メディアグランプリ

ここも「たこ焼き屋の戦い」と同じだったりして


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:島田 弘(ライティング・ゼミ NEO)
 
 
「腹減ったぁ」
 
九州の某県、バスを降りた私は辺りを見回した。ファーストフード店、コーヒーチェーン店などの看板が目に入った。
 
「せっかくだから、こっちでしか食べられないものがいいな」と思い、グーグルマップで検索。近くに、評価の高いお店がいくつもあった。
 
こっちに行けば、良さそうなお店に出会えるんだなぁと期待して歩きはじめた。
そしてすぐに、すごい光景を目にした。
 
それと同時に、自分がマーケティングを教えるときに事例として使っている大阪のたこ焼き屋さんのことを思い出した。
 
大阪といえば美味しいものがたくさんある。その中の1つは間違いなくたこ焼きだ。
 
大学生のとき、テレビで「たこ焼き屋の戦い」みたいなのを見たことがある。
たこ焼き屋Aとたこ焼き屋Bは、車1台が通れるほどの道を挟んで向かい合っている。
 
そして毎日、毎日、
「うちの方がうまいよ! 向こうのなんてマズくて食えるか」
と言い合っているのだ。
 
A店とB店のたこ焼きは、個数も料金も同じ。見た目も同じ。
当時はスマホなんてないから、お店の評価を調べるなんてこともできない。
旅行ガイドブックには、両方の店が出ていた。
お客さんの並んでいる数も同じくらい。
 
「どっちにしようか?」と相談しているカップルや、
グループが店の前の道路に5、6組。
 
さて、あなたならどっちの店から買うだろう?
 
どうしても気になって仕方がなかった私は、自転車で日本一周をしていた途中で、「たこ焼き屋戦争」の現場を訪れることにした。
 
お腹ペコペコの状態でスタンバイOK。A店から8個入りを買った。本場大阪のたこ焼き。生まれて初めて食べた。
 
「うま〜い!」
 
あっという間に8個は胃袋に吸い込まれた。想像していた以上に美味しい。
 
次の行動。
 
そんなの決まっている。
 
ここを目的地にしたときから決めていた。
 
もちろん、B店のたこ焼きも胃袋へ。
 
「これもうまい!」
 
「A店とB店、一体何が違うんだろう?」
たこ焼き素人の私には全くわからなかった。
 
それから数カ月たったある日。
私は就職活動で大阪を訪れた。
 
「なんばグランド花月」で腹筋がよじれるほど笑ったあと、
その足である場所へ向かった。
 
決着をつけるときだ。
 
「帰ってきたぞ、たこ焼き屋!」
 
今回はAとB両方からに購入して、たこ焼きを並べた。
Aのたこ焼きを1個食べたら、次はBのを1個。
そしてまたAを食べて、つぎにBを食べる。
この食べ方をして比べてみたかったのだ。
 
「Aかなぁ。いや、Bかも」
 
16個ぜんぶ食べ終えての私の結論。
 
私にはその差、違いが全然分からない。両店とも美味しい。
今回も決着がつかなかった。
 
決着がついたのは、それから10年ほど経ったとき。
「たこ焼き屋戦争」の秘密を知ってしまったのだ。
そして、それは全く予想をしていない決着だった。
 
 
昔、私がラーメン屋で修行したときに、
師匠であるオヤジさんから
「ラーメン屋はラーメン屋の隣に出せ。隣が無理なら、その隣に出せ」
「ラーメンを食いに来たお客さんだから、近所のラーメン屋も気になるだろ。次は向こうの店に行ってみようって」
と教えてもらった。
 
たこ焼き屋の目の前に、たこ焼き屋を出すのにはそういう意味があったのか。
 
バスを降り、腹を空かした私の目の前には、たこ焼き屋戦争と同じような光景が。
担々麺、オムライス、担々麺&オムライスのお店が並んでいるのである。
グーグルマップによると、4.0点、4.2点、4.0点と、いずれのお店も高評価だ。
 
担々麺のお店は、東京と広島を中心に全国12店舗あり、
九州にはこのお店だけ。
オムライスのお店は、東京に5店舗とこのお店だけ。
担々麺とオムライスのお店は、調べてみた限り九州のこの県内に5店舗。
 
担々麺屋さんを目指してきたら、もう1つの担々麺屋さんが気になってしまうだろうな。オムライスを目指してきたら、もう1つのオムライスも食べてみたいって思うだろうな。
 
東京から来ている私は、東京では食べられない担々麺&オムライスのお店に入って、担々麺とミニオムライスを注文した。
 
そして、テーブルに置かれたお冷を飲みながら、あの日知ってしまった、たこ焼き屋の秘密を思い出していた。
 
経営者やコンサルタントなどが6人集まった大阪の喫茶店で、どういうわけかたこ焼きの話になったので、未解決事件である、たこ焼き戦争の話をしてみたのだ。
 
「あー、あのたこ焼き屋はさ、両方とも同じオーナーがやってんだよ。使っているものは全部同じ。ウチの会社の取引先なんだ」
 
「えっ???」
 
「お客さんの心理をよくわかってるよな〜。だって、あの場に行ったら両方のを食いたくなるだろ? カップルとか友達と食いに来たら、自分はこっちの買うから、お前はあっちのやつ、ってなるもんな。一人で行ったあんたは、一人で両方食べたわけだろ。オーナーの狙い通りってわけだ」
 
全国各地に、ライバル店のように見せて、実はオーナーは同じという商売をされている人がいるそうだ。
 
運ばれてきた担々麺を食べながら思った。
 
ひょっとして、ひょっとすると、この3つのお店のオーナーって同じ人だったりして。
 
 
 
 
***
 
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2022-04-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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