女子は趣味
記事:Shoko Takahashi(ライティング・ゼミ)
女子であることは趣味であると思う。
まず先に断っておきたいのは、ここで書いている「女子」とは、女性、性別の女ではない。あくまでも自らを「女子」と定義している者を指す。ちなみに自分自身も「女子」であると思う。だからこそ、女子は趣味であるのだ。
ある時、カフェの隣の席から男女の話し声が聞こえてきた。
女性が「今年はモテるために、女子力あげなきゃって思ってるんですよね」と始める。
男性は「女子力? 具体的に何するの?」と。
「まず、最近、全然してないから、ネイルしなきゃ。あとマツゲも! 美容院にもこまめに通って、ヨガとかもしたいなぁ〜」
聞いたことのあるワードばかり。
自分の手元に目線を落とすとしっかり彩られた爪先に、輝くストーンまで乗せられている。マツエクは先週付けたばかりでまだバッチリ付いてるし、毛先も月1で行っている美容院で勧められたオイルでケアした上で、今朝もしっかり巻いてきた。最近は行けていないが、去年はヨガにはまってたな。月に一度くらいはお菓子も焼くし、友達呼んで料理を振る舞うホームパーティーもする。
あ、もちろん朝はグリーンスムージーか、デトックスウォーターが定番。
……でも、モテませんよ?
よく言われるんだ。「女子力が高い」って。
でも「女子力」って? 女子でいるには力がいるのか?
Wikipediaで調べると、
女子力(じょしりょく 英語: women’s power[1])は、輝いた生き方をしている女子が持つ力であり、自らの生き方や自らの綺麗さやセンスの良さを目立たせて自身の存在を示す力[2]、男性からチヤホヤされる力[3]。
と、出てくる。
1番最後の文、嘘つけ思う。
だって、ネイルしてて、マツエクしてて、髪の毛はしっかり巻く。で、はやりのエクササイズと食事法は必ず生活に取り入れてて、しょっちゅうカフェや、ホテルのアフタヌーンで女子会。してる女性が好きっていう男性に会ったことも、聞いたこともない。
むしろ、そんな女性を蔑む言葉を聞くくらいだ。
でもリアルで聞いたことはないけど、メディアからは聞く。モテるって。
ただ、そこからしか聞かない。
最近、職場の男性に秀逸な事を言われた。
「お前は女子力は高いけど、女らしくない」と。
そう、女子力って女性らしさとはイコールでないのだ。
じゃあ、女子力って無駄なものなんじゃないかと思うだろう。
無駄なのかもしれない。
でも、楽しいんだ。とっても。
「女子らしい」ことをしていると。ネイルもマツエクも男性にモテる為じゃない。自分のためだ。ネイルなんかしなくても生活できることは知ってる。むしろその方が快適かもしれない。でも、綺麗に彩られた爪先を見た時の昂揚感。日々、パソコンを打ってる手元をふと見た時、爪先が可愛いとそれだけで気分があがるのだ。
メディアが「女子力」を煽る理由は簡単だ。儲かるからだ。
女子力が高まると挙げられていることって大体、生きていくには不要なものだ。
でもそれって何かに似ている。
「趣味」だ。
決してお金を生むわけではない。むしろ消費する。誰かの為でもない。
自分の為のもの。
目的はそれぞれあるのだろうが、その目的は自身へ向けていて、他者に向かうものはそうないだろう。
「女子」でいることだってそうだ。本来は。
そして、ある程度の年齢で皆大体気付いている。誰のためではない、自分の為ってことに。
よく、年配の女性が「女子会」をすると、「女子を騙るなんて図々しい」なんて言われ方をするが、趣味を謳歌して何故図々しいのか。
逆に、女子らしいことをしない人に対して、「何故、女なのに女子っぽいことをしないのか」などといわれることもある。いいじゃないか、趣味は人それぞれ。
断言する女子力を高めたって、モテない。
でも、楽しいんだ。とっても。
だから謳歌しよう、自分の為に「女子」を。
高めよう、自分の為に「女子力」を。
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