書くことは心の大掃除
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:Ruca(ライティング・ゼミ日曜コース)
「まあね、これがあなたらしいといえばあなたらしいのよね。だけど、どうなのかな。これって。まぁいいんじゃない。これで行けば」
私の作った夏のイベントへのお誘いチラシを見て、鼻であしらうように返してくれた。
「文章のことなら、頼めばよかったのに」と横にいた取り巻きが加勢する。
私が企画し、私がみんなのために開催したいと願ったイベント。
だから私が書く。
それが当たり前。
そのイベントに込めた私の思いを伝えたいのだ。
誰が頼むもんか。
「そうなんだ。ありがとう。でもこれでいくね」と口をとんがらせたくなるのをうんと我慢して、大人な対応してその場を切り抜けた。
梅雨の合間の暑い日だったということと、無性に腹だたしい気分に包まれたことを鮮明に覚えている。
文章を書くのは得意ではないが、好きだ。
文章の持つ力に気づき魅了されたのは、大好きなイギリスの作家ジェーン オースティンの小説たちだった。
その小説たちに必ず登場するのが、窮地を救う手紙。
その手紙は、書き手の気持ちを伝え、お互いの関係性を修復し、歪んだ時の流れさえも埋めなおしてくれるような力を持つものだった。
そんな手紙を書いてみたいと憧れた。
子どもの頃、母の妹に対するえこひいきに腹を立て、直接怒りをぶつけるための手段は手紙だった。
仕事に関するエネルギーを集結させた研究論文もたくさん書いた。そのお流儀を習得するために、とにかくたくさん読んだ。
自分なりに書き方のルールを持っていた。
書くことに対するコンプレックスはなかった。
それだけに、不本意なセリフに悔しさと怒りが入り混じり、居ても立ってもいられなかった。
そして、まずは師匠探しに明け暮れた。
誰でも良い訳ではない。
習いたい人から習うのだ。
そうして見つけたのがこのライティング・ゼミだった。
ジリジリと照りつける太陽が眩しい夏からゼミは始まった。
ちょうどいい時期に参加した。
開放感な季節のせいか、自分の気持ちをオープンにし、パソコンに向かえた。心の中にある思いを言葉にして紙にのせると、知らない自分がそこに居た。
こんなところにも居たのね。
新たな自分を見つけ出した。
書いて眺めると意外な関連性に気づく。
その意外な関連性と自分への教訓を見つけた。
「ダブル三浦の法則」と呼ばれるその法則は、自分の能力と着地点を見失うなという警告も鳴らしている。
量から取り組むのか質から取り組むのか。そのポイントは何か。
二人の三浦は絶対に抜かれることはないという揺るぎない自信を持っている。「量だな」という物書きの三浦と「質をとれ」という走る三浦は、彼らのレベルに達したら、「量と質を逆にしろ」ということは決して言わない。
それは到達したものの優しさだと理解している。
こんな発見は、わざわざ書いてみないと見つけることはできない。
文章のすごいところは他にもある。
手放すべき感情にも気づかせてくれた。
これまで自分にまつわることを書き続けた。
走ることは始めてまだ7年しか経っていない。
そこには多くの感動と学びがあった。
走ることで、人生における大切なことを全て学ぶんじゃないだろうかと思う。それほど、影響を受けた。
そのせいか、走ること関連は、サクサクと筆が進み書きやすいテーマだった。
一方ダメなテーマもあった。
優しく接しようと思いながらもそうはでさせてくれない相手がいる。
未だに母に対しては反抗期のままだ。
彼女に対する心の闇を正直に描こうとするが、常に未完成だ。
執着するなということなのか。
時には手放す勇気がいるのだ。
その執着を手放せば、また一からいい関係が気付けるのではないかという気もする。
ジェーン オースティンの小説ばりの手紙を書いてみようかと企んでいる。
認め受け入れ、適応し直し、少しだけ素直になる。
ほんの少し横に位置し、直球で受け止めずに見送ってみようと思う。
笑顔で向き合うための手紙をそろそろ書いてみようと思っている。
書くことは掃除と似ている。
私の持つ掃除の極意は、見えないところを綺麗にするだ。
今回、このゼミに通ってまずは1回目の大掃除を終えた気がする。
自分の中の見えないところをまずは洗い出してみた。
毎年恒例の大掃除も1回では終わらず、大体3クールして収まるところを見せている。
私の生活はそんな感じで進んでいる。
あと2回、このゼミにお世話になる必要があるのかもしれない。
今回のゼミの期間は、ゼミ講師の三浦さんが自身の本を出版するための最後の準備に取り掛かるような時期と重なっていた。
「殺し屋のマーケティング」という赤本を、まるで初めて抱く我が子のように嬉々として話す三浦さんの姿をタイムリーに見ることができた。
1冊の本を出版する大変さも、それ以上にマーケットの展開の仕方や可能性の広さもこっそりと学ぶことができた。
戦略的なのだろうが、計算尽くというよりも、その広告の仕方があまりにも愛情でいっぱいなので書店に並ぶ前に自分の分の他に心友に配る分まで予約をしていた。
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