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メディアグランプリ

染まらない、女性たちへ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:福田彩(ライティング・ゼミ特講)
 
わたしを救ってくれた雑誌がある。
その話をするにあたって、問いたいことがある。
 
「あなたは、ピンク色が好きですか?」
 
 
31歳、女性のわたしは、ピンク色が好きでも嫌いでもない。。
しかし、女性、特に若い女性に向けた広告・商品のパッケージなどは、ことごとくピンク色が使われている。
ピンク色からイメージされるのは、可愛い女性像だ。
 
例えば……
フェミニンなものが好きで、雑誌で言えば「赤文字系」と言われる部類のものを読む。
基本的にスカートを履いていて、持っている靴の8割はつま先の丸いヒール靴。
お出かけには、お財布とハンカチぐらいしか入らない小さなハンドバッグを持って行く。
甘いものが好きで、ケーキバイキングに行くのが楽しい。
スキンケアもボディケアもヘアケアも念入りで、某メーカのイオンが出るドライヤーを使う。
しょっちゅう「女子会」をする。
趣味はネイルとアロマテラピー。ダイエットのために、ヨガも始めた。
 
確かに、こういう女性も一定数いるだろう。
なんだか偏見に満ちたことを書いてしまった気がするが、わたしはこういう女性たちを嫌いだと言いたいわけではない。
「赤文字系」は概して「モテ」を意識したファッションだと言われるが、モテることは素晴らしい。わたしもできればモテたい。
加えて、「赤文字系」を好きだという人が皆「モテ」を重んじているわけではない。
たまたまそういう趣味嗜好であり、「モテ」や「恋愛」だけでなく、学業や仕事、自己研鑽にも力を入れている人が大半だろうと思う。
そんな人たちも素晴らしい。
 
では何が言いたいか。
 
「とりあえず女性といえば、ピンク色だな」という考えの人たちがいる。
彼らが、それと同じように「とりあえず女性といえば、こういう趣味嗜好だよな」と一辺倒な考えでいることが、悲しいのだ。
 
 
 
少し前、バレンタインデーが近い時期のこと。
たまたまラジオを聞いていたら、とある番組で、女性アイドルがチョコレート店を紹介していた。
確か、木のマドラーにチョコレートがくっついている商品の話をしていた。
ホットミルクに入れてかき混ぜて、とろりとした「ホットチョコレート」なる飲み物を作るのだそうだ。
お店の人と楽しく話をして、最後に彼女はこう言った。
 
「女性はみんな、甘〜いチョコレートが大好きですもんね!」
 
「なんやと……?」
ついつい口に出た。
わたしはチョコレートが苦手なのだ。
彼女はチョコレートが好きかもしれない。それはそれで良い。
でも、できれば、チョコレートが好きでないわたしの存在を、ないもののように扱わないでほしい。
 
いちいち、うるせー女だなと思われるかもしれない。
確かに、こんな小さなことはスルーしておけば良い。
「一般的な」「大多数の」イメージに染まっておけば、楽な時もあるだろう。
それでも、自分が好きなものを好きなように選びたいと思うのは、自然な感情だ。
チョコレートが好きでないわたしは、その代わりに、美味しいドラ焼きや、ホカホカのごはんが好きだったりする。
女性、と一言で言っても、いろいろ居るもんだ。
 
 
 
チョコレートが好きになれないように、わたしはなかなか、ピンク色に染まれない。
グレーのパーカや、太めの濃紺ジーンズ、カーキのジャンパー、グレーのスニーカー、黒いナイロン製のリュックサック。
全部わたしの持ち物だ。
こういうものを着ている人は、オシャレが好きじゃない人なのか?
そうとは限らない。
わたしの場合は、こういうボーイッシュなもので、オシャレをするのが好きなのだ。
 
こだわりがあるぶん、分かってもらえると非常にありがたく思う。
数年前のホワイトデーに、上司がハンカチをくれたことがあった。
それは、紺色だった。
嬉しかった。
そのハンカチ一枚で、ちゃんと自分のことを理解してくれていると感じたものだ。
 
もし、ここまで読んで、共感してくれたボーイッシュな女性がいたら。
あなたに、ぜひ書店で手にとってみてほしい雑誌がある。
それが、上司がくれた紺色のハンカチのように、わたしを救ってくれた、「ララビギン」だ。
 
この雑誌は、4年前、男性誌「ビギン」の女性版として創刊された。
わたしが最初に読んだのは、美容室でパーマをかけている間だった。
スタッフの方が持ってきてくれた、その小さな雑誌を開き、パラパラとめくる。
「こんな雑誌があるっていうことは、自分の趣味嗜好も、認められているんだな。ピンク色に染まらなくても、いいんだな」
そう思った。
 
自分が好きなものを、認めてもらえること。
それは少数派にとって、大きな救いだと思う。
 
なんだか安心した気持ちになって、そして、夢中になって読んだ。
靴やカバンなど、出てくるアイテムの情報を全てメモしたいぐらいだった。
ぴったりくるものに出会えず、その頃ほとんどファッション雑誌を買っていなかったけれど、ララビギンはどうしても読み返したくて、美容室を出たその足で、書店に買いに走った。
 
「ララビギン」は、書店内、女性誌の棚で大半を占める赤文字系雑誌に比べて、少し見つけにくいかもしれない。
でも、頑張って探してみてほしい。
その紙面には、他の雑誌とはまた違う世界観が広がっている。
きっと、あなたが読みたい記事が、並んでいるはずだ。

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2018-03-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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