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心の声を聞け! 人生はいつからでもワクワクでやり直せる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山本亜矢(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
ワクワクがスタートしたのは、子ども用の白いドレスが我が家に到着した時からだった。実家の母が、そろそろうちの娘にピッタリのサイズでは? と送ってくれた。そのドレスは、10年前に姪っ子がバージンロードを歩く私のベールを持ってくれた時に着ていたものだった。
 
もう、10年かぁ
 
10年前、結婚式が急遽早まって、挙げたかった式場ではなく、ホテルでの開催となった。
 
本当は海の見えるチャペルで結婚式挙げたかったなぁ……
 
妄想が広がる私の頭の中には、海の見えるチャペルで結婚式をあげている私たちがいた。なぜか娘達も一緒にいる。幸せな家族がそこにはあった。
 
『挙げればいいじゃん!!』
 
心の中で声がした。
そうだ、このドレスを娘が着て、
うんうん、下の子たちの白いドレスもあるわ!!
 
私は、心の奥から込み上げてくるワクワクで、なんとも言えない高揚感を感じていた。
そうとくれば、行動あるのみ。パソコンを開いて、ウエディングフォトで検索していく。なかなかピンとくるものがない。
 
こうなったら、一番撮ってほしい写真屋さんを調べよう。10年前に京都で和装ロケをした際に、とても綺麗に撮ってくれた写真屋さんが沖縄にもあった。ちょうど夏の沖縄旅行を予約したところだった。
 
ホームページを見ると6万円で貸衣装、メイク、撮影込みでアニバーサリープランというものがあった。けれども、それは海辺で撮影のみで、私が思い描いている海の見える教会ではない。
 
よーし、こうなったら直談判。早速沖縄に電話をかける。
 
「私、海の見える教会で結婚式をあげるのが夢だったんです。もう10年も経ってしまいましたが、どうしてもその夢を叶えたくて、どうにかなりませんでしょうか?」
 
夢を叶えることに、協力したくない人なんているんだろうか? 早速教会での撮影許可を取ってくれた。式と式の間の時間で撮影だけなら良いですよと!!
 
やったー!!
 
クルクル回りながら、ガッツポーズ。
 
産後の私、ドレスなんて着れるのかしら?
よーし、今日からダイエット始めなくちゃ。
どんなドレスが良いかなぁ。
頭の中はお花畑状態。ホームページを見ながら、候補のドレスを探していく……
 
ふと、胸のあたりがモヤモヤしているのを感じる。心の奥にあるみないようにしていた想いが、少しずつ大きくなっていく。
 
そうだ、まだ夫の了解が取れていないのだ。
 
そもそも、結婚して10年も経って、夫がウエディングフォトなんてやってくれるのだろうか? いや、断られるに決まってる。
 
そもそも、そのお金どこから出るの? と一括されて終わるのが関の山だ。
 
どうしても、この計画を実行したい。
あの手この手と作戦を考えてみる。
 
「迷った時は、直球、ストレート勝負」
 
夫のいつもの言葉がよぎった。
心は決まった。
早速、帰って来た夫にストレートを投げてみる。
 
「私、どうしても海の見える教会で、あなたと娘達と10周年のウエディングフォトが撮りたいの」
 
ドキドキしながら、恐る恐るつむっていた目を開けて、夫の顔を見てみる。
 
「いいよ」
 
笑顔だった。
 
「え? なんで?」
 
「10周年記念が6万円でいいんでしょ? もっと高いものお願いされるかと思ってたし、安く済むやん」
 
正直なんだかモヤッとした気もするが、今の私にとっては高価な物よりも、夢を叶える方がワクワクする。
 
それからというもの、当日までの私は、ダイエットにお肌のお手入れに余念がなかった。正直、10年前の結婚の時は、仕事も忙しくて、結婚式の準備も大変でエステに行く時間すらなかった。遠くから来る親戚や、友人の案内などで、結婚式当日に、お色直しで戻してしまうくらいヘロヘロだった。自分の結婚式なのに、その瞬間を満喫できなかったのだ。
 
できなかった思いをもう一度叶えたい。自分のための結婚式がしたい。大好きな家族と最高の思い出を作りたい。当日までの時間をもがワクワクに変わった。
 
そして、当日。
 
新郎新婦のように、衣装を選んだ。
これかな、あれかなと家族で選ぶ。
『これが良いな』
私が決めたドレスは追加料金が必要だったけど、
『似合ってるし、それにしよう』 夫は快諾してくれた。
 
夫は、白のタキシードにしたと報告を受ける。
「え? 10年前は恥ずかしくて無理って黒のタキシードにしたのに」
笑いながらツッコミを入れる。家族だけだとなんでもありのようだ。
 
写真撮影だけでも、新婚気分を味わえた。とても恥ずかしくて無理かもって思っていたが、さすがプロにかかればそれなりになるものだ。
 
海の見える教会で、夫は白いタキシードを着て、末っ子を抱いている。バージンロードを歩いている私のベールを、長女と次女が持ってくれている。振り返ると、ニコニコでこちらを眺めている。こんなに幸せな時があって良いのだろうか? 胸がいっぱいになった。
 
私達は祭壇の前で10周年の誓いの言葉にサインをした。証明書の下に書いてある子ども達の証人のサインがなんとも可愛い。末っ子は拇印だ。
 
花びらのフラワーシャワーを、何度も何度も高くまで投げてくれる長女と次女。家族で撮影した10周年記念ウエディングフォトは、人生で最高の思い出となった。
 
あの時、『挙げればいいじゃん』といった自分の心の声にしっかり耳を傾けて本当に良かった。
 
心の声をきく
ワクワクは自分で叶えるんだと行動を起こす
 
すると、驚くほど周りの人が協力してくれる。
 
それから私は、自分の心の声を大切にするようになった。
 
「今度はまた何考えてんの?」
 
その横で、夫はいつもビクビクしている。
 
 
 
 
***

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2022-07-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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