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高野山で学んだ「不安がなくなる」意外な方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:諏訪太郎(ライティング・ゼミ平日コース)

 
 
「どうしよう……」
 
またしても問題が発生した。
心配性の私は、大きな問題が起きると悪い方へと考えてしまう。
そうなると仕事中はもちろん、家でゆっくりしていても、遊んでいても、不安が頭から離れなくなる。
不安な事の9割は起こらないと言われるが、そんなことは分かっている。
頭では分かっているけど、不安な気持ちは無くならないのだ。
 
私だって、出来れば楽しく過ごしたい。
不安を抱えて過ごすのはごめんだ。
だから、不安を解消するために色々な事を試してみた。
 
「問題が起きて良かったとポジティブに考えよう」と本に書いてあれば、それをやってみた。
「不安な事でなく、何をすべきか考えよう」と友達に聞けば、それをやってみた。
「この困難を乗り越えられると10回唱えよう」とインターネットに書いてあれば、それをやってみた。
 
色々な方法を試す中で、不安が軽くなることもあった。
でもそれは一瞬のことにで、すぐに不安が押し寄せてくる。
不安を感じるのは私の性格だからしょうがないと半ば諦めていた。
しかし、意外な事から不安を無くすヒントを得ることになる。
そのヒントは、弘法大師が開いた聖地の1つである高野山にあった。
 
「それでは、目を開けてください」
 
静まり返った本堂に、住職の低い声が響き渡る。
1時間の阿字観(瞑想)が終了した。
 
私が初めて高野山を訪れたのは5年前。
初めて阿字観を体感して以来、阿字観の虜になっていた。
 
「高野山で阿字観をすると瞑想に深く入れますよ」
 
高野山以外で本格的な瞑想をしたことがない私には、高野山とそれ以外の場所での違いは正直わからない。
でも、高野山で瞑想をすると、意識があるようで、意識がないという不思議な状態になる。
そして、阿字観が終わった後は、不思議と気持ちがスッキリした。
嫌なことがあった時も、嬉しいことがあった時も、阿字観をすると心がフラットになった。
 
阿字観をする時に大切なのが呼吸法である。
普段、私たちは、無意識に鼻から息を吸って鼻から吐いている。
しかし、阿字観の呼吸法は鼻から息を吸って口から吐く。
簡単なように思えて、実際にやってみると意外に難しい。
意識しながら呼吸をしないと、すぐに通常の呼吸に戻ってしまう。
 
この呼吸法を生活の中に取り入れることで、気持ちがスッキリするのではないか。
そう考えた私は、歩いて30分ほどの会社までの道のりに、阿字観の呼吸法を取り入れみた。
すると驚いたことに、呼吸を変えるだけで色々な成果が出た。
 
呼吸法を変えてすぐに出た成果は、姿勢が良くなったことだ。
問題を抱えている時に、阿字観の呼吸法をすると苦しく感じた。
「あれ?」と思い、色々と試している中で気がついたことがある。
それは問題を抱えている時は、無意識に下を向いて歩いていることだ。
下を向いているから呼吸がしにくかったのだ。
阿字観の呼吸法を続けるには、座禅をしている時のように、きちんと顔を上げて、背筋を伸した姿勢が最適だ。
阿字観の呼吸を続けることで、自然に頭が上がり、上を向いて歩けるようになった。
 
また、阿字観の呼吸法をすることで、問題について考えなくなった。
普段なら問題が起こると、実際には起こらないであろう不安な事を考えながら歩いていた。
「どうしたらいいんだろう」、「こんな風になったらどうしよう」。
こんなことを考えていると、家につく頃には大ごとのように思えてくる。
自分で自分の首を絞めていたのだ。
しかし、阿字観の呼吸をするようになってからは、呼吸がきちんとできているか意識しながら歩いている。
呼吸をすることに集中しているので、不安な事を考えずに済むようになった。
 
 
最後に、阿字観の呼吸法を続けることで気づいたことがある。
不安に感じている時は、たいてい呼吸が浅いということだ。
いつもの1/2ぐらいのテンポで呼吸をしていたこともあった。
しかし、無意識で呼吸をしている時には、そんな自分の体の変化にも気づいていなかった。
意識しながら阿字観の呼吸をすることで、いつもの自分のテンポが分かる。
いつもより呼吸のテンポが速ければ、いつものテンポに合わせる。
そうすることで、意識的に体のリズムを整えることが出来るようになった。
 
でも、これらの成果は偶然起こったわけではない。
なぜなら、心と体はつながっているからだ。
「心」が痛みや苦しみを感じると、「体」の調子も悪くなる。
「体」の調子が悪くなると、「心」も痛みや苦しみを感じる。
まさに、「心」と「体」は2つで1つなのだ。
 
だから、「心」を変えようと思ったら、直接「心」を変える方法だけでなく、「体」を変える方法もあるのだ。
でも私たちは、「心」を変えようと思った時には、「心」にフォーカスをしてしまい、「体」のことを忘れてしまう。
 
「上を向いて5分間、「あー」と声を出してみましょうね」
 
これは、うつ病患者向けの病院の治療法だ。
体の使い方を変えるだけで、軽度のうつ病は治ってしまうのだという。
 
自分の「心」は、目に見えないので変えることは難しい。
でも、「体」の使い方は、目に見えるので簡単に変えられる。
だったら、まずは簡単な方からやってみませんか?
そうすることで、早い時間で自分を変えることが出来るでしょう。

 
 
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2018-06-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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