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美術館でうつらうつらはあなたの仕事の創造性も高める


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:本多俊一(ライティング・ゼミ平日コース)

実は、できればそんなには働きたくないと思っている。
一方でずっと働いていられる、とも思っている。

フリーランスという立場は自分のペースで動ける分、リミッターも自分自身なので案外ハンドリングが難しい。単純に自分がやる意味がはたしてあるのか……という案件は、諸般の都合上必ず存在するが、そういうのは今年度こそ去年よりも減らしていこう。

新年度を迎えてあなたはどうだろうか。

企業に所属していてももちろん自分のペースというのは大前提であると思うし、むしろ組織体であるほどその人の得意・不得意によってキチンと采配をとるべきだと思うが、なかなかそんなに単純でもないのが悩ましい。
個人事業だろうが組織事業であろうが、結局はみんな同じだ! ということで、いずれにしても消耗する時はする。

そんな時に自分は「美術館に行って昼寝」をする。
あるいはアイディアに行き詰まったみたいな場面でもこれはとても有効だと思う。

美術館で居眠りするのは仕事に役立つための効果と効能があると数年前から考えて、企業に所属していた前職の頃にもたまに強制的に半休取ったりしてあちこち行っていた。

美術館、は一番オススメするところであるが、好みにより博物館でも映画館でも館の付くところなら良い感じだと言える。水族館もいい。

ポイントは、できるだけ「大きな空間」として外から区切られていることが、大きければ大きいほど「大きな隔たりをもって日常と切り離されている」そんなイメージ。
たとえば「雄大な自然」を目の当たりにしたとき人生観変わってしまうくらい感動した人、みたいな、そんなことに近いのかもしれない。東京……日本そのものを飛び出していければきっとその方が良いと思うけど、でもなかなかそうもいかない、ということで、そんな「館」がつく施設は身近な非日常なのである。

そんな中で、特に美術館を推すのはそこにさらアーティスティックな空気が充満しているから。さらに美術品は古典であれば長い歳月をかけて受け継がれてきた歴史やストーリーがある。そこには実に多くの思念(怨念?)がこもっている。
映画館の映画とかももちろん物語があるものだけど、基本的にスクリーンにかかっているのは新しい作品だし上映時間が明確に設定されているので、自分の呼吸やペースとは必ずしも一致しない。よくあるアメコミヒーロー映画みたいな感じでわかりやすくワーーってなるのもスカッとするので時に良いと思うけど。

もっとこう長いスパンで効いてくるのを得るということで。

そこで「昼寝」である。

美術館といえば、基本的には絵画ないし作品を観覧しに行く場所なので、視覚的に入ってくる情報に刺激を受けて感性に響くというものである。しかし「観て感じている」のは、けっきょく脳は動きっぱなしで、満足感は得られても体力は使ってしまいそれなりに疲れる。

さて、そんな館内にはけっこう休憩用のベンチやソファがある。
そこに腰掛けてうつらうつらとするのである。

もちろん、あからさまに横になってはいけない。ゴロンとなったらさすがに学芸員の人が「ちょっと……」と飛んできて、場合によっては「お具合が悪いのですか?」などと逆に面倒なことになる。

背もたれなどあったら良いけど、腰掛けたまま完全に寝落ちしない程度に浅く、周囲の空気の流れを感じながら目を閉じる。目を閉じてその場所の大きさも感じながら身を委ねていく。
すると、本来「見る」行為をする場所の中であえて見えない(見てない)という行動をしていることが、その認識のギャップにより脳はそこを埋めようとするのか、その場所の隅々まで感覚が拡がっていくような感触を得られる。

むしろ見て理解して解釈しようとする方が知識とかがないと分からないことも多いので本質にたどり着かないまま満足してしまいそう。表面上見えていることだけに囚われない方が本来あるナニカにたどり着けるかもしれない。

もっと言ってしまえば、入場料払って中にいなくてもいいのである。ロビーやエントランスのホールにもちょっとしたスペースはあったりするので、ちょっと立ち寄った程度の時間でも十分体感できる。瞑想のような自己リラクゼーションが目的なのだから。
個人的には東京六本木の新国立美術館や有楽町の国際フォーラムが建築物的にも好きで良くいく。現在大規模改装中の東京都現代美術館のソファは特徴的でよかった。

いずれにしても日常の喧騒から強制的に離れて15分でも30分でもそんなふうにしてみれば、場の空気に引っ張られて、ましてそれがアートな空間であれば、思考がアーティスティックに感化されて想像力が拡がって、リフレッシュする以上にあなたも仕事の創造性もきっと拡張される。

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2018-04-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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