メディアグランプリ

まだ本気出してないだけの人に本気を出させるには《プロフェッショナル・ゼミ》


*この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事: 河原千恵子(ライティングゼミ・プロフェッショナルコース)

「俺はまだ本気出してないだけ」というタイトルの漫画があった。漫画自体を読んだことはないけれど、タイトルだけ聞いて思わずうなったのを覚えている。
このフレーズに思い当たるふしがある人は少なくないはずだ。
私だって本気を出せば。
私もずっとそう思っていた。
でも、思い続けて何年もたっていた。

しかし、人生で一度も本気を出さずに終わる人も、あまりいないはずだ。
こんな私も大学受験のときは結構本気を出した。
新人賞の締め切りのときは死に物狂いだった。
仕事を締め切りに間に合わせるためには必死になる。

つまり、「試験に落ちそう」「クビになりそう」「訴えられそう」「家族や好きな人が危ない」「命が危うい」などの、外的な要因で追い詰められない限り、なかなか本気になれないのが人間なのだろう。

一方で、誰にも何も言われなくても命がけで物事を成し遂げる人もいる。
天才と言われる人たちの多くはそうだ。発明家、研究者、画家、小説家。そうした人たちの場合、内側から自分をつき動かす衝動に従うことで、結果を出す。
だが多くの人はきっと、そこまで強い衝動を持ち合わせてはいない。せいぜい、モヤモヤとしてつかみどころのない衝動を、強い意志によってなんとか形にしていくしかない。

先日、鯨統一郎さんの『作家で十年いきのびる方法』という本を読んだ。
打ちのめされた。10年生きのびるために鯨さんがどれだけのペースで原稿を書かれたか、克明に記録されているのだが、そのペースの速さにめまいを感じた。作家として生き残るには壮絶な覚悟がいるのだと知った。
鯨さんは、デビューするのに17年という歳月を費やされた。その間にたくさんの作品を書いてストックされていた。だが、鯨さんはなんと、そのストックを一切使わず、新しい作品を書くことを、自分に課したのだ。しかも、10年間も。なんという自分への厳しさ。
でもこれは理にかなっているのだと思う。
私もアイデアにつまったときに、昔のノートなどを引き出しの奥から引っ張り出し、参考にしようとすることがある。でも昔に書いたものはあくまで昔に書いたもの。
人間は成長している。
その当時どんなに素晴らしく思えたアイデアでも、現在の自分からみるとイマイチなのだ。鮮度が落ちているのである。
時代性の問題ももちろんあるけれど、それだけではない。言葉にできない何かが、色あせてしまっているのだ。

鯨さんはそうやってオリジナルのルールを自分に課しながら、あくまでも専業作家で食べていきたいという目標を持ち、着実に堅実に、それを実現するために頭と体を動かし続ける。結果、10年間で単行本44冊を生み出し、作家として見事に生き残った。
『作家として十年いきのびる方法』というタイトルを見て、あわよくば何か特別なテクニック、参考にできるノウハウのようなものが書かれているのではという淡い期待を持って読んだ私は、強靭な意志を持つ以外に生きのびる道はないという圧倒的な事実を前に、ひたすら恥じ入るしかなかった。

天狼院書店のライティングゼミの三浦さんの姿勢にも、鯨さんと共通するところがある。
「才能なんて関係ない」と三浦さんはいう。そして自身が実践されているライティングのコツを惜しげもなく伝授してくれる。
それらを真面目にひたすらに行動にうつしていけば、必ず実力がつく。誰でも間違いなく。
その証拠に、私と同時期にライティングゼミに初めて参加された女性はコツコツ書き続け、課題を提出し続けて、今では天狼院書店のウェブメディアで、いつもアクセスランキングの上位に入賞されている。
ただ書けばいいのだ。
わかっていながら、今までの私は行動ができていなかった。理由はいくらでも言えるが、全部、言い訳だ。
根本はただ、本気出してないから。それだけだったんだ。きっと。

「見つけてあげる。君のやる気スイッチ」という塾のコマーシャルがあった。
自分にやる気スイッチがあるなら、押したい。誰かに押してもらえるなら、押してもらいたい。
一体、どこにあるんだ、やる気スイッチ。そう思っていた。
つい1か月ほど前までは。

ここ1か月以内のある時点で、私はやる気スイッチを見つけたようだ。
実はもう何年も前から、ランニングを始めたいと思っていた。私には腰や下肢に不調を抱えているので、ずっとウォーキングをすすめられていたのだが、どうしても走りたかったのだ。でもやはりケガは嫌なので、ビギナーから教えてくれる教室を探した。そして一向に見つけられないでいるうちに、月日が過ぎていた。
ところが、あるきっかけで、ランニングを教えてくれる信頼できる師匠が現れた。その人のおかげで、体に不安のある私も、長年夢見てきたランニングを始めることができ、なんと皇居一周完走することができた。
ランニングのスイッチは、よき師匠との出会いだった。

断捨離のスイッチも見つけた。
私は昔から片付けが苦手だった。自分の家に帰るのが苦痛になるくらい、モノに囲まれた生活だった。しかし、ランニングを始めてしばらくして、突然片付けのスイッチが入った。これも、ランニングの師匠のコミュニティで、知り合った人たちがきっかけだった。
彼らの間で断捨離がブームとなり、みながフェイスブックのグループにガンガンと断捨離のビフォーアフターの画像をアップし始めたことが励みになった。
片付け本には「手をつけやすい衣類から始めましょう」と書いてあるものが多いが、私は一番気になっていた本から始めてしまった。けれど、思い切っていったん始めてしまうと、すぐに本棚にきちんと本がおさまるようになった。普通の人には当たり前かもしれないが、今までは本棚の前に本が山積みになっていて、棚にある本が見えないような状況だったのだ。

そしてここにきて、ついにライティングのスイッチも入ったようだ。
ライティングゼミのプロフェッショナルコースに入ったのは、私にとって本当に想定外の出来事だった。実際私は、最初に受けたライティングゼミで、破壊的に課題提出率が低かったのだ。だからプロフェッショナルコースの告知記事を見たときも、自分にはまったく関係ないとスルーしていた。
でも、敬愛する天狼院スタッフの川代さんから「プロゼミの入試受けてみませんか~?」というお誘いを受けたとき、ただ嬉しくてホイホイと「受けます~」と答えてしまった。
入試もテーマを決めてのライティングで、2時間という時間制限のおかげでスイッチが自然に入り、なんとかパスすることができた。

しかし、参加してみてわかったのは、プロフェッショナルコースの参加者のレベルはあまりにも高いということだった。
そのへんの雑誌の記事よりもはるかに良質で読み応えのあるコンテンツ。一人ではなく、全員がそんな記事を書かれている。
福岡、京都、東京、そして全国から通信で参加しているみなが「プロになりたい!」という共通の目標のもとに、講師の講義を聞き込み、自分の記事に反映し、そしてお互いの記事を読んでは切磋琢磨をしている。向上心と、熱気と、よきエネルギーに満ちている。松下村塾とはこんな感じだったのではないだろうか? と思えるような白熱した場だ。
私は息苦しくなるような焦燥感に襲われた。
プロゼミで、仲間と肩を並べられるような記事を書きたい。書けるようになりたい。その一心が、私のやる気スイッチを、やっと押してくれた。
本気を出せてない人が本気になるのには、やはりよい出会いが大切だと思えてならない。

鯨さんの本との出会い。
ランニングの師匠や仲間との出会い。
天狼院書店との出会い。
プロゼミの仲間との出会い。
本気に満ちた人ばかりの場に身を投じることが、たぶん一番早くて、効果的なのではないかと思う(もちろん、圧倒されて自信を失い、かえってやる気を失ってしまわないように、睡眠、栄養、休息を十分とって、ある程度自分の心身のコンディションを整えておくことが大前提だけれど)。

ただしそれをきちんと証明するために、私がさらに精進し、プロゼミで生き延びて結果を出さなければならないということは、言うまでもない。

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2018-04-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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