ふるさとグランプリ

おいしくて、おいしくて、たまらない《ふるさとグランプリ》


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記事:ちくわ(ライティングゼミ 日曜コース)

 
 
スーパーへ買い物に行く。
売り場に、たどり着くと、お目当てさがしに野菜コーナーへ一直線。
 
今日の価格は、一袋、全て298円均一。
袋には、小ぶりの大きさが5~6個入っている。
 
「産地は記載してあります」と書かれた札の下に、いろんな産地のものが、ごっちゃりと混じっている。
 
私は、袋に記載された産地をしっかりチェックする。
お。見つけた、これは佐賀産だ!
つややかな茶色の皮を身にまとった、佐賀産たまねぎ。
 
私は、たまねぎ買うとき、あえて自分の地元である佐賀産を選ぶようにしている。
袋詰めで個数が他より少なめだったとしても、割高だったとしても、佐賀産を買う。
 
東京で、あまり佐賀の名前は見ない・聞かない。その分、「佐賀産たまねぎ」という段ボールや、佐賀産!と書かれた札を見かけると、急に親近感が芽生える。
そして、もやっとした湿った感情が湧き出てくる。
 
佐賀で生まれ育ったという妙な同郷意識からだろうか。
たまねぎを、かわいい後輩たちとして、見てしまう。
 
地元から離れてずっと暮らし、しかもあまり地元に帰れてない負い目があると、
地元産のものを知らず知らずのうちに、さがしてしまったり、地元びいきで買ってしまったり。そんな経験は、誰しもあるのではないだろうか?
 
もちろん、ひいきで買ってしまうのは、懐かしい感情だけが理由ではない。
何より、佐賀県のたまねぎの味が、とても美味しいからだ。
 
佐賀県は、北海道に次いで、全国2位のたまねぎ産地。お米の収穫後に栽培する作物として急増したのが始まりといわれている。
佐賀平野は、ミネラル分が多く含まれる土壌のため、たまねぎの栄養価も高くなる。さらに、甘みが非常に際立っているのが特徴だ。
 
私が幼い頃から、ずっと甘いたまねぎを食べていた記憶しかない。
生で食べても、甘いことが普通だったので、別の産地のたまねぎを切って食べたとき、辛くて驚いたことがある。
 
飛行機だろうか、車だろうか。
佐賀で伸び伸び育った君たちは、土地勘もない東京へ、はるばるやってきたんだね。上京して間もないだろうから、寂しくないのかな。
買った後、私は結局食べてしまうのに、ちょっとだけ先輩面した感情移入をしてしまう。
 
東京のスーパーは、佐賀に比べて売り場スペースは狭いところが多い。しかも、オシャレな野菜たちが全国から集まってくるから、野菜だけでもライバルが多い。そこに産地のライバルまで加わる。目立たない色。声をあげることもできないから、誰かに買ってもらえるのを静かにじっと待っている。なんと、けなげだろう。
 
袋に、ぎゅうぎゅうに詰められた、たまねぎたち。
じっと見ていたら、満員電車に慣れない、上京したての就活生にも見えてきた。
私もそうだった。就職活動で、はじめて東京に来たとき、電車が待っても待っても満員で混んでいて、見ているだけで疲れた。今でも通勤の際、満員電車は苦手だし、嫌な感情しかない。たまねぎたちも、袋から早く解放されたがっているのではないか。人ごみに慣れない田舎気質を、私からは感じ取ってしまう。
 
たまねぎは、メインの具材というより、メインをサポートする役割が多い。すぐ溶け込む能力がズバ抜けている。馴染んでどんどん吸収しようと、努力する。働くために上京したのだ。必死で働く。
 
生だったら、サラダにいれて。ドレッシングにもなって。炒めたら甘さを存分に発揮する。カラッと揚げたらサックサク。スープで煮込んだらとろっとろで、優しい味を出す。
みじんぎり、くし型、輪切りなど、切り方で食感が異なる楽しみ方ができる。皮でさえ、お茶やダシにもなるし、染物にも活用できる。目立たなくとも万能で便利。しかも価格の優等生。お財布に優しい価格で安定しているので、量のカサ増しにも貴重な戦力となってくれる。
社会で働いたことがない就活生は、入社したらまず、大半の人は、派手な仕事は任されないかもしれない。でも可能性は無限大に秘めていて、どこの家庭に就職して、調理されるかによって、今後の活かされ方が変わってくる。どう我が家に就職してくれた新入社員を扱うか、自分にかかっている。
 
あえて欠点をいえば、包丁で切る際に、人を「泣かせて」しまうことだろうか。新鮮であればあるほど、涙を流さずにはいられない。
そして、常温でも日持ちしてくれるが、あまりにも日が経つと、自分は使われないのでは・・・・・・と不安になって、殻に閉じこもったかのように、皮がどんどん厚くなる。食べられる部分が小さくなって、中身も腐ってくる。
一生懸命頑張るけど、ちょっと厄介。そんなところも、私はまた、かわいく感じてしまう。
 
ころんと丸くて、すべすべした肌。みずみずしさもあいまって、純粋無垢な「若さ」を感じずにいられない、たまねぎ。
これからも続々、新入社員が我が家に入社し続け、活躍してくれるだろう。
 
さて、今日は何をつくろうかな。
 
 
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