家計簿が教えてくれる今
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:金子佳美(ライティング・ゼミ日曜コース)
「家計簿をつけているの?」
母に聞くと「つけてないけど、レシートでだいたいわかるのよ」
小さい頃はすごいなぁと思っていた。
私は、おこづかい帳を親に言われるでもなく、ずっとつけていた。
結婚して、所帯を持ち始めてから、憧れの家計簿とやらをつけ始めた。
最初は手書きでノートに書いていたが、
パソコンでの家計簿ソフトのほうが、打てば響くの如く、
入力しただけであらゆる計算をしてくれるので
使い始めて、かれこれ17.8年になる。
「いつの間にか財布のお札がへっているわ」という会話が漏れ聞こえてくる中
何に使ったかわからないような使途不明金と言われる出費がほとんどない。
という事を話すと、主婦の間でも「へぇー」とまるで、別の世界の人間でも見るような返事が返ってくる
多くの主婦たちが、面倒がる家計簿を私はつけていると自覚した。
料理好きの主婦にはかなわない、料理が苦手なのに毎日、苦も無くこなしている主婦のほうが私にとっては別世界の人間に見える。
家計簿の管理は私の日常になっている。楽しいのだ
家計簿ソフトが便利なのは、一目で全財産を把握できるところだ。
「今どれだけのお金を持っているのだろう?」という不安を抱えながら日々過ごすことが
とても嫌なので、いつでもわかるというのが安心なのだ。
レシートはソフトに入力したらすぐに捨てるので、財布の中はいつもスッキリしている。
そういえば母の財布はいつもレシートでパンパンだった。
今にして思えば、母はどんぶり勘定していたことが分かった。
だからかなりの無駄な買い物にあふれていた。
家計簿ソフトが銀行の窓口代わりにもなっている。
銀行口座の引き落としの管理をしてくれているからだ。
危うく、クレジットカードの支払い期限に口座の残高がないと、後で延滞金を取られてしまうが、パソコンですぐに確認できるのもいい。
日記の代わりにもなる。「あれはいつ行ったっけ?」と家族から前回行った旅行のことを聞かれたときも、家計簿を見るとわかる。
買い物履歴もわかる。「あれいつ買ったっけ? 随分長持ちしてるよね?」の答えもすぐに出せる。
月々の食費や外食費を比べながら今月は使いすぎたな? とか外食しすぎたかな? というデータをもとに日々の生活を決めることができる。
家計簿ソフトで管理し始めた当初、間違えて全データが消えてしまった時があった。
ものすごいショックで、本当にうなだれてしまった。腕の重みを感じる位、落ち込んだ。
でも必ず復活させてやる! ……と寝ることも食べることも惜しんでやり直した。
それからはバックアップを欠かさずに、毎年データが積み上げられている。
その積み上げられたデータを見ながら、発見したことがあった。
底値で買ったシャンプーやリンス、洗剤などの消費期限のない消耗品。
いつしかそれらをストックとして置く場所が満員になってくる。
安い! 特売! につられてかう食材の数々。
それで月々の食費が減っていくか? というとそうでもないのである。
ある時は消費税が上がる前に、買っておかなければ損! という思考が働いて買ってしまった消費期限のないシャンプー、リンス類は3年分くらいストックがたまっていた。
そんなに大きな家に住んでいるわけではないので、ストックを置いておく場所も必要になる。
今度は早くその場所のスペースを空けたいと思い、使い切っていくのにストレスを感じてきた。
これって本当に得しているのかな? と考えて翌年は、安い! 特売! につられないで、常にストックは1本というルールを決めてみた。
なくなりそうになったら安いタイミングで1本買うだけにした。
そして家計簿で調べてみたら、金額的におおきな違いがないことがわかった。
安い! 特売! につられて買い物しに行く時間と、ストックを置くための場所が無駄だとわかった。
そして時間と場所を手に入れることができた。スッキリとした空間を手に入れると思考もクリアになってくる。
そして買うものがはっきりしてくる。
お金が出ていくときには3つの分かれ道があるようにおもった。
投資という自分を成長させるもの
消費という今必要なもの
浪費という当面買わなくても済むもの
これに当てはめたら、格段に浪費がなくなっていることに気が付いた。
そして投資したものはもどってくるようだ。
例えば、主婦が料理教室に行って料理の腕が上がり、家族にそれをふるまうと、働いて稼いでくる夫がやる気を出す。そして収入アップ
そんな実感はないと言われる人に反論はしないが、人は与えられていることに気が付かない事が多い。
今、自分に与えられているものを振り返ってみると、もしかしたら浪費をしなくなるかもしれない。
今という自分が何がしたいのか?がわかると、投資するようになるかもしれない。
そして今自分に必要な物を消費していく。
今の自分を大切にしたら、お金も上手に使えそうだ
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