おじいちゃん、おばあちゃんは節税を考えていただろうか?
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:藤田功(ライティング・ゼミ日曜コース)
「やっぱり、誰も来てくれないですね」
台風直撃の日曜日の朝、池袋でセミナーを開催した。
午前中は台風の影響も少なく、傘を差しながらも多くの人が街を歩いていた。
でも、セミナー開始時間の9時半になっても誰一人、セミナー会場に入ってくる参加者はいない。
今回のセミナーは二カ月ほど前に企画した。
2時間のセミナーを二人で実施するコラボセミナーだ。
打ち合わせでは、二人でテーマを決めて、日程を決めて、会場を決めて、集客方法を決めていった。
また、一人で、新しい情報を調べて、パワポを作って、原稿を作って、練習をした。
セミナー当日まで、この繰り返しだ。
実は、セミナー前日までに参加申し込みがなかったので、当日は参加者ゼロだろうということは分かっていた。
でも、わずかながらも、当日に参加してくれる方がいるのではと期待していた。
プロジェクターでスライドを投影して、その参加者を待っていた。
しかし、開始時間になっても、誰一人、会場に入ってくる参加者はいなかった。
セミナー会場の30の座席は空席のままだ。
見てくれる人はいないのに、プロジェクターからスライドだけが投影されている。
「こころが折れるとはこのことなのだな」
みなさんは参加者がゼロという状況を想像できるだろうか?
参加者がゼロということは、誰からも、企画したセミナーを認めてもらえなかったということだ。
企画したセミナーが必要ないと否定されたのだ。
セミナーが否定されただけでなく、自分自身が否定されたように感じてしまう。
そこまで、落ち込むことはないかもしれないが、こころが折れる。
でも、いつまでも、こころが折れていても仕方がない!
こういうときこそ、コラボセミナーの強みが活かせる!
一人での反省会は辛いが、二人での反省会は辛さが半減する。
セミナー会場には30の空席があるが、後ろの方の席を広々と使って、反省会をスタートさせる。
窓の外は雨が降っているのが見えるが、二人だけで、会場をこれだけ広く使えると気持ちが良い。
反省点はたくさんあった。
その中でも、大きな反省点はターゲットを明確にできていなかったことだ。
今回のセミナーテーマは相続税だ。
私も、コラボの相方も、職業は税理士なので、専門分野のセミナーになる。
セミナーでは、全ての人をターゲットにした。
つまり、ターゲットを、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子供として、誰に参加してもらっても大丈夫なセミナーを企画した。
でも、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子供のみんなが参加して、満足するイベントがあるだろうか?
たとえば、ファミリーレストラン。
ファミリーレストランは、ファミリーというぐらいなので、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子供のみんながターゲットになっている。
でも、実際は、時間帯、曜日ごとにターゲットを絞っているのが現状だ。
モーニングセット、ランチタイム、ディナータイム、ちょい飲みタイムでターゲットを絞っている。
ターゲットを絞るからこそ、一人一人が必要とするサービスが提供できる。
ターゲットを絞り、その対策をしているファミリーレストランだけが勝ち残っていく。
セミナーも同様だ。
おじいちゃんが知りたい内容とお母さんが知りたい内容は同じではない。
誰もが満足する内容はない。
セミナーに限らず、ターゲットを絞る必要性は、多くの人が知っている。
もちろん、私もコラボの相方も知っている。
でも、実際にセミナーを企画すると、少しでも多くの人に参加して欲しいという気持ちが芽生える。
つまり、欲が出てしまう。
そして、いつの間にかすべての人を満足させる内容のセミナーを作ろうと考えるようになってしまう。
仮に、今回のセミナーに、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子供が参加してくれていたとしても……。
誰ひとりとして満足しないセミナーになってしまい、せっかく足を運んでくれていても、迷惑をかけることになっていたと思う。
そういう意味では、参加者がゼロなのは良かったと思う。
でも、たった一人を満足させることはできるだろうか?
そのとき、ふと、田舎に住んでいたおじいちゃん、おばあちゃんの顔が思い浮かんだ。
私は小学生の頃は、夏休みになると、すぐに宿題を仕上げていた。
そして、田舎のおじいちゃん、おばあちゃんのところへ遊びに行っていた。
駅から20分ほど歩いて、商店街を抜けたところにおじいちゃん、おばあちゃんの家が有った。
夏休みのたびに、一ヶ月近く、田舎で過ごした。
もう、40年近く前のことだ。
おじいちゃん、おばあちゃんは何を考えて、私を迎えていてくれたのだろうか?
たった一人のためのセミナーを。
たった一人の顔を思い浮かべて。
もう一度、じっくりと、セミナーコンテンツを考えてみよう!
次のセミナーは12月開催だ!
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