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「生きる」という意味が今、まさしく変わっているのかも知れない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:佐伯壮一朗(ライティング・ゼミ特講)
 
「保護者の方々の時代と、今の入試制度は全く違います。なので、ぜひ、『私の時代はこうだった!』などとご自身の体験をお子様に押しつけないでください」
 
少し前に過ぎ去った今年の大学受験。そこまでの準備として数多くの受験生が通う予備校や塾の保護者会では、このような説明を職員がするのだという。受験生の数多くは、受験中、反抗期。保護者とのコミュニケーションに悩む時期、強がる時期だ。
 
今年の大学生は、少し特別だ。高校を卒業し大学に入る高校生で早生まれの学生は、なんと2000年生まれである。ついに、新しいミレニアムに生まれた学生たちが大学へと入っていくのだ。
 
このような学生たちにとって、親と異なるのは、なにも大学受験だけではない。そもそも、大学受験の制度が変わったのも、社会の変化を受けてである。私たちは、ある意味、親と同じ社会を生きることはできない。親と同じ生き方はできない。常に自ら新しい道を切り開かねばならないのだ。
 
2000年に生まれた世代の半数以上は、2100年まで生きるという予想がされている。現在、日本人の寿命は90歳前後。この100年で長寿がさらに進み、10年程度平均寿命がということである。社会が変わると共に、人間も変わっていくのだ。
 
このような変化に伴って、私たちは生き方を根本的に見直さねばならない。
考えてみて欲しい。あなたが100歳まで生きると仮定しよう。現行の日本の制度では、多くの企業が65歳で定年を迎える。100歳まで生きるとなれば、35年間、無職として生活し続けなければならない。
この世代は、残念なことに、定年後、日本で年金を今ほど受け取ることができる保証は全くない。すなわち、この35年間をそれまでの貯蓄を切り崩しながら生活しなければならないということになる。
 
このような話を聞くと、途端に不安になるのは私だけではないはずだ。
大学を卒業し社会に出るまで20年少々。そこから65歳が定年だと仮定すると、40年少々働くことになる。そして、引退後は35年ほどの無給で生きねばならない引退生活が待っている。働いた年数とほとんど同じだけの年数を、貯蓄を切り崩しながら生きなければならないのだ。そのために貯蓄はいくら必要なのだろう。考えるだけでぞっとする。
もちろん日本において、定年の年齢は引き上げられることだろう。しかし、それでも、人間が享受する長寿を全うするには、それなりのコストがかかると言うことは、簡単に想像できるのではないかと思う。
 
なにも2000年生まれの世代だけではない。今のいわゆる若者たちは、このような人生の難題に将来取り組まなければならないのだ。
誤解をして欲しくないが、長く生きることができることは、とても喜ばしいことだ。生きる時間が増えるということは、自由に使える時間が増えるということだ。しかし、その自由時間が、特に人生の後半で、本当に自由に使えるかどうかは、各人次第だ。
 
では、私たちはどうすればいいのだろうか。
 
備えるのだ。
 
私たちは、学校を卒業してから、1つだけのキャリアを過ごし、65歳に引退したのちに過ごす、という現在の「理想の生き方」では生きていけない。文字通り、生きていけないのだ。私たちは、より長期間働くことを、覚悟せねばならない。
 
しかし、覚悟するだけでは足りない。このような変動の大きな社会では、仕事に必要とされるスキルがどんどん変化していく。ということは、私たちは常に、新たなスキルを学ばなければ、働き続けなければならないということだ。仕事をしながら、休みを活用しながら新しいスキルを学んでいく。今までの社会人の生活から、徐々に変わっていくということになる。
 
ここで注意したいのが、私たちが学ぶに当たり身につけなければいけないのは「将来の仕事に役立つスキル」であり、「すぐに活用できる資格」ではないと言うことである。今ある資格が50年後も有効に使えるかどうかについては、誰もわからないからである。このような自己投資には、正解がない。少なくとも現時点では。自らの頭で考え、自分のためにお金と時間をかけなければいけないということだ。
 
無謀な話に聞こえるかも知れない。しかし、この時代に生まれた私たちは、それを運命として受け入れるほかない。長寿という時間の恩恵の対価に、私たちは頭を使って考え、早い段階から自己投資を行うことが求められているというだけのことなのである。
 
もしもこのような話に危機感を持ち、考えるヒントが欲しいという人がいらっしゃれば、ぜひ、『Life Shift』という本を手にとって頂きたい。この本には、100年生きる人生について、可能性のあるシナリオを具体的に紹介しながら、私たちが将来どのような障壁にぶつかるのかを丁寧に描いてくれている。自らの人生を考えるに当たり、1つの有効な指針となってくれることだろう。
 
長く生きるということは、それだけ私たちの人生は、数多くの可能性を秘めているということだ。その可能性をどれだけ活用できるか。それは私たちの今後の取り組みにかかっている。ゆっくり腰を据えて自分の人生について考えるのは、今からでも決して遅くない。

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-03-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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