メディアグランプリ

20年ぶりの面接に挑む


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記事:吉川真理子(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
昨年の12月末に長年勤めていた会社を辞め、無職の私は失業申請をするためハローワークに通っていた。 就職活動をしなければならないけれど、このまま闇雲に再就職をしたら、前職と同じ職種で給料の下がった条件しかない。 長く「営業事務」という仕事をしてきて、やり切った感じもしているし、せっかくレールを下りたんだから、セカンドキャリアは違う職種でやりたいことを見つけたいと思っていた。
 
そんな時にハローワークの窓口で「職業訓練校」を紹介された。 職業訓練校は、国や自治体が失業者や求職者に向けて、再就職を目指して技術やスキルを身につけるための施設だ。 授業料は無料で、テキスト代のみ自己負担で学ぶことができる大変魅力的なものだが、申し込めば入れるものではなかった。
さまざまなコースが用意されているので、自分の興味のある分野の学校に見学会に行き、申込締切日までにハローワークにエントリーシートを出す。 その後選考会が行われる。 選考会は学校によって違うのだが、筆記テストと面接があるところが多い。 テストと面接をクリアできたら、合格通知が届き、無事に入校することができるのだ。
 
以前から気になっていたWEBデザインの学校を受けようと見学会に行き、2月の中旬に申込を済ませ、2月末の選考会に参加し、約20年ぶりの面接に挑んだ。
選考会はスーツを着て行くべきかハローワークで相談したところ、WEBデザインの学校だし、オフィスカジュアルで大丈夫とのことで、ブラウスにジャケットを羽織り、面接に挑み、なんとかそれっぽい受け答えをして終了した。
見学会の時に授業風景を見学したら、20代前半の男の子が周りを気にして、キョロキョロしているのが記憶に残り、なんとなくそんなに面接も厳しくないんじゃないかと甘く見てしまった。 私の悪い癖が出てしまった……。
倍率も3〜5倍くらいで、もっと入念に準備しておくべきだった。 それっぽく回答したが、明確な志望動機も話せず、年齢も若くないので、見事にふるいにかけられ落とされてしまった。
受かる気満々でいたから、不合格通知が来た時は落ち込んだが、切り替えもものすごく早かった。
 
不合格通知が届いた翌週には、来月開校の申込が迫っていたのだ。 もう時間もないし、気持ちを切り替えて、次に行くしかない。 そうと決めたら落ち込んでいる暇はない。 見学会に行くことはマストではないが、前回見学会に参加したにも関わらず面接で不合格になった経験から、次の申込でも見学会に参加することはマストだと考え、その日の夜中まで学校を調べ、WEBデザイン関係の学校を3校に絞り、すべての見学会に参加申込をした。 ここからは前向きだった。
前回不合格だった学校を含めて3校見学会に参加し、別の学校に魅力を感じ、その学校に申込をすることに決めた。 でも、ここでも私の悪い癖が出て、他の2校は早めに到着したのに、その行きたい学校の見学会に遅刻してしまったのだ。 GoogleMAPを見て、目の前まで来ていたのだが、マンションの一室で見学会が行われており、ここで合っているのかウロウロしていたら遅刻してしまったのだ。
「あぁ、またやってしまった。 マイナスの印象になり、不合格かもしれない……」
そんな思いがよぎったが、やるしかないので、この学校に決めて、エントリーを済ませ、面接の準備を始めた。
 
新卒で入った会社にずっと勤めていたので、本気の面接は20年ぶりである。
その当時も自己分析もたいしてしないで、落とされては落ち込んでを繰り返し、なんとか入れた会社に入社したので、面接は苦手なままだった。
会社生活の中で、新卒の採用面接に面接官として何度か参加したことがあり、その時にみんなと同じことを言っても印象に残らないけれど、身なりがきちっとしていない子は悪目立ちしていたことを思い出した。
「私、この前の面接の時の身なりはどうだったかな?」と考えると、髪の毛が肩に掛かっていたら束ねるとか、そういう基本的なことができてなかったんじゃないかと反省した。
そして、今回はインターネットやYouTubeで「職業訓練校 面接対策」のキーワードで情報をかき集め、「自分の今までの経験からなぜ志望し、就職に繋げたいのか」という思いを書き留めた。 暗唱して自然と受け答えできるように、何度も復唱し、練習した。
前回の失敗を踏まえ、スーツを着た方がちゃんと見えるんじゃないかと考え、実家に眠らせておいたスーツを着用し、前日に美容院へ行き、髪の毛を暗めのトーンに染め、黒のかっちりしたバッグがないことに気がつき、急いでネットで注文し、髪の毛をきっちり纏めたいので、アホ毛を抑えるマスカラまで購入し、見かけだけでもキチっとして、やる気があるように見せようと努力した。 私の強みをずっと考えていたけれど、思いつかず、友達に「感じがいいことじゃない?」と言われたことを思い出し、身だしなみだけは100点を狙いにいったのだ。
 
今回の選考会では、筆記テストはなく、面接だけで合否が決まった。 準備していた内容よりももっと簡易的な質問が多かったが、準備して練習しておいたので、精一杯答えて終了した。 帰りに同じ電車に乗っていた就活中の大学生に感情移入してしまった。
頑張ってやり切った感じもあり、充実感も味わえたが、合格しているという自信は全くなかった。 今回は合格の連絡がメールで来るということで、合格発表の日まで精神的に不安定だったのか、不合格通知がくる夢まで見てしまった。
 
結論から言うと、なんと合格することができた!
20年ぶりの本気の面接に、何歳になっても、頑張るっていいなと思った。
 
 
 
 
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2023-04-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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