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自分の機嫌は自分でとる


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:宇野惠美子(ライティングゼミ10月コース)
 
 
眉間にシワを寄せ毎日うっすらイライラし、なんとなく不機嫌なわたしは、会社を経営する5歳年上の夫と、毎日長時間ゲームばかりする思春期息子に悩む専業主婦です。
 
このような自虐的な自己紹介をするのは、つい最近までのわたしです。だけど今のわたしはこのような自己紹介はしません。なぜなら、自分で自分の機嫌を取れるようになったからです。それは友人がくれた言葉がきっかけでした。
 
【自分の機嫌は自分でとる】という言葉。
 
おかげで今では、毎日機嫌よく主婦業をこなし、ストレスをあまり感じることなく子育てができるようになりました。
 
少し前のわたしは、四六時中軽くイラつく中年の更年期女性でしたが、今の夫と再婚する以前は、従業員11名、生徒数は地域で1番の人気英語スクール4校を経営するバリバリのキャリアウーマンでした。
もちろんそこに至るまでには、辛い思いや涙を流すことも多々あり、払った犠牲も少なくありませんでした。
そんなしんどい思いが報われた後は、シングルマザーでベンチャー企業の社長ということもあり、メディアにも取り上げられ、経営者仲間の男性からも一目置かれ、起業を目指す女性の憧れの存在となりました。
 
そんなわたしですが、手に入れていないものがありました。
 
家族の温もり、家庭の安らぎというものです。
 
幸運なことに、それを手に入れるチャンスがやってきました。そして、わたしはそのチャンスを逃さずしっかりつかみ取りました。
 
再婚というチャンスを手に入れたのです。
 
そして、手に入れた家族の温もりと、家庭の安らぎを逃さないよう、必死で育ててきた会社をあっさりと手放し、新米主婦として家庭を軸に新たな人生をスタートさせました。
 
思った通り、バリキャリ時代のような戦闘モードは解除され気持ちは安らぎました。息子の育児を祖父母に任せっきりだった以前とは違い、息子との時間は劇的に増えました。仕事仲間との会食は無くなり、家族そろって食事をとり家族で語らう喜びを感じるようになりました。
 
バリキャリ時代、お金や名声では得られなかった安らぎ家庭を遂に手に入れたわたしは、欲しいものすべてを手に入れた真の成功者になったつもりでいました。
 
『いや、でも、待って!』
 
『そうでもないぞ!』
 
『なんだかわたし、モヤモヤしている、イライラしている』
 
結婚当初は家事を手伝ってくれていた夫でしたが、仕事が忙しくなった今では毎週のように出張で留守、出張がなくても会食などで帰宅は深夜。
「また遅かったね~」とわざと嫌味に聞こえるように言うわたしに、「ごめんよ」と申し訳ない表情を浮かべる夫。
激務でわたしより確実に疲れているはずなのに、常に疲れ顔のわたしに気を遣うかのように、「大丈夫?」と声をかける夫。
そんな夫の優しさが、心に余裕の無いわたしのプライドを傷つけ、さらにイライラしてしまうのでした。
 
結婚当初、小学生だった息子との時間を大切にし、母子の時間を愛おしく感じていましたが、中学生になり思春期に突入した息子にはあまり相手にされず、息子はゲームをしながらパソコンの画面に話しかけてばかり。しかもとっても楽しそうに話しているではないですか! わたしは息子の気持ちを奪ったゲームに嫉妬して、「いい加減にゲームやめなさい」と怒りを息子にぶつける始末。そんな不機嫌な日々の積み重ねから、怒っていないのに起こり顔になってしまったわたしの眉間に刻まれたシワを見て、「怒ってばっかりだとまたシワが増えるよ」とアドバイスをする息子。
そんな息子の笑い飛ばせるような冗談でさえも、いちいち気に障るようになっていました。
 
『どいつもこいつも全く!』
 
『なんで自分だけこんな目に……』
 
そんな日常に安らぎを忘れかけていた時、友人から言われた言葉に救われました。
 
【自分の機嫌は自分でとる】ということ。
 
バリキャリ時代のわたしは、多くの人からの注目、感謝、期待、賞賛を求め、それらを得ることに喜びを感じていました。
つまり、自分の機嫌取りを他者に求めていたのです。
 
仕事を辞めてキャリアを手放し、欲しかったものを手に入れたにも関わらず心が満たされないのは、以前欲していた富や名声を手に入れることができなくなった寂しさや虚しさが邪魔をしていたのかも知れません。過去の栄光にすがるかのように、過去のバリキャリ時代の写真を見て、キラキラ時代を振り返ることもありました。けれどそんなことでは満たされず、それどころか、あの頃は良かったと気落ちしてしまいました。そして、満たされないストレスの原因を夫や息子のせいにしていたのです。自分で生んだストレスを手っ取り早く身近な家族にぶつけていたのです。
 
けれど、安らぐための簡単な方法を知ったわたしは、自分で自分の機嫌をとることを始めました。
 
自分で自分を褒めて労い、自分に感謝する。
 
例えば、
3日連続夕飯を作ったら「すごい! 連続で料理できたね~!」と自分を褒める。
 
掃除機をかけたら、「気持ちいいな、これで帰宅する夫も息子も喜ぶ!」と自分に感謝する。
 
植物の新芽が出たら、「わ~、赤ちゃんが生まれてくれた」と植物のお世話をした自分を労う。
 
結婚当初は主婦業を完璧にこなそうとしていましたが、料理も片付けも掃除も裁縫も苦手で上手くこなせませんでした。でも、わたしはまだ新米主婦、専業主婦3年目のペーペーなのだと自分を甘やかしました。そうすることで、気持ちが楽になりました。
 
自分の「出来た」を1つ1つ褒めて少しでも頑張ったら、「今日はもう終わり」と言って映画をみたりカフェに行ったり、とにかく1日のタスク量を自分ペースに設定し、毎日「よくやった」「すごいよ」と褒めました。
 
他の専業主婦からすると、「その程度で!?」「そんなクオリティで!?」と思うかもしれません。けれど、自分なりの最善を尽くしているのでこれでいいのです。
 
『わたし、よく頑張っている、凄いぞ! 偉いぞ!』
 
こうして、今日も自分で自分の機嫌取りをします。そうすると、生まれてきそうなイライラや、うっすら染みついたモヤモヤがさーっと消えていき、笑顔でいられるようになります。自分のことなのだから、機嫌取りの方法や甘やかす方法は自分が一番心得ています。
 
もし少し前のわたしのように、ついついストレスを他者のせいにしたり、なんとなくイライラしてしまうという人は、自分で自分の機嫌を取ってあげてください。
とにかく、自分で自分を甘やかして、自分で自分をチヤホヤしてあげてください。
 
すると、心にゆとりができ、寛大な気持ちになります。感謝の言葉や優しい言葉をよく使うようになります。そうして、あなたの機嫌はどんどん良くなっていきます。
 
自分の機嫌は自分でとってあげてください。
 
 
 
 
***
 
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2022-11-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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