メディアグランプリ

オタクがオタクであることをオタオタしく語ることがあってもいい。


オタク1

 

記事:たにこにーさま(ライティング・ゼミ)

私は宣言します。
私はオタクです。
私はコミケにも行くし、アニメも見るし、マンガも読みます。
特に今一番はまっているのは、『ラブライブ』というアニメです。

【ラブライブ】
自分の高校が廃校になることを知り、廃校を阻止すべく、学校から生まれたアイドル、“スクールアイドル”を通じて学校を救おうとする物語です。スクールアイドルを続ける中で、仲間との絆を深め、「今、自分がそこにいる奇跡」を描き切った作品です。

『ラブライブ』は雑誌・アニメ・ゲームと幅を広げ、コンビニやカメラメーカーなどとコラボレーションを展開し、たくさんのファンを獲得しました。
そして、スクールアイドルの役をやっている声優さんたちが実際にアニメのキャラになりきって行うライブは、チケット争奪戦の嵐。
今年行われる、ファイナルライブは東京ドームで行うにも関わらず、ヤフーオークション等のサイトを閲覧すると、1枚70,000円で取引されています。(ただし、主催者はオークション等での売買は認めておりません)

『ラブライブ』というコンテンツの人気は年を経るごとに加速度的に盛り上がっていきます。NHKが『ラブライブ』の人気に注目し、声優の皆さんを積極的に起用するだけでなく、昨年は紅白歌合戦に出場もしました。
『ラブライブ』の人気は国内にとどまらず、世界中で大人気です。どの国に行っても、『ラブライブ』のキャラのコスプレをする人たちがいますし、グッズは大人気で、世界のオタクたちは日本の「正規品」を手に入れるべく、個人輸入まで行っています。

なぜ、『ラブライブ』がこれほどまでに人気なのか。
もちろん、企画・制作を行ったサンライズという会社の徹底的なマーケティングがあったからだと思います。そして、そのマーケティングの結果、魅力あるコンテンツに作りこむことができたからだと思います。キャラクター設定も複雑ではなくて(もちろんキャラごとに自分たちの過去があったりもしますが)、ゴールへ向けてひたむきに努力し、悩み、衝突しながらも、励ましあい、キラキラと輝く目標から目をそらさない彼女たちを見て、自分たちも「頑張ろう」と思えたからでしょう。

オタクコンテンツは比較的ネガティブで見られることがありますが、それはなぜなのか?  と考えました。振り返ると、過去の大きな事件で「オタク」であることがフィーチャーされて、当時のマスコミがコミックマーケットを取材したとき「ここに犯罪者予備軍がいます」と報道したことが大きかったように思えます。

しかし2004年頃にスタートした『電車男』を通じて、メイド喫茶が注目浴び、オタクの街秋葉原がマスコミに取り上げられるようになりました。ただ、当時はまだ見世物でした。

そんな見世物であったオタクコンテンツは徐々に発言力を増していきます。最も大きいのは、地上波で流れるドラマや映画の原作がマンガ・アニメに占められるようになったこと。ドラマや映画に興味を持った人々がマンガ・アニメに興味を持って、コンテンツを自分の領域に引き込もうとしてきたのです。

また、ソーシャルネットワークやニコニコ動画の登場により、オタクコンテンツと呼ばれていたものが「意外におもしろくて」ハマってしまう、という現象が起きたのです。例えば、オタクコンテンツから逆輸入された例として、テクノポップアイドルのPerfumeの2007年のブレイクがあります。

オタクコンテンツは、それでもネガティブイメージというレッテルから逃れられないのだということは、オタク自身が理解をしています。だからこそ、自虐的になることありますが、それはあくまで自分の経験や自分のことを自虐的に表現するのであって、オタクそのものを否定することありません。

なぜなら、自分自身が楽しんで、人に迷惑をかけないようにしている人たちが大多数なのですから。ネガティブイメージがあることを理解したうえで、オタクを隠しつつ(もちろん隠していない人も居ます)、自分の趣味を楽しむ。
それは「自分の生活にオタクコンテンツが潤いをもたらすから」だと思うのです。辛いとき、マンガやアニメの名言に励まされる。好きなキャラクターのストーリーを妄想して、心ときめかせる。オタクコンテンツはオタクと呼ばれる人たちにとって、生きるための栄養なのです。

私の心の栄養は、冒頭述べた、『ラブライブ』です。
世界の仲間と『ラブライブ』のすばらしさを語り、共有する。
『ラブライブ』を通じて、また新たなコンテンツと出会い、自分の知的好奇心を刺激する。

私はオタクです。
社会に迷惑はかけません。
自分の人生をより充実したものにするために、オタクします。

オタクコンテンツだからといって、食わず嫌いをしている人たちがいることは少し悲しい気持ちになります。そして、オタクであるという領域にいるからという理由で、オタクというものをミスリードさせるような行動をする人に怒りを覚えます。
オタクには無限の可能性がある、と思いたいのです。

私たちの周りには必ずオタクコンテンツが存在します。
オタクは「愛」です。コンテンツを愛することのできる強さを持っているのです。

オタクがいつか世界を変えることがあると思っています。
いやいやいや、ありえないでしょうと思っている人、世界には約1000のオタクイベントが開催されています。
日本が発信したオタク文化は今、世界の若者にとって、注目すべきコンテンツとなっています。フランスの「Japan Expo」をはじめとして、アメリカやイギリスの巨大メディアが日本の新作の上映権を獲得するために、しのぎを削っているのです。

私たちは世界の共通言語として「オタク」であるということ、「愛」があるということをオタクコンテンツを通じて獲得してます。
政治的に仲の悪い国の人々(それは政治家も含みます)とオタクコンテンツを通じて、酒を酌み交わし、未来を語ることができる。それは、とても素晴らしいことだし、多分、他のコンテンツができないことなのです。

私はオタクです。
誇りをもって、それを皆さんに伝えます。
そして、オタクコンテンツを正しく理解してもらえるように、私たちは私たちをしっかり表現していきます。
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2016-03-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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