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運命の彼は……海老!?


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:みっこ(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
「漣(さざなみ)」の「開き海老フライ」を
ご存知だろうか?「開き海老フライ」は、
私の運命の彼(海老?)だった。
 
彼と出会ったのは、はじめて訪れた漣だった。
きっかけは友人の紹介。
彼の第一印象は「ステキな人」だった。
 
彼の日課は、海で泳ぐこと。
大きくてたくましい体が、とても男らしかった。
 
カッコイイかも……。
一瞬そう思ったが、それ以上の興味は湧かなか
った。それは、中身がスカスカなんじゃないか
と思ったからだ。
 
でも、その予想は裏切られた。
彼に唇が触れた瞬間、私は一瞬で恋に落ちた。
 
こんなの、はじめて……。
言葉にできない衝撃が走った。
 
彼は中身のぎっしり詰まった、情熱的な人だった。
その「あつさ(熱さ・厚さ)」は、私の想像以上
だった。彼こそ、私の運命の人だと思った。
 
それから、私は彼に近づきたくて、何度も彼を
訪ねた。彼と会う場所は、いつも決まって彼の
実家(漣)だった。漣は三重県伊勢市にある。
彼は、その店の看板息子だった。
 
私の家から漣までは、高速を使っても車で
2時間半はかかる。長い道のりだったが、彼に
会えることが嬉しくて、何度も漣へと向かった。
 
人気者で、いつも大勢の人に囲まれている彼。
そんな彼を見るのは嬉しいような寂しいような、
複雑な気持ちだった。
 
会えない日は、彼のSNSを欠かさずチェック
した。
今日もステキだな。今日は、こんなことが
あったんだな。早く会いたいな。
知らない彼の一面を見ることが、私の楽しみの
1つになっていた。
 
しかし、その生活も長くは続かなかった。
社会人になった私は仕事に追われ、徐々に
漣を訪れる頻度が減っていった。
 
彼に会えない寂しさを埋めようと、彼のSNSを
封印し、手近な人に会うようになった。
近所のお弁当屋さんの彼や、美味しい洋食屋
さんの彼、ときには、コンビニの彼もいた。
手当たり次第に会い続けたが、誰と会っても私の
気持ちは満たされなかった。
 
彼を超えるステキな人は、どこにいるん
だろう……。
 
そんなことを考えながら、何気なくSNSを
眺めていると、1枚の写真が目に飛び込んで
きた。
 
なんてステキな人なの!
私の心は、一瞬でときめいた。
 
その彼は、とんかつの名店の彼だった。
いわゆる、ハイスペック男子。漣の彼以上の
優良物件だった。徐々に、私の期待は膨らんだ。
 
漣の彼は☆4.1。とんかつの名店の彼は☆4.5も
あるのよ。とんかつの名店の彼こそ、私の
運命の相手にちがいない!
 
私は、すぐさま彼に会うことにした。
目の前に現れた彼は、中身の詰まったあつい人
だと感じた。
写真で見るより、さらにステキ……。
 
出会ったばかりの私に、中身をさらけ出して
くれる彼。その姿は、とても誠実に見えた。
ようやく運命の彼に会えた! という喜びを
感じながら、彼に口づけした。
 
その瞬間、私の期待は打ち砕かれた。
彼は、運命の人ではなかった。
私が思っていたよりも、はるかにクールな彼。
その彼からは、漣の彼のような情熱は感じられ
なかった。
こんな冷たい男じゃ物足りない……。
虚しさと寂しさが込み上げた。
 
私……何してるんだろう。
本当に好きなのは、漣の彼なのに……。
その代わりがいないってことくらい
分かってたはずなのに……。
 
私は漣の彼のことが恋しくて、封印していた
彼のSNSを開いた。そこには、私の知らない
彼がいた。嫉妬心を抑えながらスクロールして
いくと、楽しそうに、他の女性と写っている
写真ばかりが目に付いた。
 
漣の彼に会いたい!
 
気付いたら、私は車を走らせていた。
目的地は漣。久しぶりに走る道のりは、以前
よりもとても長く感じた。それは彼に会えると
いう喜び以上に、不安が大きかったから。
果たして、以前と変わらない私の大好きな彼に
会えるのか……。
 
複雑な気持ちを抱えながら、漣の扉を開いた。
「いらっしゃいませ」
 
そう言われて案内されたのは、彼とはじめて
会った、あの時と同じテーブルだった。
 
「ご注文はお決まりですか?」
 
私はすかさず、こう答えた。
「開き海老フライをお願いします」
 
少し経って、目の前に現れた彼は以前の彼と
変わらなかった。
 
やっぱり、ステキ……。
私の運命の人は、彼しかいない。
彼を離したくない。
そして、この先もずっと一緒にいたい。
 
そんな風に思いながらフッと横に目をやると、
壁に張られた1枚の紙に、目がくぎ付けに
なった。
 
「冷凍開き海老フライ、テイクアウトできます」
 
そう書かれた紙は、天からの贈り物のよう
だった。
 
その手があったのか!
 
もう、私の気持ちは止められなかった。
 
その日から、私と彼は同棲を始めた。
彼の部屋は、冷凍庫の中。
とびきりクールな状態で眠っている彼も、
私の前ではいつも熱々。この関係に、
私は満足している。
彼がいてくれれば、私は幸せだった。
やっぱり、彼は私の運命の人。
 
私達は、会社でもこっそり会うようになった。
お弁当箱を開けると、そこに彼がいた。
彼のおかげで、仕事も頑張れた。
でも、会社で会う彼は、普段の彼とはどこか
違う。会社の彼は、クールだったのだ。
そんな彼の一面を見て、私の気持ちは少しずつ
冷め始めた。
 
漣の彼を手に入れてしまった今……。
私には彼だけでは物足りない!!
次の運命の彼を探さねば!!
 
今後も、漣の彼のことは愛するつもりだ。
でも、こっそりと新たな彼を募集中。
 
寒い冬にはとびきり温かく、
暑い夏にはとびきりクールに癒してくれる
ような、そんな彼はいないかなぁ……。
 
そうだ! 次の運命の彼は、蕎麦にしよう!
見つけたら、とことんワガママ言っちゃう
けど……ずっとそばにいてね♪
 
 
 
 
***
 
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