プロフェッショナル・ゼミ

パワースポット天狼院。大人になるの、楽しいよ!《プロフェッショナル・ゼミ》


*この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山田あゆみ(プロフェッショナル・ゼミ)

「多分、これから時間がなくなっていくと思うんで、大学生の今、やりたい事、楽しみます!」

英子ちゃんは、爽やかに言った。

「仕事を始めると、自分の時間がなくなっちゃいますよね。今、自分が好きな事をやらないと、と思って。」

英子ちゃんは、最近知り合ったスポーツサークル仲間だ。
試合に向かう途中の車の中で、夏休みの予定を聞いていた。
ボランティアに旅行に、楽しい予定が盛り沢山との事。

いいねー、楽しそうだね。
そんなに長い休み、なかなか取れないもんね。
思い切り楽しんでね。

そんな事を言いながら、私は自分の学生時代を思い出していた。
そういえば、私が大学生の時も、その当時の学生を卒業した大人達に、同じような話をしたような気がする。
そして、こんな風に声をかけられたような気がする。

「今しか、自分の好きなことは、出来ないんだからね。今、遊ばないとだめよ」

まるで、呪文の様に同じ言葉を何度も聞いた私は、ふむふむそういうものか、今しか楽しくないんだったら、今をとことん楽しまなくちゃとか思っていた気がする。

大人たちは、みんな忙しそうで、疲れが溜まっていて、学生の私たちを羨ましがって、学生時代を懐かしんでいた。

卒業したら、楽しくない日々が続く事になるのだから、その前に人生満喫しないと。

私だけじゃなく、周りの友達みんなも、そんな風に思っていたような気がする。

でも、働き出して大人側に仲間入りして早数年が経った今、私は、英子ちゃんの言葉に、ものすごい違和感を感じていた。

そして、ふと先日訪れた天狼院書店の事を思い出した。

私はいつも通信教育で、天狼院の講座を受けている。
私が住んでいる町には、天狼院書店がないからだ。
だけど、この間はたまたま出張で関西に来ていて、タイミングが合ったので、授業を京都天狼院で受ける事にした。

初めての場所に行くのは、いつだって緊張する。

普段、ビデオ越しに眺めている場所に、自分が入っていくのは何とも不思議な感じがした。
あの場所に、座れるなんて、なんだか夢のようだ。
でも、ちょっと怖い。

もう出来上がってしまっている「京都の方たち」の中に入っていくのは、何だか転校生にでもなったような気分だった。
馴染めなかったらどうしよう。怖い。
あー緊張する。

ちょっと怖々と、扉を開けた。
すぐに、山中さんと目が合った。
なんて、素敵な空気をまとった方なんだろう、と思った。
柔らかい表情に、優しい声。
緊張が少し緩む。

こちらですよ、と案内してもらった場所は、畳が敷かれていて、びっくりした。

部屋を見渡す。
既に座っていた皆さんが、暖かい表情でそこにいた。
なんだか、とってもほっとした。
あ、大丈夫だ。
そう一瞬で思った。
ここにいてもいいんですよ。空気がそう言ってくれていた。
みんな講義に、時々突っ込んだり、笑ったり、唸ったりしながら、とっても楽しそうにそこにいらっしゃった。
意見を言ったり、一緒に笑ったりしながら、思う。
初めて来たのに、全然初めてみたいじゃないな、と。
なんか、ここにいるだけで、めちゃくちゃ楽しいな。

なんだがすごく居心地がいい。

ここに集っている人々は、みんな同じく上手く書けるようになりたい! と同じ意志を持っている。その部分を共有している強い安心感があるというのもあるだろう。

でも、それだけではない。
全体的に漂う空気が明るいのだ。

三浦さんがいつもおっしゃっている「書くことは、自転車と一緒だ」という精神を、たぶんみんなが共有していることでこのポジティブな空気が生まれているのではないか、と思った。
みんな、一様にこれからもっと書けるはず、もっとさらにいいものを書くんだ、という希望というよりも確信を持っている感じがした。

講師の三浦さんは、何でも、時間を掛けて量をこなせばプロになれると言い切られる方だ。
今、何かが出来なくても、本気で心から、それがやりたい! よしやろう! と決めたら、あとはちゃんと量をこなすことで、出来るようになるということを、常々口にされていて、そして自ら実証されている。

そして、そんな三浦さんの姿を知っている私たちは、めちゃくちゃ頑張らなくちゃいけないけれど、時間をかけて、量をこなさなくちゃいけないけれど、これから何にだって、どうにでもなれる! という確信を持つようになっているように思う。

その確信の持ち方は、なんというかよくある無理やりやらせのポジティブ思考の仕方ではない。
自己啓発のセミナーを受けて、言わされている感を抱いたままに唱える嘘っぽい「何でも頑張れば出来る!」ではない。心から、芯から、「大変だけどやれば出来る。それだけの心構えを持って、ちゃんとやったら出来る」と思っているから、未来に対しても、明るい。
いつも「これから」に視点を置いている。

この場所に、最もそぐわないのは「悪口」とか「愚痴」とかだと思った。
人が集まると、どんどんと、マイナスな意見が膨らんでいく時がある。
人を責めたり、未来を呪ったりして進んでいく会話に遭遇することって意外と多い。
それに遭遇する度、暗い、やめてよ、そう思っていたはずなのに、気が付くと全然面白くない現状への不満とか、何の希望も見いだせない悪口の輪に自分が入り込んでいることがある。
悪口や愚痴って怖い。
1人が始めると、一気にみんなに広がっていく。まるでウィルスだ。
知らぬ間に感染してしまう。

でも、ここには、そのウィルスをばらまこうとする人がいない。
むしろ、その逆だった。
もしも嫌だとか、出来ないとか、無理とか、そう思っている人がいたら、きっとここならじゃあ、それをどうやってちょっとでも良くしようか? という明るい未来の話が出来るような気がする。
これから、どうする?
どうやって楽しく生きていく?
どうやって楽しむために、ちょっと無理しちゃう? 頑張っちゃう?

そんな空気が漂っていた。

そして当然のごとく、ここに集った大人たちは、みんなやりたい事をやっている。
誰も、やらされて書いているわけではない。
書きたいと思って、書くことを選んで、そして書いている。
そして、真剣に取り組んでいる。
みなさん、仕事も様々で、きっと忙しい。でも、それでも、そして多分それだからこそ、書くという好きな事をされている。
そして、なんだかご自分の仕事そのものに対する誇りを持っている方が多いような印象がある。
仕事も、しっかりやって、それ以外のことも楽しんで、いっぱい書いて、と、とにかく生活が充実している人が多いように思う。

そんな方々によって成り立っているこの場所は、本当に明るくて和やかで、優しい。マイナスな話や、感情が入ってくる余地がないから、なんだが健全にポジティブで、元気が出るのだった。

そうか、ここはパワースポットだったんだな、と思った。
いいエネルギーが満ち溢れている。
自然とみんなが明るい未来を思い描けるような場所なのだ。

そして、このいいエネルギーは、三浦さんの熱意によって生まれて、この場所を作っているスタッフの方によってさらに大きなエネルギーにされて、最終的には、ここに集まるゼミ生に広がって、どんどんどんどん大きくなっていっているのだ。
パワーが伝染し、その度にどんどんそのパワーの強度が増していっているのだ。

だから、ここにいると、自然に思う。
大人になるって、できることが増えることだ、と。
したい事全部、出来るようになっていくことなんだ。
自分の方法で、お金を稼ぎ、自分のしたいようにそのお金を使い、自分のありたい自分であることを選ぶ、それが大人じゃないか。
大人になるのって、楽しい。
歳をとって、どんどんと経験を積んで、知識を蓄えて、更に進化していくのだから。
やりたい事をどんどんやって、好きなように生きるように生きていくことなんだから。

ここに集う楽しそうな大人達が、示しているように。

我に返った私は、後ろの席を振り返って、英子ちゃんに言った。

「確かに、学生時代は楽しかったよ。だけどね、その後だって、めちゃくちゃ楽しいから。やりたい事もどんどん出来るから。その点は心配ないよ」

英子ちゃんは、驚いたような不思議そうな顔で、こっちを見ていた。

***

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