メディアグランプリ

ある書店で、「へぇ~」を連打したワケ


世良さま

記事:世良菜津子(ライティング・ラボ)

 

「へぇ~! そっかぁ~。へぇ~」
目の前で話している先生の話を聞きながら、気がつけば独り言を言っていた。
実は、「へぇ」と口にしたのは、この1回だけではなかった。
2時間の間に、何度も何度も無意識に言っていた。

その時、教えてもらったことは、生きていくうえで絶対に知らないといけない! というものではなかった。
でも、知っていて絶対に損はない。私にとって、私の周りにいる大好きな人たちにとって、必ずプラスになる!その確信があり、私はそこに参加していた。

自然と出てくる「へぇ~」を自分自身で聞きながら、「なんか、トリビアの泉みたい……」と、心の中で思っていた。

トリビアの泉とは、約10年前に放送されていた、バラエティ番組である。
番組内では、視聴者から投稿された雑学が紹介されていき、それを聞いたゲストが「へぇ」と思ったらボタンを押しそのカウント数を競う、というものだった。

「小便小僧のほかに、小便少女もいる」
「『PUMA』の創始者と『adidas』の創始者は兄弟である」
「キリンも『モ〜』と鳴く」
「ちくわはかまぼこに名前を盗られた」

このような雑学が、毎週放送されていた。

毎週水曜日、家族で晩御飯を食べながら、必ずと言っていいほどトリビアの泉を見ていた。
テレビに映る芸能人と一緒に「へぇ~!」と言いながら、ボタンを押す真似をしていたのが懐かしい。

当時、番組で使われていたボタンは「へぇボタン」として販売され、毎週番組を楽しみにいていた私は、おもちゃ屋さんでへぇボタンを見つけては、連打して遊んでいた記憶がある。

番組から誕生した「へぇ~」は、2003年に流行語大賞にもノミネートされたほどだ。

約10年後となる2015年。
その日、福岡天狼院で「フォト部」の授業を初めて受けながら、「へぇ~」と自然と独り言を言っていた。

私が今使っているカメラを買ったのは、約5年前。
人生の中で初めてもらったボーナスが嬉しくて、「ずっと使える、形があるものを買おう!」と、当時発売されたばかりのSONYのミラーレス一眼カメラ「α(アルファ)NEX-5」を購入した。

ずっと欲しかった、ちょっといいカメラ。
一眼レフがほしかったけど、持ち歩きやすいようにと、ミラーレスを購入した。

どこかに出かけるときに、アルファを常に持ち歩いて写真を撮った。
みんなで遊ぶときにもアルファを持っていき、自然と私が「カメラマン」になり「はい!撮るよー!」なんて声をかけていた。
年末年始のもちつきや親族の集まりでも、「なっちゃん!カメラ!」と、おいちゃんたちに呼ばれることも増えてきた。
周りにいる人たちからすれば、私は「写真を上手に撮れる人」と思ってもらえているかもしれない。

しかし、ここだけの話、自分自身でわかっていた。
写真を上手に撮ることができているのではなく、無難な写真しか撮れていないことを。
こんな写真、誰でも撮れる。
もっとこう、プロっぽい、かっこいい写真が撮りたい!

そう思い、SONY「α(アルファ)」専用の、女子向けに書かれた参考書を購入した。
本を購入してすぐ、一通り読んでみたが、未だにアルファを使いこなせていないということは、頭に入っていないということだろう。

たまに参考書を開いてみては、なんとなくわかったフリをして写真を撮る。
しかし、一向に上達しない。
「写真を撮りたい!」という気持ちも、徐々に薄れていく。

そんな時に、天狼院書店に出会った。
まだ福岡OPENが決まったばかりの今年の7月だった。
HPを見て、東京ではフォト部が開催されていることを知った。
福岡でフォト部が始まったら、絶対参加しよう! と、フォト部の開催を心待ちにしていた。

楽しみにしていたフォト部が、ついに福岡天狼院でも10月初旬に開催された。
アルファをカバンの中に入れて、いつもより少しだけ足早に、福岡天狼院に向かった。

その日、東京から来てくださっていたフォト部の先生は、すごく丁寧に、色々なことを教えてくれた。

「これ、それぞれ機能がわかりません!」と、失礼ながらもアルファを先生に手渡すと、1つ1つのモードを、私みたいな素人の質問にも、丁寧に答えてくれた。

「Mはこういうときに……」
「へぇー!」
「Aはこうやって……」
「へぇ~」
「レンズのここにこういう風に……」
「へぇー!」

まさに、トリビアの泉のような「へぇ~」の連発だった。
今まで、ほとんどオートやカメラについている「シーン別」で撮影していたが、ちょっとしたことで、今まで以上に楽しく撮影できた。

その日習得したことをさっそく実践して、撮影した写真を友達に見てもらった。
「え!? すごい!」「プロっぽい!」と褒めてもらえた。

それ以降、私は毎回フォト部に参加している。

基本的な使い方以外にも、ちょっとしたポイントなども惜しげもなく教えて頂けるので、その度に「へぇ~」と自然と言ってしまう。

天狼院書店が提唱している「READING LIFE ─本を通した体験─ 」。
今まさに、私はREADING LIFEを体験しているのではないだろうか。

フォト部からの帰り道、毎回ちょっとずつ写真を撮るのがうまくなっている気がして、そんなレベルUPできている自分が、少しだけ嬉しくなる。

しかし、フォト部を3回終えて、ようやくカメラの基本的な使い方がわかっただけである。

写真を見て、思わず笑顔になれるようなベストショットを残すために、次回もフォト部に参加して「へぇ~」と口に出してしまう、カメラの、撮影時の豆知識を増やしていかなければ。

 

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この記事は、ライティングラボにご参加いただいたお客様に書いていただいております。
ライティング・ラボのメンバーになり直近のイベントに参加していただくか、年間パスポートをお持ちであれば、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

 

天狼院書店「福岡天狼院」2015.9.26OPEN

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2015-12-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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