バズりたい?それならブログを書きなさい。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:くればやし ひろあき(ライティング・ゼミ10月コース)
「ヤダヤダヤダヤダ!」
男の子が一人、死にかけたゴキブリのようにひっくり返り、手足をジタバタさせていました。
「ガチャガチャ買って!」と癇癪を起こし、ほとほと疲れ果てた母親が、我関せずと無視して歩いていくのです。
ショッピングモールを行き交う人々が冷ややかな視線を送っています。
自販機の前に設置されたソファに腰を下ろし、僕も傍観者の一人として、その光景を眺めていました。
昨今、「バズる」ということに懸命になり、人の道を踏み外す人たちが後を断ちません。
歪んだ自己承認欲求は、炎上系や迷惑系と呼ばれるコンテンツを生み出し、バイトテロや客テロといった愚行が企業の活動に大きなダメージを与えたことは記憶に新しいと思います。
彼らは、この幼な子に似ています。
本当はこの子、ガチャガチャが欲しいわけではありません。
周囲の人の耳目を集めることで、母親の気を引こうとしていただけなんです。
お母さんに振り向いてもらいたい。
それだけだったのです。
炎上する人たちも同じ。
自分に注目してもらいたいだけ。
それにしても、なぜ人はフォロワーやいいねの数を求めてしまうのでしょうか。
あなたの中にもし「バズりたい」という欲求があるならば、ブログを書くことをおすすめします。
「えっ?今さらブログなんて読まないよ」と思うでしょう?
その通りです。
それにブログなんて絶対バズりません。
それでも僕がブログをおすすめするのには理由があります。
ブログを書くことは、異性と同棲生活を送ることに似ています。
恋愛中の僕らは、恋人と会うとき、少しだけ自分を盛って表現します。
オナラをしたくなったら、男の僕でも我慢するし、金欠でも見栄を張ってご馳走します。
デートの費用は、男性が奢るべきか否かという論争をSNS上で見かけました。
40代のおじさんが勝負するには「奢る」の一択しかありません。
見栄えで劣る以上、経済力で勝負するしかないのです。
髪型を整え、服のコーディネートに悩み、下腹部に力を入れて凹ませ、少しでも自分をよく見せようと努めます。
恋愛中の僕らは、少しだけ無理をして自分を魅力的に見せようとします。
だから、恋愛はSNSに似ています。
美味しいものを食べれば写真を撮り、有名人に会えばタグ付けする。
珍しい場所では自撮りし、アプリは肌艶を別物に変えてくれます。
僕自身は1㎜も華やかになっていないのに、他の権威性を借りて、僕は僕を大きく見せようと懸命になるわけです。
そうやって少しだけ盛った偽物の自分で異性の気を引く。
おじさんだってモテたいんです。
だって、人間だもの。
ところが、毎日ブログを書いていると、盛って書くことに疲れてしまいます。
少しでも自分をよく見せようと色気を出した途端、書くことが嫌になります。
毎日ブログを書き続けてきたからわかるんです。
ありのままに、日々感じたことを書かないと、書き続けることは難しい。
だから、ブログを書くことは異性と同棲生活をすることと同じなんです。
暮らしを共にする以上、自分の汚い部分も見せねばなりません。
酔っ払って帰れば、うっかり下着に粗相をしてしまうこともあるし、うっかりオナラが出てしまうこともあるでしょう。
うっかり出たオナラは、なぜあんなに臭いのでしょうか。
夜更けに一人、汚れたパンツを風呂場で洗っているところを見られたことはありますか?
絶望的な気持ちになります。
一緒に暮らすってそういうことです。
可愛らしい姿だけじゃない。
みっともない姿、恥ずかしい姿、人に見せたくない姿だって見られてしまうのです。
しかも、好きな人にですよ。
でもね、「それでも好きだ」と言ってくれるわけですよ。
「それでも好きだ」と言ってくれる人としか一緒に暮らせないんですよ。
ブログも同じです。
ありのままのあなたの書いた文章を読んで、それでも好きだと言ってくれる人だけが読者になり、読み続けてくれる。
そういう人をファンと呼ぶのでしょう。
盛った姿ではなく、ありのままの姿に人はファンになる。
派手にバズらないけれど、静かに応援してくれることのありがたさ。
SNSのフォロワーは、簡単にフォローしてくれるけれど、飽きればすぐに離れていきます。
だって、別にあなたでなくたって構わないんです。
他にいい人がいれば、離れていく尻の軽い異性だと思ってください。
ちなみに、尻の軽い異性、僕は嫌いじゃないです。
でもね、その「いいね」に一喜一憂するのはいかがなものでしょうか。
それよりも、本当のあなたを知った上で「それでも好きだ」と言ってくれるたった1人の存在の方が何倍も価値があると思いませんか?
「それでも好きだ」と言ってくれる人。
そう、それはあの子にとっての母親と同じです。
本当に振り向いてほしいのは、あなたをありのままに愛してくれる人だと思うのです。
人に迷惑をかけたり、人の気持ちを逆撫ですることを発信しても、あなたにとって大切な人は振り向いてはくれません。
人は長所で好かれ、欠点で愛されるといいます。
だから、ありのままをブログに書き綴ってみてください。
弱いあなたもきっと魅力的です。
では、パンツを洗ってきます。
***
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