メディアグランプリ

おひとりさまで広がる世界


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:幸島佑実(ライティング・ゼミ 平日コース)

 
 
「んひひっ」
この気持ち悪い声を洩らしているのは誰だろうか。
先日初めてひとりでディズニーシーへ行った時の私である。ちなみに入場ゲートを抜けた時の第一声である。
 
(ついに来てしまった……! ついに……! いやー、どうしよどうしよ! んふふふふふふ……!)
ひとりでニヤニヤして気持ち悪いが、ディズニーシーへ来た喜びと、ひとりで来た自分の度胸に笑えてきて、なんだか嬉しくてあははでウフフで、とにかくすこぶる気分はハイだった。
 
数年前からおひとりさまという言葉があり、おひとりさま向けのサービス等が充実している今は、数年前よりもおひとりさま行動がしやすくなったのではないか。私もおひとりさまに肯定的な現代に甘えているひとりだ。
ひとりカフェから始まり、ひとり飯、ひとりライブ、ひとり飲み、ひとりフェス、ひとり旅行……。
そしてついにひとりディズニーをしてきた。順調におひとりさまレベルは上がっている。
 
おひとりさま経験がない人や、ひとりでどこかへ行って何かをするなんて考えられない人からしたら、 私のようなおひとりさまはちょっと変な奴、あるいは友達がいない寂しい奴と思われているかもしれない。
 
十人十色なので変な奴というのは完全否定できないけれど、決して友達がいないわけではない。多くはないけれどそれなりに友達はいる。
 
何をするにもマイペースな私。行動はもちろん、思考もかなりマイペース。
でも今までずっとのびのびマイペースしていたわけではない。
幼少期は割とのびのび育ったが、学校という集団行動の箱に入り、周りと違うといい意味でも悪い意味でも注目を浴びることを覚えてからは、かなり控えめになった。
 
控えめになってからは目立つことに恐怖を覚えた。スクールカースト上位の目に止まるのが怖かった。だから何かに挑戦してみたくてもできない。当時ピアノを習っていた私は、ピアノならクラスの誰よりも負けないと静かな自信があったが、クラス合唱の伴奏を自らやりたいと申し出ることはできなかった。
 
また一人でいるということも恐怖だった。イツメンというグループに属さないとクラスで浮くからだ。
そうやってどんどん控えめになり、集団にどんどん染まっていった。
 
大学に入ってからは授業の空き時間でひとりになる機会が増えた。
友人も空き時間なら一緒に過ごしたが、そうではない時間もある。
その時間は次の講義までひとりで過ごさなければならない。
 
とりあえずお腹が空いたからひとりでご飯を食べに行く。
学食は避けた。誰かにあいつひとりでいるって思われるのが嫌だったからだ。
だから外へ行く。
(ファミレスよりカフェの方が入りやすいかな)
そう思いカフェへ入る。席を確保し、サンドイッチとドリンクを注文する。
 
お腹を満たして店を出る。
(以外とひとりも平気だったな)
おひとりさまデビューした私はちょっとだけメンタルが強くなっていた。
 
以外と平気だということが分かってからは、恐怖心を持つことなくひとりで出かけられるようになってきた。
ひとりカフェデビューをしてからは、臆することなくひとりでカフェに入れるようになった。
初めてひとりでファミレスへ来た時は若干緊張したが、一度経験してしまえば次は堂々と入れるようになっている。
そうやっておひとりさま行動範囲をどんどん広げていった。
自分が行ってみたいと思った場所へは足を運べるようになった。
行動範囲が広がるたびにメンタルはちょっとずつ強くなっていき、控えめな自分もいなくなっていた。
 
だんだん慣れていったとしても、新しいおひとりさま行動をする時はやはり若干の勇気がいる。
それは新しい仕事や趣味を始める時と同じだ。
何事もそうだと思う。新しい何かを始めるにはかなりの勇気が必要だ。
そこで勇気が出せればあとは慣れてしまえ。そうすればあとはこっちのものだ。
自分なりの仕事の進め方を見つけたり、趣味を極めるも自分次第で思うままだ。
 
今受講している天狼院書店のライティング・ゼミに申し込むのにもかなりの勇気が必要だった。
今までろくに文章を書いたことがない自分が受けても大丈夫なのか。
受講料を無駄にすることなく続けられるだろうか。
不安がたくさんだったが、勇気を持って申し込んでしまえばあとはこっちのもの。
講義で習ったことを踏まえてひたすら書くだけだ。
なかなか書けなくて悩むこともあるが、文章で表現する楽しさを見つけた。
勇気を持って申し込んだあの時の自分にありがとうって言いたい。
 
勇気を出す機会を増やして回数重ねていくと、新しいことを始める一歩を踏み出しやすくなる。
自分は前に勇気を出してあれに挑戦できたんだから、これにだって挑戦できるはずだ!
そうやって世界を広げていく。もっと生活は楽しくなる。
 
控えめだった過去の私が今の私を見たらなんて思うだろう。
ひとりでディズニーシーに行ってしまうなんて言ったらびっくりするに違いない。作文が苦手だった自分が、今は文字を書くのが楽しいと言ったら信じられないと言うにに違いない。
今の私が過去の私に何かを伝えられるとしたらこう伝えたい。
 
「今の私は十分楽しく生活しているから、心配しなくていいからね。でもピアノの伴奏は勇気を持ってやった方がいいよ。そうすればもっとピアノも上手になるし、学校生活も楽しくなるかもしれないよ」
 
 
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2018-03-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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