メディアグランプリ

生後1ヶ月の育児は、乗り切ることだけを考える。


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記事:山田高広(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
「まじか……。ここでこの人死んでしまうんか。めっちゃ好きだったのにショックだわ……」
時間は深夜3時。私は、生後20日の息子を抱っこして、身体をゆらゆら動かしながらアメリカのドラマ「ウォーキング・デッド」を見ていた。机の上には大量のお菓子。ようやく眠った息子をそーっとおろして、再度お菓子を静かに食べ始めた。
 
出産は女性にとって命をかけた大仕事だ。身体は交通事故で大けがを負ったのと同じ状態になる。そんな、瀕死の状態で育児が始まるのだ。生まれたときの赤ちゃんは柔らかい。柔らかすぎて心配になる。首も腰もすわっていないから身体はぐらぐらで、抱っこには最新の注意を払わないといけない。そんな状態の赤ちゃんに、出産が終わった直後からミルクをあげて、おむつを替える生活が始まるのだ。
私は父親なため、出産を経験していない。そのため、奥さんに代わって何でもしようと決めていた。決めたはいいが、実際に育児をすると想像をはるかにこえて大変だった。特に生まれてから2ヶ月くらいまでの期間は、異次元の世界に来たといってもいい。こんなにも常識が通用しない世界はなかった。
 
まず、大変だったことことは睡眠不足だ。
私は数年前にブラック企業に勤めたことで、適応障害になったことがある。そのときから、鬱っぽくなることを防ぐために睡眠を何よりも大切にしてきた。1日7時間は眠れるようにスケジュールを組み、メンタルを正常に保てるようにしてきた。しかし、息子が生まれてからはそうはいかなかった。まず、「生まれて1か月が過ぎるまでは、3時間おきにミルクを飲ませないといけない」というルールがあった。一回で飲めるミルクの量が限られているため、何時間も空いてしまうと栄養不足になってしまうからだ。そのため、ようやく寝たと思っても、ミルクの時間が来たら起こさなければならない。
私はこの眠れない期間が最もつらかった。しかし、つらいだけでは乗り切れないため、私たちは「夜勤」を取り入れることにした。
それは、奥さんと1日おきに夜通し起きて、各々好きなことをするのだ。私はこのときにアメリカのドラマ「ウォーキング・デッド」を見始めた。
当然夜勤なため、息子の世話をしながらだが、この生活はなかなか楽しかった。抱っこして、ゆらゆら動きながらドラマを見るときもあるし、限界を迎えて一緒に寝ることもあった。なんだか大学生の時にオールで遊んでいるときを思い出して、感慨深くなった。
夜勤を導入してからは睡眠不足が楽になった。しっかりと眠れるわけではないので、体力的にはつらいが、精神的にはかなり楽になった。眠る日と起きている日を決めている方が身体を調整しやすい。また、人間の活動限界時間は48時間だと聞いたこともあり、理にもかなっていた。
 
また、育児に終わりがないことに、ふとつらくなるときがくる。それは、今までの人生とは全く違う生活が始まっているため、昔の自由さが懐かしくなるのだ。3時間おきのミルクを考えなくてもいいし、気軽に外食や買い物にも行けた。お金だって自由に使えた。しかし、子供が生まれたらそんな自由はない。毎日はとても幸せなのだが、ふと、疲れているときに振り返ってしまうのだ。これを乗り切るには、前向きに自分を甘やかすしかない。
 
まずは奥さんへの出産祝いを兼ねて、少し良い値段の旅行に行くことをおすすめする。宿泊場所によっては、ベビープランがあり、ゆりかごやおむつを捨てるゴミ箱が部屋に設置してある。これからも長い戦いがあるのだ。少しぐらい贅沢な旅行をしても、誰も文句を言わないだろう。これからもっとお金がかかるという意見もあると思うが、大丈夫だ。とにかく乗り切ることを考えよう。
 
また、日々の家事についても手抜きをしよう。私がおすすめするのは時短料理機のホットクックを買うことだ。自分で作ったほうが早いという意見もあると思うが、時短料理機を使うことで自由な時間がとても増える。この自由な時間を使って、子供と一緒に寝てもいいし、遊んでもいい。料理を作る工程がなくなるだけで随分料理は楽になる。
 
私はこの出産直後の時期をいかに乗り切るかで、今後の夫婦生活を左右すると思っている。夫婦生活が上手くいかないと、尻ぬぐいは必ず子供へ向かう。子供が親の顔色をうかがうような人生を送ってはいけないのだ。家庭円満のスタートは、出産直後の父親の態度だ。今後も、自分が父親だという自覚を持って育児に取り組んでいきたい。
 
 
 
 
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2021-08-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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