなく、自分が何かを生み出せるという自信と、いざとなったら、自分で作ることができる安心感を得られることである。コロナ禍のような、何か漠然と不安のある状況では、マスクなど必要なモノがいざ手に入らなくても、自分で作ることができると思えば、それだけで安心が増すし、不思議と自分自身への自信もアップする。また、縫い物で余った端切れは、集めて組み合わせて縫うことで、これだけでも、カバンや袋など、新たなモノを生み出すことができ、無駄を出すこともない。
 
これら裁縫の効用を語ってきたが、どこが「扉」なのか。私は裁縫を始めたことによって、自分でモノを創るという新たな世界への「扉」を開くことができた。たとえ不器用であっても、少しずつ縫い進めれば、必ず完成するし、かつての日本の家庭では、裁縫をすることは、特別でもなんでもなく、ごくごく当たり前の日常だった。この記事を読んで、裁縫に興味を持ってくれる人が少しでも増えれば幸甚である。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325


■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984


2020-09-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事