働き方改革じゃなくて、生活改革でしょ!
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記事:相澤綾子(ライティング・ゼミ 特講)
ドアを開けると、靴だらけの玄関、おもちゃのトラックが停まっている廊下。リビングに入ると、さっきまで遊んでいたかのようにプラレールが広がっている。テーブルの上は昨日の夜子どもたちが書いた絵、クレヨンも片付けていない。台所は朝洗い忘れたフライパンがコンロに残り、調味料も出しっぱなしだ。きれいに片付けられていればほっとするだろうけれど、こんな状況を見ると、どっと疲れが出る。
いつも時間に追われている。朝は朝食と夕食の下準備で、あっという間に家を出る時間になる。夜は帰宅すると慌てて夕食を仕上げ、せかして子どもたちに食べさせ、風呂に入れ、息つく間もなく寝る時間になる。早く寝かせることを優先して、片づけは後回しだ。習慣を身につけさせたいけれど、夢中になって絵を描いているのを見ると、満足させるまで書かせてあげたいと思う。後で私が片付ければいいとその時は考える。実際は、子どもが寝てしまうと、ほっと一息ついて、自分の時間を過ごしたくなる。どうせ夫も私が眠ってからしか帰って来ないし、帰ってきても寝るだけだ。片付けても片付けなくても、変わらないんじゃないか。そんな言い訳を自分にする。
土日なら生活の立て直しができるか。でも朝は、平日毎晩終電で疲れ切った夫がなかなか起きてこないし、起きると子どもを連れて外に出かけたがる。子どもたちも喜ぶので、私もそれに付き合う。帰ってからさらに一人でいつも以上の家事を頑張るほどの意欲もない。
ぐちゃぐちゃの生活だけれど、それでもこの生活のために、私は毎日仕事を定時で切り上げて帰ってきている。子どもが生まれるまで、定時で帰ったらろくな仕事ができないだろうと思い込んでいた。でも意外にできているのではと自負している。
手帳を使い、計画的に仕事を進めるようになった。予定を書く他、どんな仕事をしたか簡単に記録している。定型的な事務については、かかった時間もおおまかに記録し、隙間時間ができたときに、何だったら終えられるかの目安がつけられるようになった。最初担当の仕事を割り振られた時、定時で帰らなきゃいけないのに回せるのかと思った。月に2回程度土日に仕事に出たりして、効率化と無駄の排除と慣れでどうにか本当に残業なしでこなせるようになった。
でも周りはそんな風に見ていないのではないかとも、同時に思ってしまう。
時間的にみて、大した量の仕事をしていない。仕上がりも雑だ。周囲への気遣いも足りない。子どもがいるから早く帰らなければいけないのは、仕方がない。でも職場に子育て中の女性が入ると、自分たちの負担が増えるからがっかりする。なんとかして欲しいと思っているのではないか。
なぜなら、私自身が、家の中で同じようなことを考えているからだ。
夫の仕事はとても忙しい。9時半からの勤務で、毎日終電で帰ってくる。それでも毎朝洗濯機を回し、干してから出かける。洗濯については責任を持ってやっていて、洗剤の補充も自分でする。自分の食べた食器を食洗器に入れて、スイッチを押しておいてくれる。忙しい中頑張ってくれていると感謝している。
でも欲を言えば、子どもたちの脱ぎっぱなしの服が転がっていないかどうかチェックしてから洗濯機を回して欲しいし、手洗いもできればやって欲しい。洗濯のごみ受けネットのゴミも取り除いて欲しいし、たまにパジャマの袖がきちんと伸ばされていなくて、夜着ようとすると湿っている時はがっかりする。子どもたちと接する時間は朝しかないのに、出かける10分前まで寝ている。靴を履かすのを手伝ってくれるだけじゃなくて、一緒にごはんも食べて、保育所の連絡帳に書くための検温もやって欲しい。そもそももっと家にいて欲しい。家にいない間、私がどんな状況か、全く知らないだろう。
仕事だから仕方がないとは思う。でも、土日までなかなか朝起きられなくて、私の負担が増えるのでがっかりしてしまう。なんとかして欲しいと思う。
必要なのは、働き方改革じゃなくて、生活改革でしょ!
働き方改革では、軸足が職場におかれている。でもそうじゃなくて、働くのは生活のためで、生活をもっと楽しくするために、居心地のよいものにするために、生活改革をしなければいけないのだ。何のために働いているのか。究極的には自分のためだ。自分の土台になる生活がちゃんとしてなければ、うまくいかないんじゃないか。
どこから手をつけていいか分からないくらい、ぐちゃぐちゃになっているけれど、もっと自分を大事にするために、自分たちの生活を大事にしたい。
自分にとって自分は一人しかいないように、家族にとっても代わりはいないものだ。仕事はそうじゃない。短期的にはその人じゃなきゃ駄目かもしれないけれど、いなければいないで、回るようになるものだ。残念ながらそういうものだ。
だからまずは夫にちゃんと口に出して言おう。「私にはパパの代わりまではできないから、もっと早く帰ってきて欲しいな」
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