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ふるさとグランプリ

京都で一人ぼっちになってみませんか?《ふるさとグランプリ》


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記事:かほり(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
京都には一人になるのにとっておきのいい場所がある。
 
なんとなく一人になりたい。そんな時はないだろうか。
私はしょっちゅうある。
ドラマでよくある、「一人にさせてよ」の台詞みたいに切羽詰まったものではない。
特別イヤなことがあって、「一人にしてほしい」のではなく、「甘いものでも食べたいな」の感覚で、「一人になりたいな」と思うのである。
誰からも影響を与えられず、自分も与えず。誰からも傷つけられる恐れもなく、自分も誰も傷つけない、そんな無重力みたいな空間に身を委ねたいという衝動がある。
つまりは、一人でぼけーっとしたい、というわけだ。
それは、誰ともしゃべらなければそれでいいのではない。人と関わらないことを許してくれる場所がないと、そんな「一人になりたい欲求」は満たされない。
たとえば、教室でクラスのみんなが、わいわいがやがやお昼ご飯を食べている中、一人でお弁当を食べていても、「一人になりたい欲求」は満たされていない。
教室から出て、トイレの個室に入って初めて、「一人になりたい欲求」が解消されるのである。
そんな欲求が満たされる条件。
それは、周りが楽しそうじゃないこと。
一人になりたい! って強く思うくせに、やっぱりどうしても楽しそうに喋ってる人を見ると、自分はなんて寂しい人間なんだろう、と落ち込んでしまうから。
なるべく静かであってほしい。
 
そんな欲求を満たしてくれる場所が、華の観光地、京都にもある。
それは京都御苑だ。
東西約700m、南北約1,300mの広大な敷地。
かつての公家や宮家の邸宅の跡地が整備されてできたものである。国民公園として開放されているので、無料で入ることができる。
 
どうして私が京都御苑を推しているのかというと、大学4年間を京都で過ごしたからだ。
大学という環境自体は嫌いではなかったのだが、やはりふと一人になりたい瞬間がやってきた。友人と喋るのも、大教室で講義を受けるのも、何だか窮屈……。
かといって、図書館で本を読むのも、食堂やカフェに一人で行くのもなあ……。
どこに行っても人、人、人。もう疲れたよ。
そんな時は、決まって京都御苑に行った。
 
まず、空気がおいしい。一人になるためだけに、トイレの個室なんか行かなくったっていいのだ。
京都御苑を色で表すと? と聞かれると、私は緑! と答えるだろう。
そのくらい自然が多い。葉っぱが多いのだ。
苑内を歩いていると、緑が放つ酸素を独り占めしてるんじゃないか、っていう気分になる。
 
というのも、あんまり人がいないからだ。
半径5メートル以内に人がいることは滅多にない。
たまに、ジョギングをしてる人や犬と散歩してる人などとすれ違うくらい。
それに一人で過ごしている人が多いから、自分だけが孤独で寂しい人間なんだ、と思いつめられることもない。ただただ静かだ。
みんな一人の時間を楽しんでいる。だから、自分も一人の時間を噛みしめていいんだと思えるのだ。
 
そんな一人の時間をじっくり味わおうと思っても、終始立ちっぱなし、歩きっぱなしでは疲れ果ててしまう。
ところがそんな心配はご無用。
御苑内には、至る所にベンチがある。テーブル付きのものもある。
読書もできるし、弁当を食べることもできる。
音楽を聴きながらウトウトしてもいいだろう。
中には、ベンチに横たわって、ガチで睡眠をとっているおじさんもいるほどだ。
 
そんな一人の時間に、唯一ちょっかいを掛けてくる生き物がいる。
ネコだ。
私が弁当を持って苑内に入るときは、必ずそいつに遭遇した。
狙っているのである。私のごはんを!!
ごはん目当てで私に寄ってきているのに、なんだかネコに好かれている気がして、その愛しさに身悶えした。
「おまえも一人なんだな。私と一緒だ」
何匹か顔を覚えたネコもいて、会うたびに心の中で「よお」とつぶやいていた。
 
こんなふうに、京都御苑は空気が新鮮だし、静かだし、何時間でも腰かけることができるし、ネコと孤独を共有することもできるし……。
つまり、一人でいることを許してくれる場所なのだ。
だから私はこの場所を愛用していた。
 
もしあなたが京都を訪れる機会があるとすれば、どこに行くだろうか?
お寺や神社などの世界遺産で記念写真をとるのもいいし、抹茶専門店の行列に並ぶのもいいだろう。着物を着て人力車で京都の町並みを巡るのもいいかもしれない。
すごく華やかだし、みんな楽しそう。
 
……でもそんな喧騒に少し疲れたときは、京都御苑に行ってみてはいかがだろうか?
一人でぼけーっとする。そんな時間が旅の中にあってもいいのでは?
あなたの中の、「一人になりたい欲求」が芽生えるかもしれない。
 
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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