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ふるさとグランプリ

ありのままの自分なんて、ない。そろそろ目を覚まそうと思う。《ふるさとグランプリ》


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:森中あみ(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「……完璧主義なんですよね」
 
テレビを見ていて固まった。もっと優しい言葉を待っていたのに。相談した本人も、「あ、そうかも……」と納得しようとしていたけれど、目が笑っていなかった。
 
テレビで、最近結婚したモデルさんがスピリチュアルカウンセラーの江原啓之さんに悩み相談をしていた。幸せそうで、なんの悩みもないように見えるのに、「人前で自然体でいられない」との相談。それに対して、3秒くらい間をおいて、ばっさりとあの答え。
 
ばっさり過ぎて、すぐには意味がわからなかった。だけど、なんのオブラートにも包まれていない「本当」を言われたのはわかった。もうそれ以上言わないでくれ。キズをえぐらないでくれ。たった15分の番組なのに、閻魔さまの前に正座させられてる感じだった。逃げたいのに、テレビの前から動けなかった。
 
4日前から、娘を連れて実家に帰ってきている。5年前まで30年近く住みついた実家。ひさしぶりにトイレに入ってもなんの違和感もない。すべての家事を放り投げられる実家に帰るのはたのしみで仕方がなかったのだけど、ひとつ気がかりなことがあった。それは、実家の雰囲気に飲まれること。京都で夫と娘と過ごしているときは、コーチングを受けたり、ライティングの勉強をしたり、わりとアクティブな気持ちでいられるのに、実家にいると、すべてがおっくうになる。そんなにがんばらなくてもいいんじゃない? ゆっくりしなよ。ありがたい言葉なのに、それに甘えてしまうと世間からおいてきぼりになる気がする。自分だけ進化してないみたいな。
 
それが実家のよさなのかもしれないけれど、京都にいるときのわたしと、福岡の実家に帰ってきたときのわたしが分裂してるようで怖い。それが、「自然体でいられない」という悩みと同じだった。言いかえれば、どっちが本当のわたし? ありのままでいたいのに、わからない! というような。
 
占いやスピリチュアルな話は、昔からだいすきで、こーゆー悩みにはいつも、その人にしかわからないトラウマがあって、それを優しくひもといていくことで、最後には泣きながら、「素直になります」なんて、共感できるしめくくりのはずだった。
 
だけど、今回はまったくちがう。「おまえの完璧主義がいけなんだ!」と一刀両断。それが本当の答えであるのは、自分が一番わかった。言葉にするのはむずかしいけれど、わたしなりに解釈してみるとこんな感じ。自然体とはつまり、どんなときも同じ状態の自分。誰が目の前にいても、まわりがどんな状況であっても。でも、よく考えたらそんなことありえない。まわりの状況にあわせて、臨機応変に変えていけるのが大人の対応。ありのままでいいのは赤ちゃんだけ。
 
自然体でいたいのは、言いかえればワガママ。自分が気持ちよくいたいだけ。ほんとうは相手に合わせるなんて、めんどくさい。すばらしい(と思っている)自分をいつだって受け入れてほしい。だけど、そうして嫌われるのがこわいから、周りに合わせる。そのひとつひとつの言動が、その場にぴったりだったのか、すばらしい自分を演じられたのか、常に気にしている。完璧を目指している。だから、ほんとうの自分じゃない気がして、自然体でいられないという悩みになる。「完璧主義なんですよね」をもっと突き刺さるように言い換えると、「完璧な自分を目指すなんて、バカげた主義をやめれば、そんな悩みなんて消えるよね?」となる。
 
そのモデルさんは、はたから見ればモデルとしての地位も築いているし、好感度も低くないし、上々でしょ、と思える人。それなのに完璧主義がゆえに、もっと自分をよく見せようとして人生に満足できてないんだとしたら、めちゃくちゃもったいない。美貌もスタイルも、幸せな生活も手に入れているのに、いつも「ほんとうのわたしじゃない」て思いながら生きるのって……。
 
自分におきかえれば、京都でも福岡でも、わたしを受け入れて自由にさせてくれる場所があるのに、「どっちが本当のわたし?」だなんて、本当にバカだ。どっちもお前なんだよ! うだうだ言ってないで、たのしく生きろよ! やっと納得できる答えが見つかった気がした。
 
ありのままの姿みせるのよ
ありのままの自分になるの
 
こんな歌、流行りましたよね。当時は、「やっぱりね!」と主人公のようにいつの日か生まれ変わる自分をイメージしては、現実に不満をいうだけだった。だけど、ありのままの自分なんて、いない。今、ここにいるわたしがすべて。ありのままを目指し続ける限り、ほんとうのわたしを探し続ける限り、人生の時間をムダにしていくだけ。そんなのもったいない。
 
少しも寒くないのは、まわりを見ていないだけかもしれない。そろそろ、目を覚まそうと思う。
 
 
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