それでもなお「恋」について考えるのであれば《天狼院通信》
おはようございます。
今日も朝天狼院独り占めですでに稼働中でございます。
今の僕は、おかげさまでことのほか忙しい。
これからは、もっともっと忙しくなっていくでしょう。
本当にありがたい限りです。
起業した当初、絶望しながら眠ることもできずに朝まで天井を見上げていたころ、こんなにも忙しくなるとは、思ってもいませんでした。
「忙しい」とはとてもいいことで、余計なことを考えなくなります。そもそも時間がないので、余計なことを考えずにすみ、本当に大切なことだけを考えるようになる。時間がないなかでも、考えなければならない、考えたいと思っていることだけが頭の中に残る。
勝手に、スクリーニングがかけられるわけです。
たとえば、愚痴や自分ではどうしようもないことで悩むことは、必然的になくなるし、羨望している暇も、嫉妬をしている暇もなくなります。
そして、今、本当に考えなければならないことだけを考えるようになる。
自然とそれに集中できるようになります。
透徹としてきて、答えが導き出せるようになる。
よく覚えているのですが、3月22日、豊島公会堂で天狼院の映画を公開したあの日、僕は徹夜明けで麻布のスタジオから天狼院に向かっていました。前日からスタジオにこもって、映画の整音作業に立ち合っていたのです。今だから言えることですが、映画『世界で一番美しい死体〜天狼院殺人事件〜』が完成したのは、公開日当日の午前11時のことでした。
もう完全に明るくなった時分、一緒に立ち合ってくれていたOさんと一緒に池袋へと向かう電車に乗ったのですが、何かの話の中で、僕はこんなことを言っていました。
「そもそも、恋愛とか、悩みなんて、暇だからできることだと思うんです」
真実、僕には悩んでいる暇などなく、真剣に恋愛に向き合う時間などありませんでした。
僕は自分が言ったことが、真実だとその当時は思っていました。
その当時と言っても、最近のことですよね。
Oさんは、それを肯定せずに、困ったように笑っていた記憶があります。
でも、今、僕は思うんです。
もう寝る間もないくらいに忙しい中で、
重要なことだけを考えなければならない状況の中で、
それでもなお「恋」について、ときおり、考えるのであれば―
もし、そんな中でも、頭に残る「恋」があるとすれば、おそらくきっと、いや、絶対に、それはもう自分の全生命が必要としている「恋」ということになる。
夢に向かう透徹な想いや意志がところ狭しとひしめき合う頭のなかで、その「想い」が消えないのだとすれば、それと同じくらいに大切なことだということになる。
今度、Oさんに会うときには、こう伝えようと思います。
あの日、電車の中で言ったことですが、僕が間違っていたようです、と。
ああ、とOさんは笑うことでしょう。
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