英語を話したければ、歯磨きのように
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:John Ishii(ライティング・ゼミ6月コース)
私は50代の普通のサラリーマンだ。34歳のときに決意をした。米国のMBAを取得するために留学しようと。
当時の私の英語レベルは普通の日本人のように、ほぼ話せなかった。外国人との会話となると、まるでしゃべってはいけない伝言ゲームのように、私は英語を話したいのに単語が出てこず、身振り手振りだけ空回りしている状態だった。
しかし、留学を決意して毎日4-5時間英語の勉強を続けてみたものの、合格に必要な試験の点数が上がらなかった。他の人は一年勉強して合格し留学へと旅立っていったが、私は合格まで二年半かかった。英語の発音もまったくよくない。まあ、それくらい私の英語のセンスはいまいちだった。
MBAを取得して日本に帰ってきたが、今でもそんなに英語が上手なわけではない。でも二年近くの米国留学で英語を話す環境には慣れたので、下手な度胸が身についた。周りが外人ばかりでも、ものおじはしなくなった。ブロークンな英語で適当に話すことはできる。
私はペラペラではないが、多くの人はおそらくぜひ英語をペラペラ話してみたいと思っているだろう。私くらいの英会話レベルは、海外留学しなくてもいくらでも習得できる。私が保証する。
英語を話したい人にとって、大切なのは目標設定だ。漠然とした目標はよくない。具体的な目標を掲げてほしい。
漠然とした目標はおすすめしない。例えば、「英語がペラペラになった自分」というのがよくない。単にペラペラくらいでは漠然としすぎている。その人の学習モティベーションが続きにくい要因になるからだ。
例えば、英語を勉強するのに駅前によくある教室を選びたくなる人もいるだろう。こういう教室はだいたい授業料全額を前払いすることがほとんどで、広告手法も巧みに作られていて「ペラペラになった自分」という漠然とした将来像を夢見てしまうことが多い。
もちろん、こういう教室で英語学習の成果を上げている人も多くいる。自分に合った方法で学べばいい。とはいえ実際の英語の学習は、要は単語やフレーズを覚えて話してみる繰り返しだ。時にはスランプにもなるし、仕事が忙しくなれば教室に行けなくなることもある。そういうダウンサイドの状況を考慮せず前払いしてしまうと、教室と自分の学習方法にギャップができたとき取り返しがつかない。
具体的な目標とは、なんとなくペラペラといったぼんやりしたイメージではなく、英語を活用してしっかり仕事をしている自分をはっきりと思い描くことだ。英語を手段として活用し、ビジネスシーンで活躍している自分を思い浮かべてほしい。
例えば、英語を使って外国人にインタビューしている私とか、日本に来た外国人へ観光地を案内している私といった具合だ。これが具体的であればあるほどどういう英語を学ぶべきかが明確になってくる。私は、ビジネスの経験を英語でプレゼンテーションする自分をずっと思い浮かべた。そしてそれは実現した。
では次に、英語学習の初心者はどのような教材で英語を勉強すべきなのか。私が断然おすすめするのは、日本の公共放送がやっているラジオの英語教材だ。
ラジオの英語教材をすすめる理由は簡単で、まるで牛丼チェーンのようだからだ。つまり「早い、安い、うまい(効果が高い)」から。
ラジオの英語教材はいろいろなレベルが用意されていて、自分に合ったレベルをいつでも始められるのがいい。毎年4月に更新されるものの、別に4月の開講を待つ必要はない。途中からでも自分のレベルでスタートしてしまえばよく、手っ取り早く始められる、これが「早い」の理由だ。
「安い」のはそのテキスト代金。千円もしないテキストを全国の書店でどこでも買える。一年続けて買っても1万円もしない。コスパ良すぎ、リターンが大きい。
「うまい(効果が高い)」のは、テキストのクオリティーの高さだ。何十年も続いている英語教材で、日本人が間違えやすい、わかりにくいところを手に取るように教えてくれる。大切な項目に漏れ抜けがないので安心して一年、二年と続けて学習できる。
そして効果の高さのもう一つに、定時で英語学習する習慣が身に付くことがある。最近はインターネットでも聞けるが、ラジオを定時で聞くようにすると毎日の学習のリズムができ、一定の学習時間を確保できるようになる。この学習時間の蓄積を継続するのに、習慣化がとても効果的なのだ。結局は、英語力は学習時間に比例する。毎日少しずつ勉強することで無理なく学習時間を伸ばすことができる。
少しでも英語や英会話に慣れたら、ぜひ英語でどんどん話してほしい。とにかく日本人でも外国人でも誰でもいいから話すこと。話す目的は通じるためではない。間違う経験を積み重ねるのが目的なのだ。間違えるとか、自ら新しい英語の表現に気づいた時、その単語やフレーズはそのときの自分のエピソードと共に一生覚えている。恥をかいたり失敗したりする体験を通じて記憶に残り、ボキャブラリーが増えていく。
英語を話したければ、具体的な仕事のイメージを抱き続け、歯磨きをするようにラジオで定時学習し、どんどん失敗すれば、必ず英語は話せるようになる。米国で恥をかきまくって、いろいろな英語を記憶に刻みつけた私が保証する。
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