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メディアグランプリ

「ピアノ」と「書くこと」のとても当たり前かもしれない共通点


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
記事:一宮ルミ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
ピアノレッスンに通っている。
もうかれこれ、12年くらいになる。
子供のころにやっていて、大人になってまた始める人は多いらしいが、私の場合は、そうではない。
ピアノ教室に通うのは、子供のころから憧れていたが、通ったことはなかった。
家にある電子オルガンで、学校の音楽の時間に習った曲や、ピアノ教室に通っている同級生から休み時間にちょっと教わって、それを家で練習したりする程度だった。だから、もちろん上手くもなく「できる」と言えるものでもなかった。
 
小学校の全校集会では、決まって最後に校歌を歌うことになっていた。必ずピアノ伴奏がつく。弾くのは、高学年のピアノ教室に通う女の子だった。
私の憧れのポジションだった。
けれど、そのチャンスは巡ってくることはなかった。
 
大人になってピアノを始めたきっかけは、息子のエレクトーン教室だった。
息子が幼稚園になったころ、何か習い事がさせたくて、ヤマハの音楽教室で開かれる幼児科というレッスンに通うことにした。幼児科はエレクトーンを使って親子でレッスンするクラスで、私も息子と毎週レッスンに通うことにした。
しかし、息子には、音楽教室はどうにも合わなかったようで、通い始めてすぐ行くのを嫌がりだした。無理強いするのもかわいそうなので、仕方なくレッスンは辞めることにした。
 
息子が辞めるちょっと前に、教室のスタッフから声をかけられた。
「お母さん、大人のレッスンに来ませんか」
その言葉に、飛びついてしまった。
息子を音楽教室に通わせたのは、本当は子供のころから憧れていたピアノやエレクトーン教室に、私が行きたかったからかもしれない。
全くの初心者なのに、軽い気持ちで始めてしまった。
 
それからレッスンが始まった。
仕事と家事の合間に練習時間を見つけることが難しいこともあった。子供を寝かせてから、電子ピアノのボリュームを小さくして、こそこそと練習したこともあった。
しかし、遊びの延長のような練習では、なかなか思うように上達しなかった。
やっぱり、子供のころからやってないと上手くならないのかなと思ったりしていた。
 
レッスンに通い始めて7年目くらいにピアノ発表会に出ることになった。
その時練習していたのは、映画「スティング」のテーマ曲「ジ・エンターテイナー」だった。
なぜか、この曲の練習には熱が入り、今までで弾いてきた曲の中では、なかなか上手く弾けるようになっていた。
その時、先生が発表会に出ることを勧めてくれた。
私も、思ったよりいい出来だったこともあって、二つ返事で「出ます!」と回答した。
 
発表会まで、あと2ヶ月ほど。しかし、ここからが大変だった。
普段の練習では、ここでこの曲の練習は終わりだったのかもしれない。でも、発表会に出るとなると、もっとクリアしなければならない課題がたくさんあった。
まず、楽譜を覚えること。
私は、間違えずに弾くというのが極端に下手で、いつもどこか間違えてしまう。それを、なるべく減らすために、楽譜を覚えてしまうことにした。
楽譜を見ながら弾くと、目が楽譜と鍵盤を行ったり来たりしてしまうので、ミスタッチも増えてしまうからだ。
 
楽譜を覚えたら、次は、テンポを一定に弾くこと。
難しいフレーズは、間違えないようにゆっくりしたスピードで弾いてしまう。でもそれでは、曲として聞いている人が気持ち悪く感じる。難しいフレーズを何度も練習し、どのフレーズも同じ速さで弾けるようにしなければいけない。
 
最後は、楽譜の指示通り、強弱をつけて弾くこと。先生からこう教わった。
曲には、盛り上がるとこところと、そうでないところがあって、それが曲の表情になる。一本調子では、聞いている人も飽きてしまうので、強弱をつけたり、音を伸ばしたり、切ったりして、メリハリをつけるとで、飽きずに聞くことができ、曲に奥行きができると。
 
発表会の本番の日は近づいてくる。
でも、やってもやっても課題の壁が超えられない。
5分でも10分でも時間を見つけて毎日のように練習した。
そして、本番。緊張のあまり、ミスもした。楽譜の指示通り弾くのもままならなかった。悔しかった。
それでも、今まで練習してきたどの曲より、上手く弾けるようになっていた。
ピアノが上達しないと思っていた。それは、大人になって始めたからではない。
ただ練習が足りなかったのだ。本気が足りなかったのだ。
 
私は、今、天狼院書店のライティング・ゼミを受講している。
「書くこと」に興味はあったが、一度も褒められたこともなかったし、自分は上手くないのだと思っていた。文章の書き方の本を買って読んだり、たまにブログを書いてみたが、全く効果はなかった。
仕事でも書くことが増えたけれど、全然上手く書けなくて、自分の才能がないんだろうと思っていた。
 
ライティング・ゼミを受けて、気づいた。
「書くこと」もピアノの練習と同じだと。
書けないのは、練習が足りない、本気が足りなかったのだ。
ライティング・ゼミでとにかく「書く」ことを、半ば強制のように自分に課して、受講したことをできる限り忠実に守り、書いて書いて書いた。
今まで、こんなに「書く」ことに自分を追い込んだことがあっただろうか。
ボツになって、悔しい思いもした。それでも、書くしかない。
そして、だんだんと掲載してもらえる回数が増えてきた。
ピアノの発表会と同じように、上手くできないこともあって、もっとこうしたらよかったという後悔することもある。
初めて2ヶ月が過ぎ、他の人の記事と比べるとまだまだだと思うところは多いけれど、それでも、始める前よりは、ずっと上手く書けるようになっていた。
 
しかし、ここ2ヶ月「書く」ことに必死になりすぎて、「ピアノ」の練習が、全然捗っていないことが、目下の懸案事項である。
 
***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-10-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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