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私が魔法使いになった方法


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記事:福田 乃子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「ありがとう」
 
今日も職場に元気に響き渡る声。
たった5文字のこの言葉が、職場の雰囲気を最高に良いものに盛り上げてくれている。
そして、私を救ってくれた言葉でもある。
 
今の職場に勤め始めてから、約1年になる。
私が歯科衛生士という仕事を始めて、20年が過ぎた。
40代に入ってから新たに職場環境を変えることは、とてもではないが容易ではなかった。
 
前の職場では約7年半勤務し、責任者の立場にあった。
慣れ親しんだ環境では、働くこと自体がストレスには感じていなかったし、仕事自体に打ち込むこともできた。
ただ、その職場内での人間関係が崩れた時に、その環境が突如として苦しいものに変わった。
 
だからこそ、そこから脱出しようと新しい職場を求めたのだった。
 
このコロナ禍で職場を変えるなんて危険だと、周囲の人間には止められた。
ましてや、40代での求職活動。いろいろと不利な条件が揃っていた。
でも、ギスギスとした環境で時間を過ごすのは、耐えられなかった。
何ヵ所か見学に行ったなかで、出会ったのが今の職場だ。
 
「見学に来てくれてありがとうございます!」
 
最初にそう声をかけてくれたのは、とても笑顔が素敵な、明るい雰囲気の女性スタッフだった。
見学をしながら緊張していた私に、とても気さくに話しかけてくれた。
その気配りと雰囲気の良さが印象に残り、私はぜひ面接をして欲しいと申し出た。
 
幸運なことにその職場に勤めることとなったのだが、そこからが本番だ。
 
新たな環境に馴染むことは、退職する時以上の何倍ものエネルギーを要する。
仕事中はもちろんだが、朝から晩まで、家に帰ってからも緊張感は続く。
 
環境に早く慣れる必要があるのはもちろんだが、経験20年ともなると「即戦力」として求められているのだ。
だからそれに応えなければならないという責任感も危機感もあった。
ひたすらがむしゃらに、毎日必死に取り組んでいた。
 
そんななか、私の中に響いてくる言葉があった。
 
「ありがとう」
 
その一言だ。
 
仕事の場において「ありがとう」と言われる経験は、限られた時ではないだろうか?
例えば、何か大きな仕事が成功した時などだ。
そして立場が上になればなるほど、その言葉を使わなくなってはいないだろうか?
 
「仕事をするのは当たり前だから、お礼など言う必要があるか?」
 
そういう考えが、年を重ねるごとに強くなっていないだろうか?
 
ふとその言葉に気づいた時、私はそんなことを考えていた。
「ありがとう」と言われるたびに、今それだけの仕事を自分がしていたのかと考えたのだ。
 
実際のところ、そんな大それた仕事をしたわけではない。決して難しい仕事でもない。
ただ、誰もができるような、当たり前の仕事だった。
 
それなのに、その言葉を当たり前のように、自然に声をかけてくれたのは、見学の時に気さくに話しかけてくれた、あの女性スタッフだった。
 
それからは「ありがとう」に敏感になった。
 
使った道具を片付けていただけなのに、「ありがとう」
洗い物をしていただけなのに、「ありがとう」
洗濯物を畳んでいただけなのに、「ありがとう」
 
本当に些細なことなのに、いつも「ありがとう」を言ってくれる。
 
「ありがとう」の安売りではないか?
 
そう思うかもしれないが、この言葉には魔力がある。
 
「ありがとう」を言われると、心がほっこりと温かくなるのだ。
そしてそれは「もっと聞きたい」という欲求に繋がり、仕事をどんどんやろうという原動力になっていく。
 
そう、「ありがとう」はやる気を出させる魔法の言葉だったのだ。
 
その魔法使いである女性スタッフは、職場全体にも魔法をかける。
スタッフ間の空気もすごく良くなる。上司との関係性も良好なものになる。
職場全体が明るい、楽しい雰囲気になる。
例え、目が回るぐらい忙しくても、ギスギスとした雰囲気にならないのだ。
 
そしてそれは、仕事の場だけではない。
あらゆる場面・場所において、魔法の力を発揮してくれる。
そう、それは家庭においても言えることだ。
 
家族が自分のためにしてくれた事に対して、「ありがとう」と言っているか?
自問自答した時、自信を持って「言っている」と言えるだろうか?
「やってもらうのが当たり前」になっていて、この5文字の言葉を伝える事を忘れてはいないだろうか?
 
それに気づいた時に、私も魔法の言葉を唱えたくなった。
 
「ありがとう」
 
その言葉で、私の気持ちは軽くなった。
危機感や緊張感、いろいろなものが重くのしかかってきていたのが、ふっと軽くなるような印象も受けた。
 
そこから、私も5文字の魔法を使い始めた。
 
自分に言われて嬉しかったことは、他人に対してもするべきである。
何に対しても「ありがとう」と伝えることの大切さを知り、実践をする。
 
そうすることで、自分も魔法使いになれるのだ。
 
この魔法の言葉を、皆がどんどん使えば、温かい世の中になる。
お互いを大事にするし、ちゃんと個人を認めているという、意思表示にも繋がる。
 
たった5文字の言葉は、今日も職場の雰囲気を明るくしている。
働く人間達を、笑顔にもしてくれる。やる気も出させてくれる。
 
あなたも「ありがとう」の魔法使いになりませんか?
 
 
 
 
***
 
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2021-10-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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