ようこそ、おっぱいの聖地・京都へ《ふるさとグランプリ》
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記事:あやっぺ(ライティング・ゼミ)
「納豆をいっぱい食べたら、おっぱいが大きくなる気がするんです!」
時は、2016年10月16日(日)の夕刻。
場所は、京都市北区にあるレトロな建物『紫明会館』の一室。
ここで行われていたのは、京都天狼院オープンに向けて開かれていたイベントで、「京都天狼院編集部」という名の会議だった。
参加者が自己紹介に加えて、今自分が一番興味のあることについて語るというお題で、順番にスピーチが続いた。
各々がディープでユニークな話を繰り広げ、室内は熱気と笑い声に満ち溢れていた。
自分の順番が近づいてくるにつれて、私は内心かなり焦っていた。
京都人である私は、いったい何を話せば良いのか?
京都に生まれ育ったというだけで、誰もが京都の寺社仏閣や歴史、伝統工芸などに詳しいわけではないのだ。
むしろ、京都以外の地で生まれ育った人の方が、京都への強い憧れをお持ちで、本当にとてもよく勉強されていて、京都に詳しいというケースが珍しくない。
私が知ったかぶりをしたってすぐにバレるし、恥をかくだけ。
京都っぽさにとらわれ過ぎて、大して興味のないことを無理やり話したところで、熱量が無ければ響かない。
京都に天狼院がオープンすると聞きつけて以来、私はずっとそのXデーを心待ちにしていた。
この日までにも、何度か京都で開催されていた天狼院の公式イベントがあったことは知っていた。
本当は参加したくてたまらなかったのだが、あいにくスケジュールがなかなか合わず、いつもチャンスを窺っていた。
そして、この日ようやく念願の初参加が叶ったのだ。
京都天狼院に何としてでも関わりたい!
そのためには、天狼院店主である三浦さんに、ここで京都人としてアピールしなければ!
全国に大勢おられる天狼院書店ファンの人達に埋もれてしまわないように、私のことを絶対に覚えてもらわなければ!
私が今、本当に興味関心のあることで、この会議の場が盛り上がって、さらに三浦さんの好みにバッチリ合うネタって何だろう?
考えに考え抜いて、私は大きな賭けに出ることにした。
私は失笑覚悟で、冒頭のスピーチをしたのだった。
「納豆をいっぱい食べたら、おっぱいが大きくなる気がするんです!」
「でも、気のせいじゃないと思うんです。毎日2~3パック食べ続けていたら、本当に大きくなってきたんです。だから、私以外の人にも当てはまるのか、納豆に豊胸効果があるのか、みんなで納豆を食べ続ける実験をして、証明したいんです!!」
私は自分が何者なのかを話すのもそこそこに、納豆業界の回し者かの如く、マイブーム「納豆豊胸説」を熱く語り続けた。
結果は、予想を遥かに超えてウケた。
そして、三浦さんの食いつきっぷりは本当に凄かった。
「裏フォト部っていうのがあるから、そこと連動させて、豊胸効果を写真で証明できたら面白いよね。おっぱい部、採用決定!」
三浦さんは、まるで明石家さんまかと思うくらい、とても楽しそうに私の「納豆豊胸説」を拾い上げて、大きく素敵に膨らませてくださった。
こうして私は、“京都の納豆おっぱい女”として、三浦さんの記憶にしっかり刻み込まれた。
私の賭けは、大当たり。大成功だった。
年が明けて、2017年1月29日(日)。
2日前にグランドオープンした京都天狼院では、この夜、オープン記念パーティが催された。もちろん、私も参加した。
「三浦さん、こんばんは」
店内でご挨拶した私を見るなり、三浦さんは、
「おっぱい部、やりますよ! おっぱい部!」
とニコニコしながら声をかけてくださった。
嬉しい、感激だ! 三浦さんにしっかり覚えてもらえている!
“納豆おっぱい女”冥利に尽きる瞬間だった。
ところで、京都という都市は、実は「納豆」と「おっぱい」に密接な関わりのある土地だということをご存じだろうか。
まず「納豆」について。
生産量日本一が茨城県で、消費量日本一が福島県。リーズナブルな健康食品だけれども、西日本ではあまり好まれない食材というイメージが強いかもしれない。
納豆の発祥地については秋田県、茨城県、熊本県など諸説あるようだが、京都の京北町が発祥の地だという説もあるということは、京都人でも知らない人が多い。
舞台は、南北朝時代の政争に敗れて出家した光厳法皇が開山した常照皇寺(じょうしょうこうじ)。
法皇は里人から献上された「みそ豆」を少しずつ食べていたが、しばらくすると豆から糸を引くようになった。食べ物を粗末にできないと、法皇がその豆に塩をふりかけると味が良くなったことで村に広まり、やがて都でも食されるようになったという言い伝えがあるそうだ。
この地域の絵巻物には、藁に包まれた納豆の絵が描かれていたり、歌詞に納豆が出てくる子守唄があるという。また、正月には「納豆もち」を食べる慣習も残っているらしい。
世界的な観光都市である京都には有名な観光地や名物がたくさんあるので、京北町が納豆の発祥の地であると、わざわざ「納豆推し」をしてこなかったのではないかという気もするが、もしかすると本当に京都こそが、納豆の発祥地なのかもしれない。
次に、「おっぱい」について。
女性用インナーウェア市場で41%と日本国内トップのシェアを誇るワコールは、1946年に京都で創業。現在も京都に本社を構える老舗メーカーだ。
京都発の世界的企業のひとつであるワコールの主力商品は、他でもなく「おっぱい」を優しく包み、しっかり支えるブラジャーだ。
私は20~30代にかけて数年間、ワコールの採寸モニターをしていたことがある。
採寸モニターは、サイズ別に不定期に本社への来社招集がかかる。
身体中に黛で大量に印を付けられ、サイズを計測された後で、着用感をコメントするのが私たち採寸モニターの最重要任務だった。
そして、来社なしの在宅での任務として、自宅に分厚いアンケート用紙が送付されることも多かった。
ブラジャーやショーツをはじめとした女性用インナーウェアは、常日頃からたくさんの採寸モニターのデータを分析して、女性の生の声を聞いて作られているのだ。
私はワコールの採寸モニターを経験して、その開発現場を垣間見た気がしている。
京都が「納豆」と「おっぱい」に密接に関わりのある都市だということが、これでお解りいただけたと思う。
京都天狼院に「おっぱい部」が誕生するのは、もはや偶然の思いつきなどではなく、必然な気がしてきたのは、言い出しっぺの私だけではないはずだ。
京北町の「納豆発祥の地説」は、他県に譲っても良いと個人的には思う。
しかし、「おっぱい」との関わりについては譲りたくない。
ワコールのお膝元である京都に天狼院書店がオープンしたからには、いっそのこと京都天狼院を「おっぱいの聖地」化するくらいの野望を持っても良いのではないか。
先日、三浦さんが「おっぱいは最強のコンテンツだ!」と某編集会議の席で発言されていた。
「人生を変える書店」である京都天狼院は、もう既に「おっぱいの聖地」への一歩を踏み出しているのかもしれない。
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