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天狼院プロフェッショナル

【トイアンナ氏特別寄稿】なぜ不倫はやめられないのか? 不倫を続ける彼氏彼女の恋愛地獄インタビュー《天狼院プロフェッショナル》


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[ モデル 茜さや

本稿は『恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?』(光文社新書、トイアンナ著) の中から一部を改変・抜粋したものです。

 

不倫女子はなぜ、不倫をしてしまうのか。そしてなぜ女性を傷つけるとわかりながら男性は傷つけてしまうのかをインタビューしました。

 

■愛されない女性はパターン化できる

同じような恋に苦しみ、前が見えない。そんな方を本『恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?』では「恋愛障害」と呼んでいます。

現在、多くの若者が恋愛障害を抱えており、その要因の多くは親や周囲の人から受けた「愛情パターン」にあります。人は愛し方を周りから教わるもの。幼少期に愛情不足などを感じていると、自分の恋愛でも相手へ過去を取り戻すように、つらい恋愛を繰り返しやすくなります。

もし読んでみて、「これって、私のことかも」「今の私の状況と似ているな」と思ったら、あなたも恋愛障害かもしれません。

まずは、辛い恋愛の代表ともいえる不倫女子から話を聞いてみました。

 

■不倫やセフレになることも恋愛だと思っている女子とは?

恋愛経験のほとんどが不倫に占められているか、誰かのセカンドでいる女性は、二〇代の早い時期から、「口説いてくる男は既婚者ばかり。きっと私には普通の恋愛ができないんだ」と思い込んでいることがあります。

しかし、真実は逆です。そのような女性は、不倫していることや都合のいい女にされていることを日ごろからオープンにしていて、男女問わず、いろんな人へ相談する傾向にあります。

あなたの相談を受けた健全な男性は、「不倫するような子はちょっと……」と考え、恋愛対象から外していきます。

そして、「あなたが誰かのセカンドでも気にしない人」つまり既婚者だけがあなたを口説いてきます。本命の彼がいるなら、あなたとの将来に責任を取らなくていいと考えるのです。その結果、「私を口説きにくる男性は既婚者ばかりだ現象」が発生します。

といっても、すべての「不倫女子」「セカンド女子」がこうではありません。不倫やセフレを踏み台にして男心を学び、さらにステキな本命男性を手に入れる女性もいます。しかし、最初から不倫にどっぷり依存してしまう女性もいるのです。そんな「不倫女子」の言葉に耳を傾けてみましょう。

サキさん(仮名)は、ある化粧品ブランドの美容部員。二〇歳のころから現在まで約五年間、文壇のとある有名人と不倫関係を続けています。サキさんは、「不倫を始める女性が、まともな精神状態であるわけがない」と、自分を断罪するように言い切ります──。

──現在の関係には満足していますか?

サキ していません。ちょうど一週間前に喧嘩したから。もう私が完全に冷めてる状態。向こうから連絡が来ても「疲れてるからほっといて」って伝えてる。この前、私の誕生日のお祝いをした時、二人でまったりしていてふと、「私の魅力ってなんなの?」って聞いたんです。彼は「サキといると落ち着くかな」と言った。それはいいんだけど、その後に「昔はセックスしても気持ちよくなかった」って言い始めて……。そんなこと言われたらキレるでしょ? 彼としては、「昔と比べて成長した」みたいな意味合いだったんだろうけど、いきなり今言われても……。

──それはひどい。

サキ うん。「昔は体調が悪そうだったけど、今は良さそうだし、最近のサキはいいね」って彼は言うんだけど、私は今もそんなに体調は良くないの。ただ彼が「健康的な子が好き」って言うから無理してただけ。そんなことがあって、急に(彼への気持ちが)冷めちゃった。その後、彼から「もうしっかりした恋愛をするべき時期じゃないかな。俺も中途半端な状態は苦しい」というLINEが来ました。

──別れを促しているんですね。今まで別れようという話になったことはありますか?

サキ あるけど、いざ別れようって私が動き出すと、「サキが別れたいなら俺はいいけど、お互いいい大人なんだし、喧嘩別れはどうかな」って言い出す。「俺は冷静だよ。お前だよ、感情的で未熟なのは」っていう態度を取る。だから今までは別れられなかった。

心の支えみたいなところもあったから、彼がいなくなることに不安があった。記憶にないんだけど、私が荒れてたころ、彼に「死ね!」とか暴言を吐いたこともあるらしいのね。泣きながら彼を殴ったり……。私は一人で立っていられない状態だったし、彼以上に私の気持ちをカバーできる人がいなかったから、他の男じゃ無理だった――。

サキさんの場合は、不倫していることよりも、不安定な気持ちをすべてぶつけてしまいたい、自分の悪い部分も含めてすべて相手に受け入れてほしい、という心の開き方に恋愛障害の核心がありそうです。

長期間不倫を続ける女性は、「無償の愛」をパートナーへ求める傾向があります。その裏には、不倫相手に親子関係のやり直しを求めていることが多いようです。

本当はもっと親から愛されたかった、無償の愛がほしかったという「愛情パターン」を擬似的に埋めるには、既婚者は絶好の相手。なぜなら既婚者は、結婚できない罪悪感と引き換えに、うんと甘やかしてくれるからです。

男性側からしても、奥さんとうまくいっていない、奥さんへの気持ちが冷めてしまった寂しさを埋めてもらえるだけでなく、「頑張ったね」「そういう真面目なところ、僕は見ているよ」と呟くだけで若い体を提供してくれるという意味でも、不倫相手の女性は「かけがえのない存在」です。

普通の男性であれば、過剰な庇護(ひご)を求められても応えきれず、あなたから離れていってしまうので不倫しがちな女性との恋愛は長続きしません。これが、「不倫女子」と「既婚者」の関係を支える構造です。

サキさんには、不倫の経緯についても質問してみました。

──不倫のきっかけを教えてください。

サキ 知り合った直後に震災(東日本大震災)があったの。私の家もすごく揺れて、その時に連絡したら、彼がすぐ返事くれたのね。余震がずっと続いて、私が情緒不安定になった時も、彼は「大丈夫か? 今日ご飯食べたか?」って毎日マメに連絡してくれた。その前も食事に行く間柄だったけど、震災以降「頼る」ようになった。

──震災が不倫の根本的な原因なんですか?

サキ そうじゃないと思う。私、今まで浮気されたことはないんだけど、いつもどこかで「いつか捨てられるんじゃないか」「浮気されるんじゃないか」っていう恐怖心が捨てられない。それは、幼少期に問題があったのかもしれない。私は幼いころ、一週間丸々埋まるくらい習い事をやっていたのね。他の子は、お母さんが一緒に習い事を見ていたり、終わったらすぐ迎えに来てくれていたのに、うちはいつも最後だった。習い事が終わってから一時間くらい待たされたり、親の代わりにお手伝いさんが来ることもあった。先生が送ってくれたこともあるよ。だからいつも「取り残される感覚」があったし、「今日は迎えに来てくれるのかな」って不安もあった。そのあたりに理由があるのかも……。

彼と会うと、不安が消える感じがある。唯一安心できて、甘えられる人。前に同世代の彼氏がいたこともあるけど、自分の核心は見せる気になれなかった。

サキさんが記憶しているような幼少期の「寂しさ」は、当事者にとっては一大事です。この「寂しさ」がやっかいで、サキさんにとっての震災のように、大人になってからフラッシュバックすることがあります。そして、その寂しさを埋めてくれる相手こそが、年上の既婚者だったのです。

同年代の男性は、親のような愛情を注ぐ力はありません。既婚者はあなたを対等な女性とは見ていませんから、ペットに餌を与えるように、かりそめの愛情で満たしてくれます。しかし、残念ながら、あなたが完全に癒されるまでは待ってくれません。彼らはあなたの若い体を存分に楽しんでから、無責任にポイ捨てします。

彼らにとって「かけがえのない相手」とは、若くて簡単に体を提供してくれる女性です。そしてあなたは無償の愛を求めて、次の既婚者へ恋をします。

 

■なぜ「加害男子」は女性を傷つけるのか

不倫を長く続ければ、女性が傷つくことは自明です。しかし実は、明らかな悪意をもって女性をもてあそぶ男性は少数派。むしろ本人も傷つき、苦しんでいる人であったりします。ではなぜ彼らは女性を傷つけるのでしょうか?

<加害男子が女性と不倫をやめられないわけ>

① 女性から傷つけられた過去があり、不倫など女性を傷つける行為は復讐だと考えている
② 男性社会で認められたい欲求が強く、「女性をぞんざいに扱えるほどモテる俺」像を必要としている
③ 女性を傷つけ「そんな自分さえ受け入れてくれる」と思うことで自尊心を保っている
④ 幼少期に自尊心が育たず、寂しさを埋める対象として女性を求めてしまう

加害男子もまた傷ついています。そして自らの穴埋めをするように不倫女子を求めるのです。

 

■不倫男子と恋愛障害

不倫女子の数だけ、不倫男子もいます。

ここで取り上げるのは、自ら積極的に不倫を求める男性です。「妻とはすでに別居していて、うっかり他の女性と一晩関係を持ってしまった。後悔して二度と連絡は取っていない」というような例は恋愛障害ではありません。

恋愛障害の不倫男子は、自ら社会的に不利になったり、傷つけたりする恋愛を繰り返してしまうのが特徴です。

未婚女子へ躊躇(ちゅうちょ)なく手を出し続ける既婚男性は「強烈な寂しさ」を抱いています。不倫をする男性はその前に結婚する必要がありますが、早期に結婚する男性は家庭が保守的であったか、もともと寂しがりやで家族を求めているケースがほとんど。「早くに人生を決めすぎた。もっと幸せな家庭に憧れていたんだ」といったキーワードが、常習犯の兆候です。

「幸せな家庭を夢見ていたけど、妻はそれを叶えてくれなかったんだ」という不満を語ったり、単にセカンドハウスを持っているだけなのに「もう別居しているんだ」とうそぶく、「妻は子どもができてから変わってしまった。人としては尊敬しているけど、恋愛感情は抱けないんだよ」と子育てから逃げる自分を棚上げし、「妻より前に出会っていたら、絶対に君と付き合っていた」などと語る……。

そうすることで、自尊心が低く真面目な女性が、自分へ同情してくれることを知っているのです。

彼自身、自分ではコントロールできない寂しさを抱えていることもあります。不倫男子に幼少期の話を聞くと、「母親が共働きで構ってもらえなかった」「病気をしていて長期間入院していた」というような母親不在のエピソードが頻出します。また、学生時代モテなくて劣等感を抱いていたのに、社会人デビューに成功、当時の劣等感を埋めているケースもあります。

健全な女性は、「幸せな家庭像」を既婚男性に語られると、「どうして彼は奥さんとの家庭作りに注力せずに、口説いてくるんだろう?」と疑問を抱きます。

至極まっとうな疑問ですが、不倫を始める女性は、盲目的になっている、相手にうまく言いくるめられている場合も多く、この疑問を封じてしまうのです。

 

■作られた理想に騙されるな

本章では、さまざまな恋愛障害を抱える女性たちを取り上げてきました。幼少期にありのままの自分を愛された経験があり、自尊心を育まれた女性は、恋愛障害に陥りにくいのです。

では、「きちんと育まれた自尊心」とはどういうことでしょうか。簡単に言うと、「どんなことがあっても、私は私のことが大好き」と思えることです。誰かに愛されなくても、仕事がうまくいかなくても、家庭が円満でなくても、「仕方ない」「そんなこともある」と自分を受け止められる。そして、自分の寂しさに打ち勝てる──。

「私のことが大好き」と思えない恋愛障害の女性は、たとえ自分を丸ごと愛してくれる男性に出会っても、「恋も仕事も両立できる女性でいなくては」「早く子どもを産まなくては」と、自ら作り上げた理想に引っ張られ、苦しみます。世間体や男性のイメージに適わなければ自分を愛することができず、人を愛することもできない。──これが恋愛障害の正体です。

恋愛障害の女性が、普通の「自分を愛せる男性」と出会った場合、男性は「うまく言葉にできないけど、何か合わない」「何か愛情が歪んでいる」と感じて去っていってしまいます。「愛されたい」ならば自尊心を育て、時々襲ってくる寂しさに打ち勝ち、いい人に出会えるまで待つことができる辛抱強さも持たなくてはいけません。(トイアンナ)

 

■筆者紹介
トイアンナ:ライター・性暴力防止団体「サバイバーズ・リソース」理事。慶應義塾大学法学部卒業後、外資系企業にてマーケティングを約四年間担当。業務や独自の活動で「キャリア」「不倫女子」「風俗嬢」などをテーマに500名以上からヒアリングを重ねる。現在「ありのままの自分を愛する自尊心の育て方」をテーマにさまざまな媒体で執筆中。

 

■天狼院よりお知らせ

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トイアンナさん著『恋愛障害』(光文社)
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