人生を変えられたのか!? とりあえず私の月曜日を劇的に変えたとある書店の話
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:カワノフミノリ(ライティング・ゼミ)
月曜日の21時。まだだ、まだ時間はある。 あと1時間で頭の中のごちゃごちゃしている思考の塊を文章として起こせれば、私の勝ちだ。 昨日から何度も考えをまとめてはいるけれども、文章は一度も起こしていない。
仕事の忙しさとかを理由にして、この時間まで色々と逃げていた。
子供の頃から夏休みの宿題は最後の日にやるタイプだったので、毎週こんなことになってしまう!
でもまだだ!
まだ敗北したと決まったわけじゃない。
これからが正念場だ!
帰りのコンビニで買ってきたエナジードリンクをグビッと一気に飲んでから、キーボードに向かう。
今週はこの課題を落とすわけにはいかない。 なぜなら今週の水曜日には講義がある。
月2回のライティング・ゼミ(平日コース)の講義、
その講義で毎回聞かれる三浦さんの質問に私はびびりきっているからだ。
「皆さん掲載されてますか?」 「今の通過率はどんなものですか?」 この質問が心にチクチク刺さってくる。思わず顔を伏せて三浦さんと目を合わせないようにする。 その週の課題を出さずにこの講義を受けに来た私には、この質問を答える土台にすら立てていないのだ。 そんな気分から始まる講義は、いつもよりも楽しい気持ちが半減してしまう。 せっかく新しいことを知って試したくなったりしても、楽しい気持ちが半減していては、 書きたいというモチベーション自体が下がってしまって良くない。だから講義のある週の課題は、特に落とすわけにはいかない。 私は、仕事で一番追い込まれた状況のときと同じように、自分はドラゴンボールの主人公だと暗示をかけて10倍界王拳を発動させる。
私なら出来る!
面白い文章を書いて地球を救うのだ!
去年までの私は、まさかこんな月曜日を送るようになるなんて、少しも思っていなかった。 それまでの月曜日はいわゆるブルーマンデーと言われる憂鬱な1日だった。 土日の休みを楽しんだ分、月曜日の気分は下がってしまう。仕事が楽しくないとなれば、尚更だ。 休みの気分をピンク色とすれば、月曜日の気分は青。つまりは青い気分の月曜日、ブルーマンデーになってしまう。 週の頭の月曜日の気分を表しているだけの言葉なのに、世間に広まっていて、しかも英語だ。 この月曜日の憂鬱な気分が昔から世界共通なのかと思うと、人の人生って昔からあまり変わってないんだなと虚しさを感じてしまう。 けれども、毎週私にやって来ていた、ブルーマンデーが突如激変することになる。 石の上にも3年ということわざを信じて、今の会社で3年間働き続けてきた。 けれど、今の業界はどうやら自分には向いてないんだろうなと感じ始めていたのがちょうど1月の終わり頃だった。 何か今とは違う業界に転職できないかと思い、何か伸ばせるスキル、身につけられるスキルがないか探していた。 そんなときに思い出したのが、天狼院書店のライティング・ゼミだった。 毎日流し読みしているネットニュースで、面白いことをやっている本屋があるなーと以前気になっていたのだ。 文章を書くのは嫌いじゃないし、文章を書くことはどんな職業についても応用が効くスキルだと思うし、 好きな本関係の仕事に就ければ最高だなと思っていたので、書店が開くゼミに通っておくことは絶対にヒントがもらえると思った。 そうして私は今年の2月に天狼院書店のライティング・ゼミの門を叩くことにしたのだった。 ライティング・ゼミを始めるに当たって、私が一番心配していたことは、 毎週提出することになっている2000字の課題だった。 今までそんなに長い文章を定期的に書いた経験はなかった。 ある日突然思い立って始めるブログは、もう3回ほど失敗していたくらいだった。 2000字、原稿用紙5枚の文字を毎週書く、そんなことが自分に出来るとは思えなかった。 ゼミを受けるかどうか迷っていた一番のハードルだった。 すごく悩んでいたのだが、最初の説明会で毎週必ず提出する義務はないと知って、私の前のハードルはなくなった。 けれど、義務はあってもなくても関係なかったと気づいたのは2回目の講義を受けたときだった。 三浦さんが初めてその質問をみんなに投げかけた。 「皆さん掲載されてますか?」 「今の通過率はどんなものですか?」 宿題を忘れて来たときのの気持ち、 テストで合格点をとれなかったときの気持ち。 久しぶりに悪いことしたときの学生の気持ちが胸の奥に蘇った。 この翌週から私の月曜日は変わった。 月曜日の朝、考えることが今までと全然違う。 それまでは今日の仕事をどうやり過ごそうかと考えていた。 けれど、今はいかに早く仕事を切り上げて、課題を書く時間を確保することを考えている。 仕事中も暇さえあれば、今から書く課題のことを自然と考えるようになった。 1日中提出する課題のことを考えているから、気分が憂鬱になる暇が全くない。 私のブルーマンデーは、がらっと色を変えてしまった。 ブルーマンデーから課題に追われるレッドマンデーといったところだろうか。 最初はこんなレッドマンデーが毎週続いていたらブルーマンデーより大変だなと心配したが、 その心配は初めて課題がWEBに掲載されたことで解決した。 本当に嬉しかった! 自分なんかが書いた文章でも誰かが面白いと思ってくれる、それが新鮮な発見だった。 その発見を知ってしまうと、もっと面白い文章を書いて、より多くの誰かに面白いと思って欲しいという欲求が私の中に湧いてきた。 また月曜日の色が変わった。 1日中とても楽しいことをしている気分になっているのだ。 とてもワクワクし続けている気持ち、色で言えばピンク! ピンクマンデー! 今は多くの人に面白いと思ってもらえる文章を書きたい、その気持ちで月曜日を過ごしている。 締め切りの23時59分まではもう1時間を切った。 だいだいは書けた。けれどもっと面白くできる気がする。 提出用に一旦保存しつつ、最後の滑り込み目指して、最後の書き直しを試みよう。
私の頭の中の三浦さんが笑って言っている、
「出してからおいで」と。
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