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周回プレイの女が見る景色


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:よめぞう(ライティング・ゼミ日曜コース)

ゲームをするのが、好きです。

何歳から始めたのかは全く思い出せないけれど、物心ついた時には既にマリオを動かしていたと思います。

誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントには、リカちゃん人形よりもゲームソフトをお願いするような子供でした。ちょうど、6月に誕生日だったのもあって半年ごとには何かしら新しいゲームソフトがやってきました。けれども、半年経つ前にはだいたいクリアしてしまうんです。なので、次のプレゼント時期になるまでは、ひたすら今までやってきたソフトをまた最初からやる「周回プレイ」を子供ながらに無意識にやっていました。

「クリアしたのにまたやるの?」と思われそうですが、これが1度やり始めるとなかなかやめられないんです。スルメみたいに、噛めば噛むほど味が出てくるように、ゲームも何回もやればやるほどその面白さがさらに深まっていくのです。
そうしていくうちに、知らず知らずのうちに「周回プレイ」を楽しむ方法を自然と体得していきました。

まず、1周目はとにかく何も考えずに最後までプレイします。
メインとなるストーリーをとにかく単純に進めていき、途中サブストーリーなるものが誘惑してきてもとにかくメインストーリーをひたすら進めます。どういうものかわからない状態から始めるので、まずは「楽しんでやってみよう」というスタンスで臨んでいました。

続いて2周目になると、とことんやり込みます。
1周目に置き忘れてきたものをここで一気に回収していこうじゃないか! というような感じでしょうか?
メインストーリーは1周目で分かっているので、とにかく2周目ではひたすら時間を費やしてどんどんやっていきます。1周目のモヤモヤを2周目でスッキリさせるような感じです。だいたい、2周目が終わる頃には「達成感」というか、このゲームはやり尽くしたなという気分になってきます。

さらに3周目になる頃には、新しいゲームソフトがそろそろくるかなという時期にもなってきます。なので、もうここまでくると時間との戦いです。いかに早く、効率よくクリアができるのかを自分に課していきます。そうして、私は調子が良ければ半年の間にだいたい3周ぐらいは1つのゲームをやり込んでいました。3周もしてくると、キャラクターのセリフとかそらで言えるようになってくるので、ちょっと自分でも怖くなってきます。

それでも「周回プレイ」はやめられないんです。
何周も進めるたびに、同じゲームをしているはずなのに「あれ? こんなのあったっけ?」と新たな気づきが得られるからです。もしかすると、中には1周目で気づく方もいるかもしれませんが、それでも私は3回目でも新鮮な気持ちでプレイすることができるのです。

そうしていくうちに、それはゲームの枠を飛び越えていきました。
本を読むのもそうです。内容を忘れた頃に読み返すと、またこれが面白いのです。それだけ私自身が大人になって色々と経験しているからというのもあるでしょう。改めて読み返して見るととにかく発見が多いのです。
前に読んでいた時に見落としていた伏線を回収できた時なんかは、財宝を掘り当てたような興奮と、無事に解決できたスッキリ感が一気に吹き出てきます。

そして、今「周回プレイ」はライティングにまで及んでしまいました。
12月に始めたライティングゼミ。「読んでもらえる文章を書く」ための講座なのに、なぜかキャッチコピーが「人生を変える」なのです。不思議ですよね、どうして「書く」ということが「人生を変える」に繋がるんだろう? と初めは思っていました。私がライティングゼミを始めたのは、Facebookの記事をたまたま見つけて「育休中に何か1つやってみよう」と思い立ってなんとなく始めたからでした。なので、課題の記事も合間を見て「無理なく」提出しようというくらいで「私は文章を書いてご飯を食べるんだ!」というほどの熱量はなく、ただ「書く勉強」をさせてもらっていました。
けれども、いよいよゼミが終わってしまう3月になってふと

「このままで良いのか?」

という気持ちが湧き上がってきました。もう、終わったら「書けなくなってしまう」じゃないかと。もちろん、個人でブログを立ち上げて書くことも可能でした。

「でも、それだけで本当に良いのか?」

という思いがどんどん膨れ上がってきました。4ヶ月の間、天狼院書店のホームページに掲載許可をいただいた記事をFacebookにリンクさせていたおかげで、知り合いが私の書いた拙い文章を読んでくれていました。なので、久しぶりに会うとだいたい

「久しぶり! ねぇ、あの記事見たよ。小説家か何かになるの?」とか

「こないだの記事、すごい共感した。わかるよ!」とか、私の知らないところで私のことを見てくれている人がいるんだ、ということを思い知らされました。そして、それはとてつもなく「嬉しい」というか、なんだか「心地良い」感じがしました。

だから、もしこのままライティングゼミを終えてしまうとその「包まれている」感覚を失うことになってしまうような気がしました。それはとても寂しいですし、もったいないことだと思いました。

「どこにも行かないでよ。ねぇ、もっと見て。もっと私を見てよ」

その時、私は自分がなんて「欲深い女」なのかと気づかされました。
それと同時になんて「小さい女」だというのも思い知らされました。
「ライティングゼミ? なんとなく面白そうだったからはじめてみたんだ」

こんなもの建前でしかありませんでした。本当は、自分でも簡単にやれるんじゃないか? というのがあったんです。確かに「書く」ことは嫌いじゃありませんし、自分を表現することでお仕事ができるなんて素敵だなと思っていましたし、あわよくば……なんて思いもありました。

けれども、実際にやってみると本当に難しかったんです。毎週いろんな人の記事を読むたびに「どうしてこの人はこんなに面白い文章が書けるんだろう?」と「どうしたらこんなところに気がつくんだろう?」と読めば読むほどジャブやストレートを食らったような気分でした。

うらやましい、うらやましい、うらやましい……

「無理ないペース」でというのも正直なところ甘えというか逃げでした。
一生懸命どんなに記事を書いても、周りにはすごい人がたくさんいました。悔しいけれど、この人が本を書いたら私絶対買うと思う! というくらい、引き込まれてしまう文章を書いてしまう人もいるんです。だから、頑張った分結果がついてこなかったら惨めな思いをしてしまう。そんな気持ちにさえなってしまったのです。

「じゃあ、もう書くの辞めたらいいのに」と思いますよね?
私もそう思います。でも、1度始めてしまうとどうしても辞められないんです。

あの「見たよ! 面白かった」という一言がくれる快感は、一度味わうとなかなか抜け出せなくなるほど病みつきになってしまうんです。あの快感を味わうために、もっと上手くなりたいとついつい欲が出てしまうんです。だから、私はまた4月からライティングゼミをもう一度受けることにしました。

人生は壮大なスケールのゲームと同じです。
RPGみたいに、たくさん経験値を積んでレベルアップしていって様々な困難に立ち向かっていきます。ただ、唯一違うのはセーブができないことです。一度やってしまったことを、なかったことにして1からやり直しすることだけはどうしてもできないのです。私も可能であればいくつもなかったことにしてしまいたいあんなことやこんなことだらけなのですが、こればっかりはどうしようもありません。ただ、この「ライティングゼミ」はあの「周回プレイ」ができるんです。もう、やるしかありません。このまま中途半端に終わりたくないのです。

そうして、私の「2周目」は始まりました。
まだ、始まったばかりですがやはり何か違います。「1周目」では味わえなかった感覚が私の中にあるのです。

今までは「よーし書くぞ!」と始めたは良いものの「うーんネタがない……」となることが多かったのですが、いつのまにかそう困ることがなくなったのです。
私はどちらかといえばすぐに落ち込んだり病んでしまったりすることが多い方でした。けれども、いつのまにか「書く」ことを通してさほど病むことがなくなったのです。

「こんな目に遭うなんて……ちょっとこれ面白いんじゃないか?」

「これは大変だったけど、もっと書けるようになった時にこれは書きたいなぁ」

と、ネガティブな物事を楽しんで受け入れることができるようになったのです。これは私にとっては特効薬をもらったような気になりました。
さらに、今までなんとなく過ごしていた物事も「様々な角度からシャッターを切って見ても面白いんじゃないか」と思えるようになりました。それは、いろんな角度から冷静に物事を見つめるという大切さを私に教えてくれました。

私は「欲深い小さい女」です。
今はそれでよかったと思っています。欲が深かったから、もっと上手くなりたい! もっと読んでもらえるようになりたい! と思えました。それに小さい人間だったから、周りのゼミ生の文章にいちいち嫉妬して「悔しい」と思えたんです。だから、私はこの「欲深い小さい自分」を一切変えようとは思いません。むしろ、もっともっと「強欲」で「泥臭い」人間になろうとしています。

そうでした、ゲームでも「2周目」の私は「貪欲」なんです。
時間を惜しまず、とにかくその「ゲーム」に存在する要素を全て「遊び尽くす」のです。だから、もう「書く」ことにとにかく「貪欲」になろうと思っています。「1周目」での後悔は「2周目」で全て回収してしまうんです。
だから、もう「2周目のライティングゼミ」は「なんとなく」とか「無理なく」なんてことはせずに、もう全力で参りたいと思います。

42.195キロメートルを全力疾走で走るように……この四ヶ月、なんとか走り抜きたいと思います。

さて、始まったばかりでもだいぶ景色が違うように感じますが、これからどんな道のりが待っているのでしょうか。デコボコした悪路でしょうか、それともフラットな平面でしょうか……。一斉にスタートしたはずなのに、既に私の目の前には先頭集団がぐんぐん距離を離して走っています。私は、なんとか追いつこうとするので精一杯です。気づけばどんどん後ろからも追い抜かれている気さえしています。
けれども私は走ることは辞められないんです。先頭集団の彼らに追いつくための唯一の手段は「走り続ける」ことしかないからです。一歩でも良い……一歩でも良いから彼らに追いつきたい。あわよくば、そこで一緒にデッドヒートを繰り広げたい。そのためにも「走り続ける」しかないんです。一歩でも前へ、可能な限り前に進んでいく他私にはなす術はないのです。

4月から始まった四ヶ月の「ライティングゼミ」も既にひと月が終わろうとしています。毎週、他の人の記事が出るたびに「すごい!」と感心する反面「悔しい!」と怒りをあらわにしています。書けば書くほど「どうしたらもっと上手くなれるんだろう」と悶々としてしまいます。けれども、今の私には「書く」しかないようです。こうなったら、書いて、書いて書きまくろうじゃないかと思います。

一体、四ヶ月が終わる頃に私はどんな風になっているんでしょう。
貪欲になりすぎて「プロフェッショナルゼミ」の試験を受けているかもしれません。あるいは、心が折れているかもしれません。ひょっとしたら「3周目」に突入しているかもしれません。
どんな姿になっているかは、四ヶ月後のお楽しみなのです。

さて、今まさにわたしのiPhoneにどんどん他のゼミ生が「記事を提出しました」と通知が来ています。ああ、またこれを開くたびにまた「嫉妬心」が膨らんでいくのでしょう。そして、ひたすら「書く」ことでそれを収めていくのでしょう。
四ヶ月後に、もっと「書きたい!」と思えるように……今は大好きな「周回プレイ」を存分に堪能しようと思います。さて、2周目が終わった後の私の姿を想像しながら、目の前の記事に全力で取り組みたいと思います。

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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