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マッチョな夫との暮らしは、マネージャー業務そのもの


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記事:小笠拡子(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
私の夫はマッチョなアスリートだ。
 
初対面の人と家族構成の話になり、「旦那さんはどんな方なんですか?」と聞かれたら、私は「マッチョです」と答えている。そうすると、だいたい次に聞かれるのは「どんな生活をされているんですか?」といった、日常生活にまつわることだ。
 
100人と話したら、100人に聞かれると言っても過言ではない。それだけ「マッチョな男性と生活を共にする」というのは、世間一般にとっては未知なる世界なのだろう。さらに、そんな未知なる世界が日常だという人物に会うことが珍しい。だからみんな、前のめりになって質問してくるのだ。
 
結論から言うと、マッチョとの暮らしは野球部のマネージャーをしているのと同じだ。
 
夫の本業は会社員だが、毎年開催される大会に出場するアスリートとしての一面も持つ。普段は仕事終わりや休日に筋トレをし、春から夏のシーズンにかけて催される大会に毎年5つほど出場しているのだ。
 
アスリートとしての夫の1年は、2種類の期間で構成されている。たくさん食べてパワーを蓄えながらトレーニングをする「増量期」、そして食事を減らしながらもトレーニングでカロリーを消費して体脂肪だけを落とす「減量期」だ。
 
トレーニングは、腕・肩・胸・背中・足と、体の部位ごとに分けて1日単位でローテーションを組む。仕事終わりは疲れているため、1時間半ほどの軽いトレーニング、時間に余裕のある休日は2時間半〜3時間ほどかけてじっくりトレーニングをしている。
 
このローテーションを守りながら週に6日筋トレを行い、1日休養するというルーティンワークを増量期・減量期に関わらず、1年中繰り返しているのだ。
 
こういった「大会に向けて日々の鍛錬を重ねる夫」は、甲子園を目指す野球部員と重なる部分が多い。そして私はそんな夫を支えるマネージャーで、日々サポートできることを誇りに思っている。
 
マネージャーの役割として大きなポイントは主に3つ。
・トレーニングの補助をすること
・大会の記録を残し、分析をすること
・食事や洗濯といった日常生活のサポートをすること
 
まずは一番イメージし難いであろう「トレーニングの補助」について。
筋トレは基本的に孤独だ。トレーニング中は己と向き合い、自分だけでは「これ以上力が出せない」という限界状態まで追い込む。そしてこの限界点を突破するために「トレーニングの補助」を私が行うのだ。
 
具体例を挙げよう。
100kgの重りを肩に担いだ状態で行うスクワットの場合、夫だけでは6回しかできない。しかし、ここで補助者の私が夫の腰を抱えて、一緒にスクワットしながら持ち上げる。そうすると、1人の限界を超えて3回スクワットができる。これが補助者の役割だ。
 
次に、「大会の記録と分析」。
年に5つほど大会に出場する夫の応援は必ず行き、前の方で観覧できるように一番ランクが高い席のチケットをとる。全席自由席であれば、2時間前から並んででも、前で真ん中の席を確保する。前で真ん中の席であればあるほど撮影がしやすい。記録と分析のためにも、席は重要なのだ。
 
サポートする内容は、大会の予選ステージに立つ夫の姿を撮影し、決勝戦に進む前に共有すること。例えば、腹筋に力が入っていないことを撮影した動画で説明する。そうすると、決勝のステージで予選の時より良いパフォーマンスができるのだ。
 
さらにポージングが上手な選手や、メダルを獲得した選手の体つきや印象なども夫に共有している。これは研究材料として役立つし、レベルの高い選手の真似をすることは勉強にもなる。ステージに立つ他の選手を見ることができない夫のために、記録しているのだ。
 
そして最後に「日常生活のサポート」。
アスリートとして筋トレをしている夫が少しでも筋トレに集中できるように、食事を作ること以外のサポートを私が担っている(夫婦間の話し合いで、自分の食事は自分で作ることに決めた)。
 
家計は全て私が管理するようにして、家全体の掃除や洗濯といった家事を行う。主食である鶏胸肉は毎週6キロ、必要であればプロテインやアミノ酸といったサプリメントも購入する。自宅の一室にあるトレーニングルームの掃除も、夫の知らない間に済ませているのだ(気づかれていないようで、感謝されたことは一度もない)。
 
側から見れば、私たちの日常生活は「夫婦」として成り立っていないかもしれないし、私が
「献身的な妻」というように見えるかもしれない。しかし私自身は「今はこの関わり方が好きで、嫌になったらすぐにでも辞める」というマネージャー感覚で、過ごしている。
 
今は「妻」と「マネージャー」を兼任しているけれども、いつかマネージャー業務を辞める時が来るかもしれない。夫にもマネージャーを強要されているわけでもないので、そのあたりは自由だ。
 
夫はこうあるべき、妻はこうあるべきといった既存の概念にとらわれることなく、今はこの生活を謳歌したい。
 
 
 
 
***
 
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2023-05-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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