心を病んだ私が、立ち直るために行ったたった一つの重要なこと
*この記事は、「リーディング・ライティング講座」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
記事:佐倉咲良(リーディング・ライティング講座)
もし誰かに「今までの人生の中で一番辛かった時期はいつ?」と聞かれれば、あなたはなんて答えるだろう。親が亡くなったときとか、リストラされたときとか、借金を抱えてしまったときとか、夫にDVされていたときとか。私は26年しかまだ人生を生きていないから、そんなたいそうな経験はまだないけれども、もし上記の質問をされたら、私は真っ先に「受験生のとき」と答えるだろう。動悸が止まらなくなり、食欲が落ち、体重が減ったあの時だ。
私が第一志望にしていた大学は、眞子様と佳子様の出身校だ。英語が大好きだった私は、海外進学の道も考えていたが、金銭的な面や現実的な面を考えて断念した。代わりに「海外らしい」大学を探していた時に、目に留まった大学がその大学であった。英語「を」学ぶのではなく英語「で」学ぶ。当時国際機関に勤めたいという夢もあったのだが、その大学は日本で一番国連で働いている卒業生が多い大学であった。しかも東京にキャンパスがある。地方出身者の私にとって、魅力的すぎる大学であった。
高校3年生の7月にオープンキャンパスに行って、私はさらにその大学の魅力に取りつかれた。英語の本と日本語の本が一緒に置かれている図書館。英語がペラペラな生徒。外国人の先生による体験授業。ディスカッションする前提の可動式の小さい机。私の行くべき大学はここだと思った。絶対に合格してこの大学に通うんだと誓った。
オープンキャンパスに行ってからというもの、私は死に物狂いで勉強した。自分を追い込んだ。勉強していないと逆に気持ち悪くなるまで勉強した。電車の中でも、晩御飯までの間も、隙間時間があれば参考書を開いた。少しでもだらける気持ちが出てこようもんなら、自分に厳しい喝を入れた。昼夜問わず勉強した。参考書の横にタイマーを置いて、1日15時間勉強した。とにかく勉強した。
どうしても受かりたかったのだ。どうしてもその大学に行きたかった。努力家の私なら、叶えられると思った。努力は実を結ぶんだ。努力は裏切らないんだ。私は生まれながらの天才型ではないから、努力して努力して、絶対に合格してみせるんだ。
そうやって勉強して、私はついに人生で初めて「病む」という経験をした。気分が落ち込む。悲しくないのに涙が出てくる。ご飯が食べられない。動悸が止まらない。ベッドから起き上がれない。勉強したいのに、出来ない。勉強しなければ、受からないのに。心療内科に連れていかれて、「自律神経失調症」と診断された。頑張りすぎないようにというアドバイスと、向精神薬と、一冊の本を勧められた。
「ストレッチ・メソッド」高橋書店
要は、ストレッチをしなさいということだった。健康な生活を送るためには、睡眠・食事・運動が大切なことは周知の事実だ。睡眠に関してはそこまで悩んではおらず、食事に対しても母が栄養を考えて作ってくれていたので問題はなかった。しかしこと運動に対しては無理がたたって体力が0だった私に、例えばランニングをしなさいなどというアドバイスは意味をなさない。そこまで体力を使わず、かつ気軽に始められる運動がストレッチだった。
開いてみると、全てのページが写真付きで見やすい。ストレッチの仕方だけではなく、気を付けるポイントやストレッチの原理、NGなストレッチ方法、その筋肉を伸ばすメリットなど、全て写真付きで解説してあり、初心者でも理解できる。本当は朝晩二回ずつするのが理想らしいが、私は朝にすこぶる弱いためとりあえず晩のみすることにした。
すると、どうだろう。あんなに悩まされていた動悸が無くなったのだ。これにはびっくりした。動悸は体力を消耗させるし、勉強の妨げになっていたのだが、見事に無くなった。夜お風呂上りに20分ほどストレッチするだけで動悸が無くなり、寝つきが良くなるのだ。習慣化した。残りの受験生活は動悸がなく、集中して勉強が出来、受験当日も体調は良好で自分の力を存分に出し切ることが出来た。
ストレッチなんて体育の授業や部活ですることはあっても、自己流になっている人が多いのではないか思う。体にガタが来始める中年以降ならば正しいストレッチを意識し始めるのかもしれないが、私みたいな比較的若い人はほとんどの人が正しいストレッチ方法を知らないだろう。私も今ではストレッチを習慣化し、それでもストレスが溜まった時はより長い時間をかけてストレッチをするようにしている。ストレッチはいわば「ストレスが溜まった時の処方箋」だ。ウォーキングやランニングと違い、外の天気や気温を気にしなくていいし、気軽に始められる。ストレスを溜めがちなビジネスパーソンに、家事や育児で疲れている主婦の方に、そしてかつての私の様に受験生活に病んでいる学生の方に、ぜひ手に取って読んでもらいたい一冊である。これを読んで正しいストレッチ方法を身に着け、習慣化すれば、あなたのストレスも少しは軽減されるのかもしれない。
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