【トイアンナ氏特別寄稿】それってモラハラ!? 10個のチェックリストで判る彼の本心と対処法《天狼院プロフェッショナル》
[ モデル 茜さや ]
本稿は『恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?』(光文社新書、トイアンナ著) の中から一部を改変・抜粋したものです。
普通に付き合っているつもりだったのに、実は彼「モラハラ男子」だった。そんな事例をチェックリストと共にご案内します。
■確認しよう、モラハラ男子10カ条
あなたの彼に、こんな言動はないでしょうか。
【モラハラ男子にありがちな発言】
・「本当は浮気していなくても、浮気を疑わせたお前にも責任がある」
・「別れたい? 俺はいいけど、いきなり言い出すなんて大人としてどうかと思うよ?」
・「お前を大事にしてやっているのに、なんでそんなワガママ言うわけ?」
・「俺の発言が、お前のためだってわかってるよね?」
・「信頼を損ねる行動をしたのはお前だよな? どうやったら俺にもう一度信頼してもらえるか自分で考えろよ」
【モラハラ男子にありがちな行動】
・彼女が他の男性と仲良くしていたら、すねて口をきかない
・彼女がイラッとくる発言をしたら、デートの途中でも帰る(帰ろうとする)
・家事が行き届いていないと、怒りを露わにする
・他の人と連絡を取っていただけで、あなたの携帯電話を奪ったり番号を消そうとする
・理想の女性像を引き合いに出し、比較してあなたを貶す
モラハラ男子は、恋愛関係において「お前が悪い」というメッセージを与え続けることで、女性をコントロールします。
自尊心が低い女性は親から「お母さんから信頼を勝ち取るために努力しなさい」と一方的に関係構築の責任を背負わされてきたケースが多く、モラハラ男子の発言にも納得してしまいやすいのです。
■モラハラ男子は不安でいっぱい
インタビューをしていると、モラハラ男子は被害者の女性よりも大きな不安を抱いているように思えます。女性を貶めて、「私が悪かった。ごめんなさい、見捨てないで」とすがられることで、自分を確かめているのです。本当は謝られるより、弱い彼ごと認め、受け入れてほしいのに……。
この不安の背景をヒアリングで探ると、これまた親子関係の不和が見られることが多くあります。
たとえばあなたが、幼少期から「お前はダメな子だ、どうして俺に似ないで育ったんだろう。本当に俺の子なのか?」とか、「内申点が平均三だなんて、信じられない。学校行ってる価値ないだろ? お前に払う飯代がもったいないから給食費は振り込まないぞ」などと言われて育ったらどうなるでしょうか?
もしくは、自分がいじめに遭って不登校になった時、親から存在を無視されて、親戚の前で「うちに子どもはいません」なんてことを言われたら?
以上三つは、実際モラハラの加害者となった男性が語ってくれたエピソードです。モラハラ男子もまた親から学んだ人へ愛情を伝える方法を、女性へ反映していると言えます。
また、刷り込まれてきた人間関係のパターンという意味では、家庭環境以外でも、幼稚園
時代や親戚との関係、学校生活で教師から受けたモラハラ体験なども、彼らを加害者にする要因になりえるでしょう。
モラハラの被害に遭った女性からすれば、加害男性は許せない存在かもしれませんが、個人的には被害に遭った女性にも、モラハラをしてしまう男性にも「辛かったのによく今まで頑張りましたね」と思わざるをえません。
モラハラ男子は親から共感された経験が乏しく、その結果、他人へ共感する能力が育っていないケースが多いようです。
■モラハラ男子も無意識に相手を操作してしまう
本人もどうしたらパートナーを信頼できるか見えないまま、こんな自分は見捨てられてしまうのではないか、愛される価値などないのではと苦しんでいるからこそ、相手をマインドコントロールして関係を保っています。
健全な女性は自分へ危害を与えかねない男性を第一印象で見抜きます。自分を認めず、貶すことで優位に立ち、寂しさを満たそうとしていることを看破してしまうので、恋愛関係となる前に関係をフェードアウトさせられるのです。
会社の上司など、どうしても逃れられない環境でモラハラの被害に遭った場合も、転職や内部上申など、正攻法の手段を取ってモラハラから逃れています。
■社会生活が送れないレベルまで支配する「束縛男子」
世の中には、「当然の権利として彼女を束縛する男性」もいます。
束縛男子は「自分は自由奔放に浮気をしても、彼女には無許可で遊びにいくのも許さない」といった不公平な関係を作ったり、普通の社会生活が送れないレベルまで束縛したりする男性です。その意味で、モラハラ男子の一類型と言えるでしょう。
ここでご紹介するのはある知人のエピソード。彼は付き合った当初まったく束縛しないタイプでした。しかし同棲している彼女が男友達に家まで車で送ってもらった夜を境に豹変。
彼は泣きながら、「お前絶対浮気してるだろ! そうやって俺を裏切るのか!」と激昂。花瓶やワインボトルを投げつけて暴れた翌日には、彼女の携帯を全部チェック。門限は九時、飲み会でも電話に出なければGPS機能を使い、迎えに来るといった過剰な束縛を始めました。
当然ながらそんな関係はうまくいかず、三カ月後に彼女から別れを切り出されたそうですが、「やっぱり浮気していたのかよ!」と彼は怒り、「浮気相手なき修羅場」と化したそうです。
「家の壁が、彼が投げたものでボコボコだからポスターをたくさん貼って隠してるんだよね」。逃げ出した彼女は疲れた笑顔で語りました。
こういう男性は、付き合った当初は対等な関係を築きながらも、「相手が浮気をしているかもしれない」とか「自分が傷つけられた!」と感じたタイミングで大爆発します。付き合った当初は普通の男性なので、女性側はなかなか見抜くことができません。
■モラハラ男子の「寂しさに苦しむ過去」へ共鳴してしまう
部屋をボコボコにした彼は、母親が幼少期に結核で長期入院しており、ずっと寂しい思いをしていたと涙ながらに語っていました。
このような「束縛男子」からは、現実的に母親が不在でなくても、兄弟に病弱な子がいて自分はあまり構われず育ったというような「母親の愛情が必要な時期に寂しい思いをした」エピソードが出てきます。
男性に束縛傾向が出てくるのは、「自分から告白して付き合いが始まったものの、彼女が本当に自分を好きなのか確信できない状態」や、「収入や社会的地位などで自信を持てない時に、自分より格上の男がいたら彼女がそちらになびいてしまうんじゃないかという不安がある」といった場合です。
そういう男性は、「自分のほうが彼女を好きなこと」がバレると、彼女の心が離れていくと思っているのでストレートに気持ちを伝えられません。その結果、束縛男子は突然不機嫌になったり、強引な束縛を始めたりします。理由を話してくれることはまずありません。
もし女性側に余裕があるならば、彼が束縛してきた時に「私があなたから離れることはないから安心して」と率直に伝え、その上で、誰かと出かける時には、名前と自分との関係を明らかにし、帰りの時間も伝えてみましょう。
女性側が「浮気相手じゃないし、そもそも異性じゃないこともあるんだから、誰と出かけるかなんて言わなくていいや」と思っていても、束縛モードの男性は、「やましい思いがあるから、今日会う人間の情報を話さないんだな」と勝手に妄想してしまいます。
語らないことで不信感を招くのであれば、きちんと伝えたほうがいいですし、「あなたも一緒にいく?」と、あえて誘ってみるのもひとつの手です。そこまで言えば、「あ、本当にやましい思いはないんだな」と安心して送り出してくれることも多いようです。
束縛男子は、「何があっても彼女は自分を好きでいてくれる」と確信できるまで、なかなか嫉妬心を捨てることができない状態です。そんな彼を愛し続けたいのであれば、辛抱強く付き合う必要があります。
そうまでしてもなお、激しい束縛が続く場合は、あなたに見捨てられる不安が強すぎて、自分をコントロールできていない可能性があります。あなたの身を守るために、一度距離を置くか、専門機関へ相談してみましょう。(トイアンナ)
■筆者紹介
トイアンナ:ライター・性暴力防止団体「サバイバーズ・リソース」理事。慶應義塾大学法学部卒業後、外資系企業にてマーケティングを約四年間担当。業務や独自の活動で「キャリア」「不倫女子」「風俗嬢」などをテーマに500名以上からヒアリングを重ねる。現在「ありのままの自分を愛する自尊心の育て方」をテーマにさまざまな媒体で執筆中。
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トイアンナ:ライター・性暴力防止団体「サバイバーズ・リソース」理事。慶應義塾大学法学部卒業後、外資系企業にてマーケティングを約四年間担当。業務や独自の活動で「キャリア」「不倫女子」「風俗嬢」などをテーマに500名以上からヒアリングを重ねる。現在「ありのままの自分を愛する自尊心の育て方」をテーマにさまざまな媒体で執筆中。
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