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メディアグランプリ

ライティング・ゼミに通い文章を書いて気づいたプロ棋士との共通点


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:梶川元貴(ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
思い切って天狼院書店のライティング・ゼミに通うことにした。
この一年、自分の中で大きな目標を作ったので、その実現のためにも書く技術を身につけようと通うことにしたのだ。

定刻から少し遅れて最後に教室に入り、端に座る。椅子がなく即席で作られたビールケースに座布団を敷いて座る。これはこれで座りやすい。

講師である店主が話す理論は分かりやすくもあり、難解だった。まったく未知の世界の話で、理解しようと考えながら聞くだけで頭が熱くなる。久しくなかった頭を使っていると実感できる瞬間だ。

頭を使いすぎたからか、思わずコーラに手が伸びる。
もともとコーラは大好物なのだが、ここ半年は糖質制限をしており、しばらくは控えていた。
その制限を破ってでもコーラを飲んでしまったのは、それほどに脳が糖を必要としていたからなのか。
見ると店主もコーラを飲んでいるし、休憩前には頭を酷使しているからとコーラを勧めている。コーラは万能だ。

ゼミでは毎週文章を書いてアップすることになっている。
もちろん自分で臨んでこの環境に身をおいているので課題は大歓迎なのだが、長く文章を書いてこなかったからか、なかなか進まない。

頭の前側がじんわりと熱くなってきて、頭がフル回転している自分に気づく。何を書くか、どう書くか考えているうちにまたコーラに手が伸びる。「書く」という未知の世界を前に、また脳が糖を欲しているのだ。

まっしろのドキュメントにテキストを打ち込む。まだ見ぬ世界を文字で切り開いていく。
自分が書くものを指してそんな大層なことを言うつもりもない。
だが、大文豪から小学生まで文章を書くということは、等しく未知の世界を描くことになるのではないのか。

ここでふと気づく。いま、自分はプロ棋士にとても近い状態にあるのではないだろうか。

もちろん訓練すればだれでもできる「書く」ことの、さらにその始めの一歩を踏み出したばかりの自分と、持って生まれた才能の上に努力に努力を重ねてプロ棋士になった方々をくらべるのは失礼な話だ。

パソコンの前に座って画面上に文字を打ったり消したりしながら文章を書いている自分と、将棋盤の前に座って脳内で駒を進めたり戻したりしながら読み進めるプロ棋士が似ているなんて、誰かに知られると怒られてしまうかもしれない。

だが、確かに似ていると感じるのだ。
言葉と駒の違いがあるとはいえ、未知と無限を脳内で練り上げ紡いでいくさまはまさに同じ。少々こじつけかもしれないが、きっとそうだ。
将棋だって、大名人から小学生まで等しく無限の世界を盤上にみる。

30歳を前にしてようやく書くことに立ち向かおうとしている自分を、幼いときから指すことに向き合い、早くから将棋で食べていこうと決めていたプロ棋士に重ねてみる。
自分はまだ「書く」プロにはほど遠い。それでも共通点を見出せるくらいに脳を使い頭が熱くなっている。

気がつくとまたコーラに手が伸びていた。
脳に糖分を送り込まなければいけない。熱をもった頭をクールダウンしなければならない。
ファミレスで書いているので、ついでにデザートも注文する。
疲れた頭に糖分を注ぎ込む。頭が落ち着くのが実感できる。
そして再び思考と執筆の世界に入る。

考えてみるとこれもプロ棋士と同じではないか。
将棋は長いときでは朝から深夜まで対局が続く。ネット中継がある対局ではチョコなどを持ち込んで食べながら考えている様子が映される。
タイトル戦ではおやつが提供され、着物のままケーキを貪るようすまで見ることができる。
将棋を指すという行為は脳を酷使する。疲れた脳に糖分を与えないともたないのかもしれない。
テレビでもおなじみのひふみんは現役時代にはおやつエピソードには事欠かないし、藤井四段も対局中にチョコを食べるからと、お菓子メーカーから大量にチョコが差し入れられたエピソードがある。

書くことも指すことも脳を使う頭脳作業なのだ。
ゼロから考えること、そして考え続けている脳にコーラを注ぐことで、駆け出しとはいえ書くことを始めた自分にはプロ棋士と共通点があるということに気付かされた。

そういえば、プロ棋士は対局が終わると数キロ痩せていることもあるという。
脳はエネルギー消費が激しいらしい。だからなのか、あれだけおやつを食べているにもかかわらず対局が長時間にもなると数キロ体重が減っているとか。
一方、コーラで糖分を補給しつつ頭をフル回転させてこの文章を書き上げた自分の体重はというと、少し増えてしまっていた。
やはりプロ棋士と自分が似ているというのはおこがましい話だったか。

 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-10-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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